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【アガサ・クリスティ】
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五匹の子豚の評価:
6.75/10点 レビュー 4件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点6.75pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
五匹の子豚の感想
▼以下、ネタバレ感想
16年前に起こった殺人事件をポアロが関係者の証言から推理する物語。犯人として逮捕されたのは依頼者の母親で既に獄中死している。関係者=容疑者は5人。その5人をマザーグースの「五匹の子豚」に例えているという事なのだろうが実際それ程関係なかったりする。物語の大半が、5人の容疑者に対するポアロのインタビューと、その5人が事件当時を回顧して記した手記となっている。真犯人である一名を除いて故意に嘘をついたりはしていない。面白いのは、容疑者5名は何れも誤認逮捕された依頼者の母親に近しい関係であったにもかかわらず、その思い描く人物像がそれぞれ全く異なっているという事だろう。しかし、描く人物像こそ違えど依頼者の母親が犯人である事に誰もが疑いを持っていないのである。この5人の同じベクトルを示していそうな主観を、ポワロが客観的にぶった斬りその盲点を突くのである。これは面白い。誤認逮捕された母親の振る舞いなどを考えても、5人の中に真犯人がいるのならあの人しかいないと多くの読者が予想したはずだが・・・さすがクリスティって感じですね。
灰色の脳細胞私立探偵エルキュール・ポアロが16年前に起きた事件の真相を娘の依頼で調べていく物語です。運よく関係者5人は全員存命していたが16年というのには何か理由があるのかと思っていたがそれほどの意味はないようで、一人ひとりに会い話を聞いていくポアロの行動とともにその時の状況が再現されていく展開です。人が人を評するのにはそれぞれの感情が主に起因している部分が大で冷静に彼もしくは彼女を分析する人間のほうが少ないでしょう。たとえその時の状況から有罪は間違いないとしても本当のところはどうだったのか。ポアロが話を聞き更に手紙で記憶を掘り起こし当事のことを知らせてくれる五人の関係者。ひとつひとつの事象は彼女の有罪を示している。しかし、ポアロが辿り着いた結末は・・・。そんな物語ですが、表に見えている事柄も一歩裏側から見ればまた違った画に見える、そんな良くあるパターンとはいえ当事ではこのスタイルは斬新だったことでしょう。さまざまな人間模様を描き事件に迫っていくポアロの調べ。予定調和ともいえなくもないラストですがすんなりと胸に入るのはそれまでの描き方が上手いと評する他にないと思います。クリスティらしい一冊と感じます。
いわゆる「回想の殺人」テーマと呼ばれるそうですが、正に本格推理という感じで、かなり面白かったです。5人の証言は微妙にずれており、同じ人間を見ているのに印象が全然違う。また、皆すべて本当の話ばかりはしない。しかし嘘ばかりでもなく、うっかり忘れている事や、曖昧な記憶の事もある。そんな当時の話や書いてもらった手紙を元に、最後は意外な真実へとたどり着きます。納得できる良い結末だったと思います。一般的にはマイナーな作品でしょうが、安楽椅子物が好きな方は読んで損は無いですよ。是非。
▼以下、ネタバレ感想