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長いお別れ



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長いお別れの評価: 4.36/5点 レビュー 290件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.36pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全29件 1~20 1/2ページ
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No.29:
(3pt)

ブラックボックス

訳知り顔で何でも知っており、ケンカというか護身術も巧みな、一見するとヒーローのような主人公である私立探偵マーロウは、依頼人であれ友人であれ人妻であれ、彼らによって(結果的に)利用される人物として描かれている。
 彼は彼自身の良心や倫理観といったものによって行動しているのだが、それにもかかわらず/だからこそ、そのような利用される人物へと機能していくこととなる。マーロウの言動と同様にその存在は、皮肉な構造を持っている。
 小説というものは、そのような歪なものだ。真正面から論理的に説明する、ということになれば学術書に近くなるだろう。人間の社会は矛盾を抱えている、社会においても、個人においても。これは永遠に変わらないだろう、人間の社会という言葉がそれなりに機能するあいだは。また、言語や物語といったものも、矛盾や不安定さを内包しているかもしれない。深酒や賭博や殺人や自殺は、そのような矛盾からもたらされるものだろう。合理主義的精神からみれば、そんなものは無用の沙汰なのだが、最大公約数的な社会の継続的運営には残念ながら必要悪として生じざるを得ないのだろう。近代功利主義の妥当性とも言えるかもしれない。そのような悪の頻度や規模を抑制する、というのが妥当な対応だと思える。

 訳者村上春樹による解説で興味深い言及があった。チャンドラーが心理描写を採らないことに関して、心理的過程といったものに対しブラックボックスと例え、その蓋を開かれることを望まない箱、と言っていた点に、村上の世界観や言語感の一端があらわれているように思える。恐らく、西欧文化の流れにおいては、謎や真理は隠されているもので、だからこそ探究されるものであり、(賢明な)人々はその探究への労力を惜しむべきでない、という姿勢が脈々と受け継がれているように思う。それはオイディプスにおいて端的にあらわれている。それに対し、村上は開けられなくてもよい、解明されなくともよい、と述べ、あたかもニュートンが諸法則の根本原因に触れないように、人間や社会が内包する謎を謎のまま扱う、というような姿勢がここに見られるだろう。そのような姿勢は、彼の多くの作品に見られるものである。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.28:
(3pt)

表紙に問題あり。

カバーはキレイでしたが、本自体は表紙、裏表紙ともに角に
折れがありました。新品の筈ですが、残念です。
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)Amazon書評・レビュー:長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)より
4150002606
No.27:
(3pt)

村上訳を読むことは、少しがっかりすること。

この作品はもともと駄作だと思うし、村上小説も好きではないが、久しぶりに翻訳を読んでみた。
特に期待もないので、こんなものかというところだが、一点だけ。
 To say goodbye is to die a little.
の訳について。フランス語は、
 Partir, c'est mourir un peu.
「わずかのあいだ死ぬこと」は問題外で誤訳と言っていい。「死ぬ」という語が使われている理由を
理解していないのが丸出しの訳だ。しかし、「少しだけ死ぬこと」も残念だ。「だけ」はやめてほし
かった。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.26:
(3pt)

ミステリというよりハードボイルド

【ミステリというよりハードボイルド】
ハードボイルド風のミステリというよりハードボイルド小説という印象を受けた。ダンディな男性の友情と愛を描いていて全体的に渋さを感じた。クリスティのようなキャッチーなキャラは出ないし、館シリーズのようなコテコテのミステリというわけではないので、それらが好きな人、ミステリが読みたい人には合わないと思う。もう少し年齢を重ねてから読めばもっと楽しめたかもしれない。

【評価】
オススメ度3
読みやすさ2
意外性  3
長い別れ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:長い別れ (創元推理文庫)より
4488131077
No.25:
(3pt)

新訳の意義はあるが、村上訳、清水訳には及ばない

本書はレイモンド・ソーントン・チャンドラーの第6長編"The Long Goodbye”の新訳版である。
 大昔に清水俊二訳で最初に触れて以来、村上春樹訳、そして田口俊樹訳と合わせて4回目となるが、スカダーものでハードボイルド・ミステリ翻訳者として評価を高めた田口氏の訳だけあって、たしかにスルッと分かりやすく読めた。村上春樹によるチャンドラーの新訳は全部読んでいるのだが、なぜか期待ほどの読後感ではなかった記憶があり、印象を確かめようと思って、せっかくなので続けて15年ぶりに村上訳「ロング・グッドバイ」を読んでみた。
結論としては、たしかに田口氏の訳は読みやすかったが、村上春樹訳、そしてチャンドラーを日本に定着させた清水訳に比べて、翻訳文体の格調やチャンドラーらしさという点で及ばない、というのが私の印象である。
たしかに、田口氏はハードボイルド翻訳に強く、私自身もローレンス・ブロックの「八百万の死にざま」や「聖なる酒場の挽歌」で読みやすい田口流ハードボイルド節を堪能したし、ミステリ翻訳者らしく本書のプロットも(無いに等しい小説だがw)わかりやすく、だからこそ読後感がスッキリしていたのだと思う。
 ところがその後、村上訳を読むと、村上氏が「ロング・グッドバイ」巻末の解説「訳者あとがき」で、「本当に意味での魂の交流の物語であり、人と人との自発的な相互理解の物語であり、人の抱く美しい幻想と、それがいやおうなくもたらすことになる深い幻滅の物語」(チャンドラー著、村上春樹訳「ロング・グッドバイ」(早川書房)「訳者あとがき準古典小説としての『ロング・グッドバイ』」P.554より引用)と記しているように、正に現代文学の頂点の一つに昇華するような、ミステリ小説という狭い枠を超えた読み物として、あらためて心に印象付けられた。もしかしたらそれは、田口訳によってプロットや語り口がミステリ小説らしく整理されたからこそ、再読して味わえたのかもしれないが。しかし、両翻訳を比較すると、今回の新訳は村上訳に比べて、翻訳を通じてとは言え、印象としてチャンドラーらしさが伝わってこなかった。そもそも、プロットを読ませる(味わう)小説ではないので、チャンドラーらしさ、いわゆる「チャンドラーの文章はあらゆる意味合いにおいてきわめて個人的なものであり、オリジナルなものであり、ほかの誰にもまねすることのできない種類のものだった」(チャンドラー著、村上訳、前掲書P.536より引用)とチャンドラーの文体の本質を喝破した村上氏のあとがきを体現した、翻訳言葉としての日本語の使い方も品格の高い村上訳に比べると、本新訳はよくできたハードボイルド小説の翻訳書に留まっている(そもそも、プロットを読ませる(味わう)小説ではないので)、というのがあらためて翻訳文体を比較しての感想である。
 あと一点、言及すべきは、巻末の解説についてである。本書「長い別れ」の巻末には、「訳者あとがき」と書評家による「解説」があるが、解説の冒頭がいきなり、「田口俊樹がレイモンド・チャンドラーを翻訳する。素晴らしいことである。」(本書P.584より引用)となっている。まあ、ミステリ・マニアからすると、"The Long Goodbye”の新訳で気になるのは翻訳者であろうし、また前述の通り本書には訳者あとがきがあって、田口氏がけっこう、解説の領域まで踏み込んで記しているので重なりも多く、冒頭からこうぶち上げたいのはわからないではないが、そもそも本書のターゲットはミステリ・マニアだけでなく(マニアならぶち上げなくても翻訳家の田口氏は知っているだろうけど)、初見・初読で創元推理文庫の本書を手に取るマニアでない一般読者もあろうと思うが、いきなり訳者の名前から解説を始められても戸惑ってしまうのではなかろうか。海外文学の名作だったら、各出版社から文体の異なる翻訳が出版されるのは当たり前なので、海外文学の名作に比肩する(あるいは入れられる)本書であれば、ミステリ初学者でもわかるような解説の構成にするべきと思料する。本書の解説はまさに、マニアックなミステリサークルの内輪受けと言わざるを得ない。同じ創元推理文庫の新訳の解説でも、ベンスン殺人事件(日暮雅道訳)の戸川安宣氏の解説は、「本書はS・S・ヴァン・ダインのデビュー長編・・・(中略)・・・の最新訳である。」(ヴァン・ダイン著、日暮雅道訳「ベンスン殺人事件」(東京創元社)P.385 戸川安宣「ファイロ・ヴァンス登場」より引用)と冒頭にあり、その後も、「ファイロ・ヴァンスの横顔」「ヴァン・ダイン作品の特徴」、、、と章立てして初学者でもわかりやすいように説明されており、せっかくマニアに限らず多くの読者を呼び込める本書なのだから、私自身はこうしたスタイルの解説が望ましいと思う。
 なお、解説の構成が散漫だとか、自己陶酔型の筆致や文体が好みに合わないとかあるが、それは個人の主観なので多くを語らないとして、一つ読んでいて看過できなかったのが、本書P.598 6行目「村上訳の特徴を一口に言えば中立的であることだろう。・・・(中略)・・・文句なしに及第点の翻訳と言うことができるだろう。」
「及第」の由来は、昔の中国で、科挙の試験に合格すると大きな屋敷で働くことに手が届く、とうことであり、よって、試験や審査に合格するという意味である。「及第点」は及第に必要な点ということであり、それもギリギリ届くというニュアンスなので、あまりいい評価ではないという、上位者(審査官)が下位者(受験者)に向かって使う言葉である。無論、翻訳(書)に資格や合格点がある訳ではないし、作家、翻訳者、評論家(書評家)は対等の立場だと思うので、村上春樹でなくても、訳者に対し「及第点」という言葉は失礼だと思う(文句なしに及第点とか日本語がよくわからないw)。私は点数をつけるなと言っているのではなく、評論家は良くないと思えば星2つとか、60点とかつけるのはおかしくないと思うが、この言葉を使うのは評論家としては失格だろう。
 私はハルキストではないし、この書評家の言葉によって、世界のムラカミの評価が落ちるとはこれっぽっちも思わないが、こうした言葉をそのまま世に出してしまう編集者、そして出版社の見識を疑わざるを得ない。出版不況の中大変だと思うが、評論家・書評家の育成も出版社の使命なので、短編ミステリ・シリーズの発刊などチャレンジしている東京創元社には不況に負けず、ミステリ業界のレベルアップに向けて頑張っていただきたい。
ちなみに、本書と異なり、早川書房の「ロング・グッドバイ」の村上春樹氏による訳者あとがき「準古典小説としての『ロング・グッドバイ』は、チャンドラーへの愛情に満ちつつ冷静な筆致と質の高い日本語で書かれた、この文章だけでもお金を払う価値のある巻末解説となっており、必読である。
 本書の評価だが、これだけの名作なら読者の選択肢を広げる意味で良いと思うので、新訳の意義としては十分あると思うし、田口訳のミステリ翻訳書のとしての読みやすさは高く評価できるので、星4つと言いたいが、解説で星1つ減点して3つとしたい。初読の人には、清水訳か村上訳をおすすめする。
長い別れ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:長い別れ (創元推理文庫)より
4488131077
No.24:
(3pt)

やはりそこは村上ワールド、、、長いあとがきはなんとかしてほしい!

600ページに及ぶなかなかの長編だが、テンポが良くわりとスラスラと読むことができた。
フィリップ・マーローは自分の新たなヒーローとなった。
ハードボイルドな作品だが、自分はそこそこ村上春樹氏の作品を読んでいるからか、
主人公をどうしても氏の作品の主人公と重ね合わせてしまい、そのハードボイルドさが
薄まった気がしてならない。
どうしてもそこは村上ワールドなのだ。

おそらく清水氏の訳を読むことでその辺の雰囲気の違いが明確になるのだろうが、
もう一度読み直すまでのモチベーションは持ち合わせていない。
割愛されている箇所や誤訳もあるらしいし。

あと、これは不満なのだが、ラストの余韻に浸ることなく唐突に話が終わる点だ。
これはあとがきが40ページにも及ぶ所為だ。
自分は残りページ数の厚さでクライマックスのタイミングを推し量る。
これではまるで、フルマラソンで残り5kmと思ってぼちぼちスパートかけるかな、
と思っていた矢先にゴールラインを超えてしまったような気分だ。
いろいろな作品を翻訳されているようだが、やはりオリジナル作品がこの人の一丁目一番地なのだと再確認した。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.23:
(3pt)

村上春樹の翻訳がどうなの

レビューの多くは、村上春樹が新翻訳をした事実を
述べるだけ。中には後書きしか読んでいないとい
うものもある。いい加減な信者だけが、何時迄も
ノーベル文学賞を待ち望んだら良いさ、谷崎潤一郎
や三島由紀夫も取れなかったそれを。

ほぼ全作読んだ者としては、三島由紀夫は無理からない
と思う。それほどのものでは無い、文章とか内容が
軽すぎる、最後の『豊饒の海』四部作を除いては。
村上春樹なんて、それ以下だよ。日本人でも間違って
受賞した者(無論川端先生ではない)もいるから
何とも言えないけれど。

あのせいで毎年無駄な期待をさせるのなら酷だな。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.22:
(3pt)

ハードボイルド初心者には・・・

ハードボイルド小説をあまり読まないので「こういうものなのかな」という感じで読みました。

オチとは厳密には言いませんが「こういう秘密があるのかな」的なことは割と早くに想像がつくというか・・・なので、そんなに推理要素はない様に思います。

主人公は魅力のある人物ですし、テンポはサクサク進むし、文章も小気味良いし・・・そういう意味では不満はないのですが、ハードボイルドな世界がわからないので「どうしてそういう行動になるの?」と、主人公の行動原理にいまいちついていけないところはあります。

男性ならしっくりくるのでしょうか。

ハードボイルドが好きな方ならきっと楽しいのかなという印象の作品でした。
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)Amazon書評・レビュー:長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)より
4150002606
No.21:
(3pt)

村上寒い。

骨太な本、比喩は巧み。しかし、村上春樹が幼稚すぎて。。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.20:
(3pt)

再訳に至る経緯とチャンドラーの文体や手法の話に興味深く引き込まれました。

「村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事」を図書館で読んで関心を持ち、厚さ4センチもある本書が展示してあり読みました、ただし訳者あとがきだけですが、著者は16歳から何度も何度もくり返し読んで
再訳に至る経緯とチャンドラーの文体や手法の話に興味深く引き込まれました。
私は20年ほど前「読まずに死ねるか!」内藤 陳 (著)での一押しが「深夜プラス1」で初めてハードボイルドという言葉を知りました。ウィキペディアによると
ハードボイルドとは元来、ゆで卵などが固くゆでられた状態を指す。転じて感傷や恐怖などの感情に流されない、冷酷非情、精神的・肉体的に強靭、妥協しないなどの人間の性格を表す。
2014年4月放送のNHKの連続ドラマ全5話を見ました。主演は浅野忠信で、デビュー26年にして初の連続ドラマ主演となる.浅野忠信は凄い映画「バトルシップ」で知りました。
you tube :バトルシップ名シーン!戦艦が簡単に沈むか!で見れるよ。
『長いお別れ』(ながいおわかれ)または『ロング・グッドバイ』(原題:The Long Goodbye)と原作者レイモンド・チャンドラーはウィキペディアにかなり詳細な記述があります。
合わせて読めば時間があっという間に過ぎてしまいます。
それにしても最近はノーベル文学賞の話は薄れているようですが、村上さんは日本より海外でよく読まれているようですが・・・
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.19:
(3pt)

読ませるが、暴力シーンが多く、いかにもアメリカ的な推理小説

有名なミステリー小説なので、題名は知っていたが、読んだのは今回が初めてである。確かに読ませるし、最後のどんでん返し?なんかは面白いが、ホームズ物やポワロ物に比べると、人間の心の機微の描き方がやや浅薄な気がする。主人公のマーロウが何度も殴られるなど暴力シーンも多く、まあ、いかにもアメリカ的な推理小説だなあという感じがした。それと訳が、マーロウが喋っているのか、相手が喋っているのかよくわからない部分があり、ややとまどった。
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)Amazon書評・レビュー:長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)より
4150002606
No.18:
(3pt)

冗長にすぎる、模型なような小説

いろいろと評価が高く、内容的にもおもしろいのではないか、と思い読んでみたが、たしかにつまらないということはなく、冗長すぎる描写はところどころでとばしながらも、完読することはできた。

しかしながら、まずは編集上の問題として、誤字と思われる部分がいくつか目についた。

次に、登場人物がどれも「そのために作られた」人物と所作のかたまりであって、無論、そういう作家のそういう作品なのだろうが、文章としてのおもしろさはともかく、血の通った人間のそれではない。

フィッツジェラルド夫妻をモデルにしたような登場人物ふくめ、グレートギャツビーを意識して書かれたようなところがあるが、小説としての質は完全にグレートギャツビーが上であり、ハードボイルドというには、主人公が饒舌でスタイルがなさすぎる。

一見、なにかの規範で動いているように見えて、ただそのときどきの場面で、うまい場面を演じさせるために、毎度行動指針が変わっているかのようだ。これなら、ヘミングウェイやブコウスキーのほうが、さっぱりして、一貫しているものがあるように思われる。

中身のないものをあるようにして見せるのが文章の技術なのであれば、きっとそういうものなのだろうが、そこまで高い評価を受けるに値する作品のようには思えなかった。
長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)Amazon書評・レビュー:長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ 260 世界探偵小説全集)より
4150002606
No.17:
(3pt)

とても面白かったが、いくつか難点がある。

とても面白かったが、いくつか難点がある。

テリーやアイリーン、あるいはロジャーの書き込みがもう少し必要。
とりわけテリーについては訳者が「これはテリーの物語だ」という程テリーの人間が見えてこない。
 最終章でテリーが再登場するのはいささか興醒めだ。せいぜいが手紙だろう。あるいはどうしてもというのであれば、偶然〈ヴィクターズ〉で再会するというところだろう。
 村上の翻訳についても疑問がある。訳すべきものはきちんと日本の文脈に流し込むべきではないか。 例えば「ミスタ」という呼びかけ。 敬体の使い方。
 逆に面白いと思ったことは植物や鳥の情景描写が頻繁に登場すること。

 他のチャンドラーの作品も読んでみようと思った。

 どうでもいいが単行本のカヴァーデザインは酷くないか。もうひとつ。邦題は『長いさよなら』が妥当だろう。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.16:
(3pt)

読み切れなかったなぁ。

タイトルの「ロング・グッドバイ」とは、長い別れに対するさよならではなくて、さよならを中々言い出せない長い時間、惜別の情を言うんだろう。前から読みたかった本。チャンドラーの原作で村上春樹の訳。フィリップ・マーロウのハードボイルド振りも噂に聞いていた。だけど、読みきれなかったなぁ。二度読み返したんだけど。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.15:
(3pt)

とても良い商品でした。日々愛用しております。家族の人気者です。

とても良い商品でした。日々愛用しております。家族の人気者です。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.14:
(3pt)

タイトルの「フィリップ・マーロウ」

必要なくない? Kindle版にはこういう不統一だったりおかしなタイトルがよくあるね
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.13:
(3pt)

やはり、Jay Gatsbyには敵わない・・・

テリー・レノックス。いい男だが、骨格が弱い。
最初の会話とマーロウがブタ箱にぶち込まれる辺りまでは、ストーリを十分喚起させ、
味わいのある雰囲気に、それなりになっていたと思う。

その後が、長い。
400頁で纏められなかったか。
登場人物たちの多さに合わせるかのような場当たり的な展開が興を削いでいる。

予測を裏切るような展開と"マーロウ自身を裏切る"ような混乱がないのが大きい。
(あったと思うが、マーロウは動じない。全て飲み込んだ超越的な立場を醸し出している。
これが、チャンドラーか?)

似たような場面(設定)が多いのも難ありか?

最後はラストまでだらだらと飛ばし読みも可能か。
ずいぶん引っ張ったな。
ごろつきやくざや金持ちなんかはキーマンだったのか?
そういう無駄な描写が村上春樹は妙に好きだといってたが、
チャンドラーファンには、そりゃ細部も(昨日食べたランチも)気になるだろう。

それにしても、『フロスト警部』シリーズってのは、よく出来てるな。と再発見。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.12:
(3pt)

そこまで支持される理由がわかりません

外国小説の邦訳になると、必ず、訳がどうのと言い出す人がいますが、自分が見比べた感じでは、その点は、まったく問題を感じませんでした。むしろ、やはり清水訳はやや古くなってしまっていて、語や文構造も堅い感じがするので、村上春樹訳でかなり読みやすくなったと感じました(自分は村上春樹の小説は好きではありません)。
 肝心の中身ですが、自分にとっては、こちらの方が問題でした。この小説は読み方がとても難しいと思います。文章は明瞭で非常に読みやすく、登場人物も人間としてきちんと生きていると思うのですが、肝心の事件が短編の寄せ集めで、それを無理やり一つにつなげたようなものになってしまっています(いやまさにそのようにして作られたようですが)。したがって、チャンドラーの他の作品にも言えることですが、話の筋が無理やり一つに収束されていくような印象を受けます。
 また、探偵物のミステリー小説としては、マーロウがあまりにも探偵らしくないです。腕利きであるわけでも、腕に覚えがあるわけでもなく、特殊な能力や経歴をもっているわけでもなく、個性といえば、シニカルな批判をだれかれ構わずいってしまうことくらい。。。「タフ」な人物として描こうとしているようですが、あまりそうは見えません。
 また、この作品に関していえば、テリー・レノックスの行動が謎過ぎます。彼のあらゆる行動の動機が最後までいまひとつ分かりませんでした。
この作品では、テリーが憎めない魅力のある人物として描かれているようですが、文章からはその魅力が何なのか、私にはまったくわかりませんでした。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.11:
(3pt)

台詞の切れ味の悪さ

十年ほど前に清水俊二訳で読み、感動し、それから原書を手に入れ、それを繰り返し読んできた。そして今回、村上春樹が訳したということで読んでみた。あとがきはとても楽しめた。とても気持ちが伝わる。しかし肝心の翻訳は、少々がっかりしてしまった。地の文はともかく、台詞に原文の切れ味が感じられない。そして台詞はこの作品の中で、極めて重要な役割を担っている。この村上訳に対する何人かのレビュワーの言う通り、台詞は清水俊二訳の方が優っていると思う。
村上春樹の作品に対する思い入れはとてもよくわかるが、残念ながら彼の文体は(Raymond Carverの文体とは対照的に)Raymond Chandlerの文体とは合わないような気がする。
ロング・グッドバイAmazon書評・レビュー:ロング・グッドバイより
4152088001
No.10:
(3pt)

村上作品を理解する助けになった。

初めてレイモンド・チャンドラーを読んだ。ハード・ボイルドの私立探偵物としては、筋立て謎かけに妙味なく単調で読むのがシンドイ。チャンドラー好きの人は、恐らく主人公マーロウの魅力にゾッコンなのだろう。アメリカ人の憧れの男性像の一つかもしれない。一匹オオカミで、自分の価値観で行動し、どんなことがあっても自分のスタイルを守る。徹底的な反権力で服従を嫌う。人生に充足しているというよりは、喪失感からかげりが漂う。村上作品の『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』の情景が次々にマーロウに重なっていく。チャンドラーなくして村上作品の主人公は存在しないのかもしれない。ただ、マーロウの「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」、「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」といった決めゼリフは、ジェネレーションが若すぎてシビレルことができない。時代は、ハンフリー・ボガードが格好良かったあたりだろうか?
ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)Amazon書評・レビュー:ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)より
4152090103

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