五匹の子豚

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評判

五匹の子豚の評価:

4.55/5点 レビュー 78件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.55pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全96件 41〜60 3/5ページ
No.56
(5pt)

大満足でした

古い版が好きなので(表紙のイラストも)とても満足しています。紙やけもなく中も美品でした。
五匹の子豚 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U3H8
No.55
(4pt)

楽しみました.

クリスティー独特のちょっと強引すぎるような大逆転もなく,
経過を丹念に辿って正解に行き着くことができました.
考えさせる名言も随所にありました.
感謝です.
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.54
(4pt)

回想の殺人

アガサ・クリスティーによる43年のポアロものの長編作である。
獄中で死亡した母の無実を証明するため娘がポアロに過去の事件の再調査を依頼するというストーリーである。
そのため、いつもの華やかな舞台設定ではなく、関係者をポアロが訪れ話を聞き、手記を読んで解決に至るという非常にポアロものとしては地味な舞台設定だが、こういう地味な作品にこそクリスティーの技が堪能できると言える。
それぞれの人物からの事件の回想のズレから真相を見つけるという展開のため、ある程度はクリスティーの作品を読んでいる人には予想の付く展開ではあるが、最後でその予想をもう一捻りしてくるのは見事である。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.53
(5pt)

語りや趣向の興趣

クリスティはプロットそのものだけでなくつねに語りに関して新たな挑戦をしようとしていたことがわかる一作。ここでは、事件の概要を押さえた上で、同じ事件について5人の関係者にそれぞれの視点から手記を書かせる、という手法をとっている。5人の容疑者を「五匹の子豚」に準えたり、折々に文学作品の一節を引用したりする細部の趣向も、いつもながら楽しめる。同じ事態を異なる視点で見ると異なるように見えてくる、という本作の通奏低音は、真相にも部分的に活かされている。二度欺されたが、悲しい結末ではなくて安堵した。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.52
(2pt)

キツイ生活を送っている話

夫婦間でお互いをののしる壮絶バトルを繰り広げ(口論)、それが二人なりの愛情の証というのがさっぱり理解できない。夫は芸術家という名目の元、浮気を繰り返していて、妻はそれに対してストレスがあるのに、よくまぁ離婚しないでいられるなって思う。他に逃げ道がないのかも。さらには夫の友人もあんなに誹謗中傷しておいて、妻の方が好きだった。なんて。そんなに精神的に苦痛と負担を伴う恋愛が好きという人達がさっぱりわからない。さらには20歳くらい年上のじじいを好きになり、人殺しをして人生を台無しにする殺人者の気持ちもぜんっぜんわからない。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.51
(3pt)

回想の殺人

16年前の事件で犯人にされた女の娘からの依頼を受けて、すでに決着がついている事件に、ポアロが真犯人を見つけるために再度、調査をし直すというストーリー。事件関係者にインタビューをしてまわり、犯人にされた女と被害者であるその夫との関係者五人に手記を書かせ、その中から、ポアロが真実と虚偽を峻別していくという手法とっている
なので、五人の中に真犯人がいて、その真犯人が嘘を言ったり書いたりしている。その虚偽にだまされることなく、犯人を当てなくてはならない。と、言っても、犯人だけが、嘘を吐くわけではなく、犯人でない人間も思い違いをしていたり、勘違いをしていたりするので結構ややこしい。
こういう形式の推理小説を<回想の殺人>と呼ぶらしいが、単に遠い過去に起きた事件を調査、推理することを<回想の殺人>と呼ぶのか、この小説のように、昔の事件に関して、インタビューをしたり手記を書かせたりした人間の中に、真犯人がいて、その真犯人の虚偽を見破るスタイルを<回想の殺人>と呼んでいるのだろうか? わからないので、知っている人がいたら、是非とも教えて頂きたい。
もし、前者の場合なら、島田荘司の『占星術殺人事件』は、40年以上前の未解決事件に御手洗が挑むので、これも<回想の殺人>になってしまうし、大抵の推理小説は、事件が起きてから探偵が調査するので、時間の差はあれど、どれも<回想の殺人>になってしまう。推理小説の内容の半分は、被害者や容疑者の人間関係を調べて、関係のある人に、過去のトラブルなどを訊いて回るから。さらに、<回想の殺人>では、物的証拠が示せないということになっているが、推理小説で、現実世界で有効だと思える物的証拠をきっちり示している小説は、そこまで多いようには思えないのだが。。。

★を三つにしたのは、事件の関係者である五人に事件が起きた日のことを訊いて、さらに手記までも書かせているので、どうしても内容が重複していて、退屈だったからです。
「藪の中」の長いやつを読まされている気分だった。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.50
(5pt)

見事などんでん返し

ミステリーにどんでん返しはつきものだが、クリスティーのどんでん返しは いつも目を見張るものがある。 ポワロの依頼人であるカーラに無意識に肩入れしてしまい、できればカロリンが犯人であってほしくないと思うのだが 出てくる証言のほとんどが彼女をクロだと語っている。そして当初はいくらかの疑いを持っていた人物がいつのまにか 私に中で完全に容疑者の中から消えてしまっていた。 そしてカーラが犯人であるという決定的証拠を持ってポワロは彼女の無実を証明しようとする。クリスティーの巧妙なマインドコントロールに見事にしてやられた感じである。  5人の証人を5匹の子豚になぞらえるところも 面白さをさらに深みのあるものにしている。おすすめできる作品です。
五匹の子豚 (1957年) (世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (1957年) (世界探偵小説全集)より
B000JAYY8A
No.49
(5pt)

見事などんでん返し

ミステリーにどんでん返しはつきものだが、クリスティーのどんでん返しは いつも目を見張るものがある。 ポワロの依頼人であるカーラに無意識に肩入れしてしまい、できればカロリンが犯人であってほしくないと思うのだが 出てくる証言のほとんどが彼女をクロだと語っている。そして当初はいくらかの疑いを持っていた人物がいつのまにか 私に中で完全に容疑者の中から消えてしまっていた。 そしてカーラが犯人であるという決定的証拠を持ってポワロは彼女の無実を証明しようとする。クリスティーの巧妙なマインドコントロールに見事にしてやられた感じである。  5人の証人を5匹の子豚になぞらえるところも 面白さをさらに深みのあるものにしている。おすすめできる作品です。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130021X
No.48
(5pt)

見事などんでん返し

ミステリーにどんでん返しはつきものだが、クリスティーのどんでん返しは いつも目を見張るものがある。 ポワロの依頼人であるカーラに無意識に肩入れしてしまい、できればカロリンが犯人であってほしくないと思うのだが 出てくる証言のほとんどが彼女をクロだと語っている。そして当初はいくらかの疑いを持っていた人物がいつのまにか 私に中で完全に容疑者の中から消えてしまっていた。 そしてカーラが犯人であるという決定的証拠を持ってポワロは彼女の無実を証明しようとする。クリスティーの巧妙なマインドコントロールに見事にしてやられた感じである。  5人の証人を5匹の子豚になぞらえるところも 面白さをさらに深みのあるものにしている。おすすめできる作品です。
五匹の子豚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-21) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-21)より
4150700214
No.47
(5pt)

あなたが知っているのは愛と憎しみだけなのです

1942年の作品。16年前に起きた殺人事件を解くという趣向も、当時の事件の関係者の証言を別々に聞き出し、状況を再現する作業も面白い。証言者の中に犯人はいるのか? 私は犯人をあてられませんでした。
五匹の子豚 (1957年) (世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (1957年) (世界探偵小説全集)より
B000JAYY8A
No.46
(5pt)

あなたが知っているのは愛と憎しみだけなのです

1942年の作品。16年前に起きた殺人事件を解くという趣向も、当時の事件の関係者の証言を別々に聞き出し、状況を再現する作業も面白い。証言者の中に犯人はいるのか? 私は犯人をあてられませんでした。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130021X
No.45
(5pt)

究極の叙述トリック

16年前に起き、既に全てが終わっている事件。夫殺しの有罪になった母は獄中死した。そう、本当に全ては終わっていた・・・。しかし当時5歳であったその娘は、過去の父母の為ではなく自分の未来の為に、ポアロに真相究明を依頼する。 刑事達の第三者に始まり、事件関係者である5人に話しを聞いて行くポアロ。意外な事実も現れるが、更にポアロは彼等に当時のことを、文書として書くことを要求するのだった。同じ出来事とその人しか知らない事実を結び付けた時、驚くべき真実が浮かび上がって来た・・・!
五匹の子豚 (1957年) (世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (1957年) (世界探偵小説全集)より
B000JAYY8A
No.44
(5pt)

究極の叙述トリック

16年前に起き、既に全てが終わっている事件。夫殺しの有罪になった母は獄中死した。そう、本当に全ては終わっていた・・・。しかし当時5歳であったその娘は、過去の父母の為ではなく自分の未来の為に、ポアロに真相究明を依頼する。 刑事達の第三者に始まり、事件関係者である5人に話しを聞いて行くポアロ。意外な事実も現れるが、更にポアロは彼等に当時のことを、文書として書くことを要求するのだった。同じ出来事とその人しか知らない事実を結び付けた時、驚くべき真実が浮かび上がって来た・・・!
五匹の子豚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-21) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-21)より
4150700214
No.43
(5pt)

回想の殺人を描いた最高傑作

『そして誰もいなくなった』や『オリエント急行』の派手さも、『アクロイド』のケレンもないけれど本作は数多あるクリスティの傑作群の中でもまさに群を抜いた完成度。
人物造形がややもすれば紋切型と批判されることの多いクリスティだが(私見ではミステリとしての底を割らないように意図的に平板なキャラクターを登場させている面が多分にある・・・)、本書ほど総ての登場人物たちの陰影が読後も永く心に刻まれ、細波のように感動が残り続ける作品は滅多にない。ことに幕切れの鮮やかさには舌を巻く他ない。
各人の回想から浮かび上がる真相、それに至る伏線の巧妙さ・・・恐ろしいほどに現代的な傑作。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.42
(5pt)

アガサ・クリスティ中期の代表作

「16年前に殺害された画家の父親殺しの罪で獄中死した母親の無実を証明して欲しい」
うら若い女性がポアロの前にこう言って現れた。とっくに解決済みの事件だった。

ポアロが当時の証言を検証していく過程で新事実を突き止めていくのですが、ここがすごく冴えていて
平凡な捜査になりがちなのに、巧みな聞き取りで読者を物語りに惹き込んでいきます。

アガサ・クリスティの置いた手懸かりを求めて、読み進めるうちに長い時間に隠されていた人物像や
登場人物一人一人の話しぶりや、事件当日の細かな状況、決して表面ではわからない何重にも入り組んだ
パズルを解き明かしていく様子はまさに「英国ミステリー」だなと、改めて脱帽です。

同時期アガサの作品では「杉の柩」があり、こちらも素晴らしいミステリーですが、単なる「犯人探し」
ではなく、人間心理に深く傾倒し心の奥底の襞の中にある、仄暗い「何か」を巧みに描いているのが解かります。
深く見据えた人物像と「この人物の何が殺人に走らせたのか」という点に重きを置いて、我らを結末へ導きます。
英国人の気質である淡々としあまり感情を表情に出さない、そんな国民性を逆手に取った「人間洞察ミステリー」
とでも、言おうか…人間の本質の奥深い部分に、手が届くような作品に最後は「やられた!」と唸ってしまう!

クリスティと言えば「ABC殺人事件」「オリエント急行殺人事件」「アクロイド殺し」「そして誰もいなくなった」
などがあるけど、あえていいうなら「五匹の子豚」は隠れた名作で油が乗ったクリスティ中期の代表作ともいえます。
その作品が新訳で再販され、うれしいことに昔の文庫の装丁で復活したのがうれしい、味わい深くて思わず手に取りました。
全体的にすっきりとした翻訳で、ポアロの語りの滑らかさが今までの翻訳とは異なり、個人的にはこちらで正解だったと
大変満足しています。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.41
(5pt)

隠れた傑作

クリスティの作品は多くが傑作ではありますが、これは隠れた名作ではないでしょうか?
ネタバレになるのであまり書きませんが、これこそポアロの灰色の細胞フル回転の真骨頂。

16年前の殺人事件の当事者一人一人の話を全く違う角度から解釈し、表面では見えてこなかった
様々な葛藤、心の動き、人間関係のダイナミクスと派生する様々な可能性を探ります。

私は最後の最後まで自分の予想が良い意味で裏切られました。
さすがクリスティ!ポアロ様にやられました・・!

ということで、まだ読んでない方にはお勧めです。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.40
(5pt)

新訳で再販された中期アガサ・クリスティの隠れた傑作

「16年前に殺害された画家の父親殺しの罪で獄中死した母親の無実を証明して欲しい」
うら若い女性がポアロの前にこう言って現れた。とっくに解決済みの事件だった。

ポアロが当時の証言を検証していく過程で新事実を突き止めていくのですが、ここがすごく冴えていて
平凡な捜査になりがちなのに、巧みな聞き取りで読者を物語りに惹き込んでいきます。

アガサ・クリスティの置いた手懸かりを求めて、読み進めるうちに長い時間に隠されていた人物像や
登場人物一人一人の話しぶりや、事件当日の細かな状況、決して表面ではわからない何重にも入り組んだ
パズルを解き明かしていく様子はまさに「英国ミステリー」だなと、改めて脱帽です。

この頃のアガサの作品では「杉の柩」があり、こちらも素晴らしいミステリーなのですが、単なる「犯人探し」
ではなく、人間心理に深く傾倒し心の奥底の襞の中にある、仄暗い「何か」を巧みに描いているのが解かります。
深く見据えた人物像と「この人物の何が殺人に走らせたのか」という点に重きを置いて、我らを結末へ導きます。
英国人の気質である淡々としあまり感情を表情に出さない、そんな国民性を逆手に取った「人間洞察ミステリー」
とでも、言おうか…人間の本質の奥深い部分に、手が届くような作品に最後は「やられた!」と唸らされてしまった。

クリスティと言えば「ABC殺人事件」「オリエント急行殺人事件」「アクロイド殺し」「そして誰もいなくなった」
などがあるけど、あえていいうなら「五匹の子豚」は隠れた名作で油が乗ったクリスティ中期の代表作ともいえます。
その作品が新訳で再販され、うれしいことに昔の文庫の装丁で復活したのがうれしい、味わい深くて思わず手に取りました。
全体的にすっきりとした翻訳で、ポアロの語りの滑らかさが今までの翻訳とは異なり、個人的にはこちらで正解だったと
大変満足しています。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310215
No.39
(5pt)

犯人判明までの書き口が見事!!

本作はまたもや我等のヘイスティングスが不在!!で切ないのですが、謎がじわじわ明らかになる過程がとてもスリリングで面白かったです。個人的には既読のポワロものの中で3指に入る作品かと。人間の心理・性格の分析と、殺人事件の推理が見事に混然一体となっている秀作です。

 えーと、今回は「犯人が分かった〜〜!」と思って喜んでいたらどっこい結局は予想と違っていて(哀)、クリスティの巧妙な疑似餌にまんまとしてやられたことが悔しくてなりません。しかし騙された〜という推理もの特有の醍醐味も今作はまた格別で、人間心理の妙を利用した筋の組み立てとその処理の見事さに「うまいっ!!」と膝を打ちたくなりました。今作の、真相究明の過程で<五匹の子豚>−容疑者5人の話を1章ずつ順に並べていく手法は『オリエント急行』を思い起こさせますね。

 本作は、映画の『市民ケーン』を髣髴させる作品だなあとも思います。ひとりの人間が、本当にどういう人間であったのかを知るということの困難さ、同じ人間が見る人によってかくも印象が異なるという奇妙さなどを感じさせられます。また作中で言及のあるモームの『月と六ペンス』はゴーギャンをモデルとした画家ストリクランドを主人公とした物語で、本作の被害者の、常人には理解しがたいはた迷惑な生き方(芸術家のそれ)を暗示していますね。
 ドイツの児童文学作家エーリヒ・ケストナーの、離婚を正面から扱った名作『ふたりのロッテ』でも、愛する妻の涙さえも芸術の糧にしてしまう音楽家の父親が出てきます。芸術のデーモンにとり付かれたら本人にもどうしようもないのでしょうが、正直、本当あんたいい加減にしろよっていうかこういう人って個人的には好きになれません(笑)。ロッテのお父さんは子どもの為にちょっと改心するからいいですけれど、ストリクランドと本作の被害者は子どもに代わってぶん殴りたいです(殴られてめげる人たちじゃないでしょうけどね)。
 映画で観たのですが、音楽家ショパンも恋人ジョルジュ・サンドに対する甘え方が駄々っ子だったものなあ・・。やはりショパンもサンドの子供と嫉妬しあっていました(息子のほうだけですが)。板ばさみになるサンドが健気で、可愛そうでならなかったです。・・私、言っていることが完全に本作のウィリアムズ先生ですね(笑)。
 ともあれ本作は、どの人物の描写もリアルで、「こういう人いるよねぇ」感が秀逸な作品でした。未読の方はぜひ!!
五匹の子豚 (1957年) (世界探偵小説全集) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (1957年) (世界探偵小説全集)より
B000JAYY8A
No.38
(5pt)

犯人判明までの書き口が見事!!

本作はまたもや我等のヘイスティングスが不在!!で切ないのですが、謎がじわじわ明らかになる過程がとてもスリリングで面白かったです。個人的には既読のポワロものの中で3指に入る作品かと。人間の心理・性格の分析と、殺人事件の推理が見事に混然一体となっている秀作です。

 えーと、今回は「犯人が分かった〜〜!」と思って喜んでいたらどっこい結局は予想と違っていて(哀)、クリスティの巧妙な疑似餌にまんまとしてやられたことが悔しくてなりません。しかし騙された〜という推理もの特有の醍醐味も今作はまた格別で、人間心理の妙を利用した筋の組み立てとその処理の見事さに「うまいっ!!」と膝を打ちたくなりました。今作の、真相究明の過程で<五匹の子豚>−容疑者5人の話を1章ずつ順に並べていく手法は『オリエント急行』を思い起こさせますね。

 本作は、映画の『市民ケーン』を髣髴させる作品だなあとも思います。ひとりの人間が、本当にどういう人間であったのかを知るということの困難さ、同じ人間が見る人によってかくも印象が異なるという奇妙さなどを感じさせられます。また作中で言及のあるモームの『月と六ペンス』はゴーギャンをモデルとした画家ストリクランドを主人公とした物語で、本作の被害者の、常人には理解しがたいはた迷惑な生き方(芸術家のそれ)を暗示していますね。
 ドイツの児童文学作家エーリヒ・ケストナーの、離婚を正面から扱った名作『ふたりのロッテ』でも、愛する妻の涙さえも芸術の糧にしてしまう音楽家の父親が出てきます。芸術のデーモンにとり付かれたら本人にもどうしようもないのでしょうが、正直、本当あんたいい加減にしろよっていうかこういう人って個人的には好きになれません(笑)。ロッテのお父さんは子どもの為にちょっと改心するからいいですけれど、ストリクランドと本作の被害者は子どもに代わってぶん殴りたいです(殴られてめげる人たちじゃないでしょうけどね)。
 映画で観たのですが、音楽家ショパンも恋人ジョルジュ・サンドに対する甘え方が駄々っ子だったものなあ・・。やはりショパンもサンドの子供と嫉妬しあっていました(息子のほうだけですが)。板ばさみになるサンドが健気で、可愛そうでならなかったです。・・私、言っていることが完全に本作のウィリアムズ先生ですね(笑)。
 ともあれ本作は、どの人物の描写もリアルで、「こういう人いるよねぇ」感が秀逸な作品でした。未読の方はぜひ!!

五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130021X
No.37
(4pt)

犯人判明までの書き口が見事

本作はまたもや我等のヘイスティングスが不在!!で切ないのですが、謎がじわじわ明らかになる過程がとてもスリリングで面白かったです。

 かなりあちこちでヒントが出されているので犯人自体は途中で分かってしまいましたが、それでも人間心理の妙を利用した筋の組み立てとその処理の見事さに「うまい!!」と膝を打ちたくなりました。容疑者全員の話を1章ずつ順に並べていく手法は『オリエント急行』を思い起こさせますね。読んでいて「えええ、まだこれから5人分の供述あるの??必要なんだろうけど話が重複するし長い!犯人多分あの人なのにいい!」とちょっとじりじりしましたけれど(笑)。

 本作は、映画の『市民ケーン』を髣髴させる作品だなあとも思います。ひとりの人間が、本当にどういう人間であったのかを知るということの困難さ、同じ人間が見る人によってかくも印象が異なるという奇妙さなどを感じさせられます。また作中で言及のあるモームの『月と六ペンス』はゴーギャンをモデルとした画家ストリクランドを主人公とした物語で、本作の被害者の、常人には理解しがたいはた迷惑な生き方(芸術家のそれ)を暗示していますね。
 ドイツの児童文学作家エーリヒ・ケストナーの、離婚を正面から扱った名作『ふたりのロッテ』でも、愛する妻の涙さえも芸術の糧にしてしまう音楽家の父親が出てきます。芸術のデーモンにとり付かれたら本人にもどうしようもないのでしょうが、正直、本当あんたいい加減にしろよっていうかこういう人って個人的には好きになれません(笑)。ロッテのお父さんは子どもの為にちょっと改心するからいいですけれど、ストリクランドと本作の被害者は子どもに代わってぶん殴りたいです(殴られてめげる人たちじゃないでしょうけどね)。
 映画で観たのですが、音楽家ショパンも恋人ジョルジュ・サンドに対する甘え方が駄々っ子だったものなあ・・。やはりショパンもサンドの子供達と嫉妬しあっていました。板ばさみになるサンドが健気で、可愛そうでならなかったです。・・私、言っていることが完全に本作のウィリアムズ先生ですね(笑)。
 ともあれ本作は、どの人物の描写もリアルで、「こういう人いるよねぇ」感が秀逸な作品でした。未読の方はぜひ!!
 


五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: 五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130021X