室町幕府の権力を二分する、足利尊氏・高師直派と尊氏の実弟直義派との抗争は、もはや避けられない情勢となった。

「毀すこと、それがばさら」―六波羅探題を攻め滅ぼした足利高氏(尊氏)と、政事を自らつかさどる後醍醐帝との暗闘が風雲急を告げる中、「ばさら大名」佐々木道誉は数々の狼藉を働きながら、時代を、そして尊氏の心中を読んでいた。

その町には幸と不幸の見えない境界線がひかれている。事業拡大を目論んだ鉄工所主・川谷を襲うウラ目ウラ目の不幸の連続。

エリート集団であり、日本を代表する大企業である自動車業界。

妻を事故で失い札幌を離れ森林作業員となった男が、自衛隊演習場と隣接する夜明け前の森で救出した女性は、謎を残し病院から逃亡する。

八犬士活躍後百五十年。

インド洋上で原油を満載したマンモスタンカーが炎上沈没した。

惚れたって言えよ―。美貌の殺し屋は言った。

伊勢屋忠兵衛からの度重なる申し出に心揺れるお文。

宇宙船は、長さ10キロ。幅5.5キロ。

ある日、露木一郎はゆえなく国家権力に追われる身となった。

企業の幹部らの接待と称しての豪勢な遊興は、下から見れば垂涎の的。

世界20か国語以上に翻訳されているユーゴスラビアの作家ダニロ・キシュ。

『連続殺人鬼の恐怖?現代の吸血鬼?』新聞の見出しを見た竜崎晶は驚愕した。「ビッグ・アップル・ヴァンパイア」。

エリザベス女王の別邸での休暇が台無しだ―ティアラまでつけた女王そっくりの死体が、領内で発見されたのだ。

元調教師ギャリスンと仲間たちが狙うのは競馬場の金庫室に唸る現金二百万ドルだ。

フィラデルフィアから妻の待つサンフランシスコへ、義弟を連れサンダーバードで大陸横断五〇〇〇キロの旅に出たアレックス。

平凡な会社員だったぼくは、タイラーという奇妙な男と出会う。

警察庁嘱託で闘いのプロ・西城秀夫にまたしても仕事の依頼がまいこんだ。

五つの時計／白い密室／早春に死す／愛に朽ちなん／道化師の檻／薔薇荘殺人事件／二ノ宮心中／悪魔はここに／不完全犯罪／急行出雲／の十編を収録。

かつて存在し、そしてある日忽然と地上から消え失せてしまった国「日本」―自分が“契約”さえしなければ良かったのだ、と語り出す謎の男。

闇を愛する皆様。ようこそ。

北海道での調査は簡単に終わったが、工藤はその夜、ホテルで三人の男に襲われて殺されかかる。

昭和二十年六月、沖縄の日本軍は懐滅、日本の敗戦はもはや決定的だった。

戦争の足音が迫る昭和十六年八月、青楓学院に学ぶ五人の日本・中国・アメリカの若者が、北アルプス・槍ヶ岳山頂に立った。

東京からカラフトへ向かう「紅緑丸」の船上で発見された変死体(「人喰い船」)、山中を走るバスから消えた五人の乗客の謎(「人喰いバス」)、谷底から消えた墜落死体(「人喰い谷」)、密室から消えた凶器の謎(「人喰い倉」)―。

悪の華が咲き乱れる荒廃しきった高校へ転校した少年、逢川総二は、あの“極真”の達人だった!VS.中国拳法、ボクシング、少林寺拳法、柔道、空手、剣道。

昭和二十二年、元日本軍特務機関員の滝安吾は久しぶりに上海の地を踏んだ。

再会は地獄への扉だった。十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、今鮮やかに蘇る―。

人は救いを求めて罪を重ねる。連続殺人、放火、母の死…。

老科学者のすばらしい発明が、ついに完成した。北見君が特別に見せてもらった発明品、それはすぐれた頭脳を持つロボット。

さびしい原っぱにポツンとたっている、古いレンガづくりの時計屋敷。そびえたつ時計塔の屋根の上に、なにやらうごめく影が…。

まっ暗な森に、七人の少年たちがでかけていく。今夜は少年探偵団の「きもだめしの会」。

またしても、四十面相が送りつけてきた挑戦状。ねらわれたのはレンブラントの油絵。

美奈子が考古学の試験を受けられなかったことから、一緒に古墳の発掘調査に参加することになった麻衣子。

新原発建設問題で揺れる新潟県の山道で、原発作業員が毒殺された。

トレントは一瞬だけその女を見て、ふり返ることはなかった。彼は不意に、その女が誰だか思いあたった…。

塾にお稽古に家庭教師にと、VIPなみに忙しい孫。

流行作家・穂高誠が、新進の女流詩人・神林美和子との結婚式当日に毒殺された。

日本を代表するシャーロッキアンによる新訳全集。

都内のコンビニエンスストアで殺人事件発生。

和歌山駅前のホテルで大阪の弁護士・安藤英夫が殺害された。

東京と長崎とをつなぐ寝台特急「さくら」。

「お返事がないので、またお手紙を差し上げます」熱狂的な女性ファンから次々届くファンレター、断っても断ってもしつこく講演を依頼してくる図書館司書…謎の覆面作家・西村香をめぐって起こる怪事件・珍事件の数々。

2024年、東京は死にかけた太陽のように荒廃した光りを放っている。

豊科署の刑事・道原伝吉もひいきにしている信州・安曇野のそば店「波奈屋」の社長梅村尚子が、豊科署を訪れた。

愛する者の仇を討つために、静香は重大な選択をした。それは、愛する人をさらに失うことにもなるのだが。

『汎銀河聖解放戦線』の爆弾テロに巻き込まれて、神鷹静香は最愛の夫と娘を失った。

街のチンピラが京劇場で殺された。

研究室で被曝事件が起こり、コノリーは重態の科学者から驚くべき告白を聞いた。

第二次世界大戦末の1945年4月。

1989年4月、モントリオール。ゴチック様式の教会の尖塔に刺される形で殺害された日本人留学生、立原まゆみ。

プロ棋士への夢を目前に謎の死を遂げた姉。事件の真相を探るために弘子は姉と同じ道を志し、昇段をかけたリーグ戦に挑むが…。

茫々と薄墨に染まる木津川の河原に一人の男があおむけに倒れていた。

休暇前の夜だった。なんと!息子のサイモンが殺人容疑で指名手配されたという。

ふざけんじゃないよ、あたしよりすごい悪役レスラーが、いったいどこにいるってのさ。なのに、あたしはクビになっちまった。

よれよれのスーツにすきっ腹、いつも貧乏なハリウッド探偵、トビー・ピータースに、怪奇俳優ボリス・カーロフから電話が入った。

女は無残にも喉を切り裂かれて横たわっていた。

黒人居住地区にある家の裏庭から女性の白骨死体が発見された。

谷中中学の国語教師、粕谷郁子は生徒に作文を書かせた。

京都の資産家・西沢家の次女・秋子が千本えんま堂で、当主の四季が千本釈迦堂で相次いで絞殺された。

32世紀、「テクノコア」の消滅とともに連邦が崩壊して三百年足らず、宇宙は星間政府と結託したカトリック教会、パクスの神権政治の元に統べられていた。

軽井沢で不開屋敷と噂される別荘に、東京から美女がやって来た。

就職を翌年に控えた真木浩一は、天性のプレイボーイぶりを発揮し、巨大企業勢家グループの社長令嬢・美那子を手中に収めた。

“天誅邪淫”―新宿のホテル街で惨殺された娼婦の身体の上には、半紙に墨で書かれた文字が残されていた。

男をホテルの一室に誘い、征服欲を満足させた刹那、その生命を奪う。目を覆うようなやり方で…。

あなたの中にも潜んでいる殺人衝動!現代人が抱える様々なストレスは、潜伏を経て殺人動機にまでエスカレートする。

今夜、桐江は恋人だった。が、明日からは愛人になる。

長年行方を絶っていた父親がニューオーリンズで何者かに射殺された!知らせを受けた看護婦カレンはすぐさま現地に向かう。

血気にはやるヤクザ志望の若者と、恋人のウェイトレス。

十二歳のあの頃、世界は魔法に満ちていた―1964年、アメリカ南部の小さな町。

初恋、けんか、怪獣に幽霊カー。少年時代は毎日が魔法の連続であり、すべてが輝いて見えた。

「メアリー・バーゲンか…」透視能力者メアリーに追いつめられ、警察に射殺された殺人犯は、なぜ最期に彼女の名を呼んだのか?それは新たな大量殺人の前兆だった。

猛吹雪の中、上高地の友人宅へ向かう警視庁捜査一課の夏目大介警部は、深雪に覆われた林道で立ち往生していた若い女を助け出す。

京の町で若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が起こった。

彼らは最初に白人の娘を撃つ。残りの女たちについては、ゆっくり片付ければいい。

人的情報収集活動(ヒューミント)のプロである葉山は、ある日事情聴取した「対象者」の言葉の中にひっかかりを覚える。

旧軽井沢の別荘で、資産家・西城豊士教授夫妻が死体となって発見された。場所は自宅敷地内の地下貯蔵庫。

バッタ屋家業を営む啓輔に、高級ファッションブランド店の経営を手伝ってくれないかと声がかかる。

連続放火事件の捜査現場で女性の全裸死体が発見された。

「旅と歴史」編集部の依頼で、フリーカメラマン・小内美由紀は、長野県中野市を訪れる。

八幡神社巡りの謎を追って、浅見光彦は秋田、広島、兵庫、そして熊本へと向かう。

浅見光彦が新宿の花園神社を取材中、男性の死体を発見した。

取材先の北海道・小樽で、ルポライター浅見光彦は奇怪な殺人事件に巻き込まれた。早暁の港に浮かぶ女性の漂流死体。

殺人を犯し、ヨットで日本を脱出した野田繁樹は、三カ月間海を漂流し、ある国の船に拾われた。彼は瀕死の状態だった。

野田繁樹はトラブルにまきこまれ、ふたりの男を殺害してしまう。自分も傷を負いながら、たどり着いたのはマリーナだった。

朝日連峰の峻谷・三面峡谷で転落死を遂げた菱川豪蔵。

公表されていない連続絞殺魔の手口を知っていたのは、発電所所長宅の夕食会の出席者だけだった。

ダルグリッシュ警視長は、原子力発電所の聳える海沿いの村を休暇で訪れた。

四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。

新世代携帯電話と高速ネットから妄想が続々と吐き出され、“リアリティ”がヤバいほど希薄になった現代ニッポン。

戦国の魔王松永弾正、己が邪恋を成就せんと、妖術師果心居士の弟子・根来忍法僧に数千の美女狩をさせた。

清里高原で人気女優が殺された。首に残された黒い絹紐は東京で起きた二件の女性絞殺事件に使われたものと全く同一だった。

警察のお偉方が大集合しているビルで、突然出入りが不能となる異常事態が発生した!?右往左往する上役を睥睨しつつ、従僕(?)を従えて、颯爽と登場する美女が一人。

「黒窓の会」―それは、那古野市きっての資産家の令嬢、西之園萌絵を囲んで開催される秘密の勉強会である。

その男は、なぜ殺されねばならなかったのか？――抗生物質の投与で死亡者が発生！新聞記者の佃健一郎は、かつて新薬の臨床試験に参加し、激しい副作用を目撃していた。

主家の汚名をそそぐべく江戸へ向かった放浪の南蛮絵師・通吏辰次郎。真相を糺す彼の前に現れる刺客の影…。

竜飛の海に浮かぶ死体…。京都の出版社の取材記者片山由美は、カメラマンの野木と青森県の竜飛岬に行き、民宿に泊まった。

広告マン佐伯は社運をかけ広告主を獲得すべく大手製薬会社に猛烈な食い込みを図った。