死との約束
評判
死との約束の評価:
4.09/5点 レビュー 33件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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死との約束の評価:
4.09/5点 レビュー 33件。 B ランク
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自分はまず三谷幸喜脚本のドラマで知った。ポアロ役は野村萬斎。共演者に、鈴木京香、松坂慶子、
市原隼人、山本耕史、比嘉愛未、堀田真由、原菜乃華といった豪華メンバーが、適材適所で配役
されている。物語としてもよくできていて、楽しく見られた。でも、どうもよくわからないところが
あり、”あそこはどういうことなのか?”という疑問を解くため、原作にあたった。
読んでみると、三谷幸喜の翻訳(アレンジ)のアイデアがよくわかる。まずクリスティー自身の
旅行経験が元になっている小説だが、原作の舞台は中東で、エルサレムで始まり、ヨルダンの
ペトラ遺跡に移動する。死海周辺にあるので映画化された時は『死海殺人事件』となった。
ちなみに原作の邦訳タイトルは『死との約束』となっている。だが原題は、promiseではなく、
appointoment wit deathなので、「死への面会」という方が内容に近い。
三谷脚本は、中東への旅を、熊野古道に変える。どちらも古い歴史があり、異教の気配が濃い。
原作では犯人が、エジプトの現地人の服装をカモフラージュに使用するが、三谷作品ではそれが
天狗のコスプレになっている。
西洋人がアラブの現地人に変装する、というのはまだ普通の感覚だが、天狗が殺人事件を犯す
というのは荒唐無稽。だがそれを脚本家は面白いと確信犯的に書いている。ドラマの中では、
宿泊するホテルのディスプレイとして、天狗が大きく登場するし、会話にも出てくる。
原作では老齢の男性心理学者が登場し、この人物が、被害者となる女性の心理などを分析する。
三谷版では、その役割もポアロ役である勝呂(スグロ)が兼ねている。
*以下、内容に触れています。
原作で、犯人は、最後のポアロの推理劇(関係者が集まった上での謎解き)で、突然名指しされる
ような形で明らかになるが、三谷劇では、最初の方から重要な存在として登場する。
彼女は、若い頃、銀座の宝石店を荒らす泥棒で、警察官と派手な立ち回りを繰り広げる。キャット
ウーマンを意識したようなキャラクターを、鈴木杏果が身のこなしも鮮やかに演じる。。ネット
フリックスの忍者ドラマ『忍びの家』では、木村多江が女忍者役なのに、街中を走るシーンが、
ただのおばさん走りになっていて、ドラマに必要なリアリティを台無しにしていた。鈴木京香の
俊敏な走りは、表面的なの役柄・ポーズではなく、後で事件の重要な要素としても絡んでくる。
三谷版の方は、放映時間160分のドラマとしての完成度と内容の充実に重点があるが、クリスティー
の方は当然、小説としての読む喜びを志向している。自分としては、話の展開とともに、クリスティー
流の名文句が楽しかった。
「真相というやつは、いつも奇妙で、じつに美しいものです」
この小説は、何種類もの訳が出ているが、この訳者は「女性らしさ」という意味で出てくるsex
という言葉を、いつもセックスと表記するので、その度にドキッとしてしまうと同時に違和感を感じた。