汝は必ずや西太后の財宝をことごとく手中におさむるであろう―。

落日の清朝には領土を分割せんと狙う列強の牙が迫っていた。

京の公事宿「鯉屋」の居候・田村菊太郎は剣も立つが、情にも厚い好漢。色や欲にからんだ事件を鋭い洞察と、行動力で裁いていく。

隼新八郎が向島の御後室の別宅を訪れた帰り、祝言目前の旗本が刺し殺されるという事件に遭遇する表題作ほか「吉原大門の殺人」「出刃打ち花蝶」「桜草売りの女」など6篇を収録。

城代家老の“御意討ち”を命じられた新八郎は、直に不正を糺すが、逆に率直な説明を受け、初めて真実を知る。

暑熱去らぬ夏の夜道、「ロンドンに行きたい」と声をかけてきた白ずくめの女。絵画教師ハートライトは奇妙な予感に震えたー。

ミステリ黎明期の作品ではあるが、張り巡らされた伏線、アリバイ証明や真実に辿り着くための論理的推理など、様々な要素が鏤められていて、ミステリの完成形と言っても差し支えがないくらい。

暑熱去らぬ夏の夜道，「ロンドンに行きたい」と声をかけてきた白ずくめの女．絵画教師ハートライトは奇妙な予感に震えた－．発表と同時に一大ブームを巻き起こし社会現象にまでなったこの作品により，豊饒な英国ミステリの伝統が第一歩を踏み出した．ウィルキ

鬼怒川沿いの大きな宿場町、阿久津。行き交う多くの人々で賑わいを見せているが、何かと事件も多い。

「蠅がいない。蠅抜きでどうして、中世のギルドが運営できるんだ。

「おれの目を見ろ」の一言で相手をすくみ上がらせるマイアミの高利貸しチリ・パーマーは、飛行機事故で死んだ男の遺族から金を取り立てることになった。

夫の最高裁判事を殺害した容疑で突如、起訴された美貌の検事補アビー。彼女の弁護に立つのは、連戦連勝の辣腕弁護士レイノルズ。

一方、CIAと国防総省はヴェトナムの地で虜囚の身となっている空軍大佐ザカライアスを救出すべく、ケリーを軍に復帰させることを画策。

元米海軍特殊部隊員ジョン・ケリーは身籠っていた妻を一瞬の事故で奪われ、魂の脱け殻と化していた。

熱烈な清張ファンを自任する作家が一人で全巻を編集するいま最高に面白い小説選集。政治的謀略か、狂気による被害妄想か。

ホームズと警視庁の片山刑事の妹・晴美は、バスに乗っていた。見知らぬ少女が「おいで。

社長夫人殺しの嫌疑をかけられた社長の愛人。彼女を助けることができるのは顔も名前もわからない“幽霊社員”だった。

僕の体には殺人鬼の血が流れている！？不審な交通事故死をとげた父。

199X年度「ノーベル賞」には微かな腐臭がした―イギリス医学界の重鎮が受賞した「医学・生理学賞」の周辺に不自然な死が多すぎるのだ。

「妹の面倒を見てやって」その言葉を残し妻は死んだ。残されたポールは、妻の最後の頼みに応えようとする。

主人公の田村菊太郎は京の公事宿「鯉屋」の居候。

ヴァイオリニストとして名声をはせつつある妹を魔の手から救うために、四半世紀の時を経て「絆」が復活した。

笑った。泣けた。

天正18年、時は秀吉が北条を呑み込もうとしていた時代、混乱の世などどこ吹く風の戦場荒らしの風来坊、7人の香具師がいた。

モスクワ効外、行方不明の米兵三百人が監禁されると囁かれる謎の施設。

モスクワ効外、行方不明の米兵三百人が監禁されると囁かれる謎の施設。

大人気の旅芸人一座にまぎれ込み、因州稲葉山中で天狗とともに十余年修業にはげみ無明流開祖を名乗る剣法秘芸で客をうならす、剣芸師・矢車庄八の活躍は…。

「普通の子」のメークを施された人気アイドル・杉田あるのは、TV局の楽屋からそっと抜け出した。誰もアイドルと気付かない。

全寮制私立校ブレッドガー・チェンバーズは、良家の子女だけが入学を許されるイギリスの名門校だ。

北国の藩、筆頭家老暗殺につかわれた幻の剣「馬の骨」。

冷戦の時代を背景に、緊張感のある巧みな構成と壮大なスケールで描く力作巨篇、下巻。

炭問屋の小僧から古筆家に弟子入りした平蔵。「美」を巡る嫉妬と愛欲の確執を描く表題作。

緻密な考証と公平な視点によって、推理小説をその起原から詳説。

嵐の夜、粧子は愛永、航平、遼太郎の力を借りて無事、男の子を出産する。新しい生命の誕生を喜ぶ四人。

ボンの政府機関で働くエルケは有能な秘書で、38歳の独身。

無免許の私立探偵スカダーは、旧知の高級娼婦エレインから突然連絡を受けた。

相模屋の店先で雪駄(せった)が一足盗まれた。上野山下の助五郎親分は、懸命に追い、下手人・仙八を挙げた。

それぞれの結婚式二時間前、運命的な出会いをした航平と愛永。

ケンブリッジ大学教授の娘エレナが惨殺体で発見された。美しく魅力的な彼女は、多くの男性に人気があった。

15歳の少年に25歳のお妾。出家を望む三春丸(足利義政)に仕掛けられた秘策が引き起こす花の御所の奇々怪々。

ハリウッドの女優兼監督のアイオニ・ギャンブルは、婚約者だった映画プロデューサーを殺害した容疑で起訴された。

文政十三年夏、猛暑にあえぐ京の町を巨大地震が襲った。鴨川の河原に鳥が落ち、空に怪しい光が走る。

本格ミステリーをトリック別に分類したアンソロジーの密室編。大乱歩から新本格派までを網羅。

クリッ、クリッ、クリッ、マニ車の回る音とともに秘めた過去が暴かれる恐怖の一瞬。

東京から青森まで―緑まぶしい五月の国道四号線を完全装備の自転車でツーリングする中年グラフィク・デザイナー、桐沢風太郎。

本名は岩切鍛治。通称“春団治ダンさん”。

過去を隠しカタギのサラリーマンと幸せな生活を送っていた多恵子は、札幌に進出をねらう関西資本と、それを阻止しようとする地元ヤクザとの抗争に突然巻き込まれる。

家庭内暴力や学校でのいじめなど、それぞれに心の傷を負った人々が集まって暮らす「駆け込み団地」。

邪教集団「ジェズリールの家」の近くで、小学生17人を乗せたスクールバスが、AK‐47銃で武装した男たちに取り囲まれ、子供たちは地面に掘った穴の中で人質になった。

脱税や贈収賄にからまる連続殺人事件。若い新聞記者が腐敗した組織の内情糾明に挑む長篇推理。

館を埋める百八個の時計コレクション。鎌倉の森の暗がりに建つその時計館で十年前一人の少女が死んだ。

「ヒミコは殺された」―古代史研究家が謎の言葉を遺して殺害された。だが、犯行現場は完全な密室。

「至急助けが要る。きわめて重大なことがわかった。

身を潜めるのにイスラエルとは考えたものだ。何かとアメリカと近いわりに、追手からすれば盲点だ。

京の二条城の南に軒を並べる公事宿のひとつ「鯉屋」を舞台にした連作時代小説。

夢でみたような艶っぽい話からゾッとするような現実の恐怖まで。

謎の凧の意味は。縺れた殺人の糸を辰の推理が解く。

早すぎた峰起の行く末を見据えて冷徹な決断を下すアイヌの首長。暴虐と裏腹に内紛を抱えこむ松前鎮撫軍。

フランス革命が全欧を揺さぶり、ロシア船が親潮にのって日本近海を脅やかし、田沼意次の失脚で松平定信が政権の座についた十八世紀末。

加藤武郎は、その類稀なる体力と判断力、そして登攀の技術で伝説のクライマーとなる。

完璧な美貌に抜群のプロポーション、そのうえ成績はトップクラス。

ニューヨーク、ワシントンDCと場所を変え、生命の危険にさらされ続けたダービーが協力を求めたのは、新聞記者のグランサム。

腕は立つがただひとつ、映画好きというのが気にかかる―そう言われていたマフィアの取り立て屋カラブレーゼは、ハリウッドへ乗りこむやメキメキ頭角をあらわす。

頼の男民次の心の中にふと芽生えた一掬の情愛―雪散る江戸深川の夜の橋を舞台に、男女の心の葛藤を切々と描く表題作ほか、多彩な人間模様を哀感こめて刻む自選傑作時代小説八篇。

妻のヘレンがひらいた女ばかりのパーティを逃れて、シャンディ授業はメイン州の海岸地帯にやってきた。

衆議院議員で平成新党代表の桃沢康明が,中野のマンションで撲殺された。

1944年春、連合軍の反攻を前にして、ロンメル将軍はドイツ軍の防衛計画会議をフランスの古城でひらこうとしていた。

鉄砲にかけては百発百中の名手稲富治介は風采のあがらない無骨者のため細川忠興・ガラシア夫妻にうとまれ出陣の機会も与えられず不愚の一生を終えた。

厳冬のヨーロッパを走る国際列車オリエント急行が大雪のため立往生してしまう。その車内で老富豪が殺された。

婚約者殺しから14年―出所間近の男が弁護士に依頼した事は…。真実を前に、人はいかに裁かれるかを問う長篇社会派ミステリー。

廓で死人が出る数日前に、必ず現れる謎の鴉爺い。その廓には美貌の花魁・薫がいた。

お茶でもいかがとコニーのさそい、毒入りなのねとメリキャット…不気味な唄声が暗示する惨事の影。

ある夏の夜、青年ウォールター・ハートライトは、ロンドンからの帰路、一人の美しい女性に呼びとめられる。

稀代の悪漢フォスコ伯爵の恐るべき罠はいよいよマリアン、ローラ姉妹を追いつめていく。白衣の女をめぐる一大トリック。

いま、ぼくは最愛の息子を殺そうとしている。それなのに彼は微笑すら浮かべて…。

「私の筆跡にやや乱れが見えるとしたら、それはバルタザールが左手で飲み、私が右手で書いているからだ」一つの肉体に共棲する双子、メルヒオールとバルタザール。

かつては外人部隊で勇名を馳せたアメリカ人クリーシィも今や五十歳目前、虚無感に陥りかけていた。

久慈里枝の喪服の裏にひそんでいた模様と同じ紫の文字で―紫の傷。二十八年前の罪の傷。

『マクベス』が上演される舞台上で大胆不敵な殺人事件が発生。ママの明晰な推理の行方は。

北欧の都で駐在武官が入手した極秘情報―ベルリン陥落後も滅びへの道をひた走る日本が、世界地図から抹消される。

「わしの剣の腕は四十両か」きらびやかな日本の呉服所・京都西陣に蠢く陰謀。

春月という人形師の作った雛人形に魅入られて、女が死ぬという事件が起こったという噂が江戸町奉行、根岸肥前守の耳に入り、その命を受けて、隼新八郎はその真偽を探ることに。

血の気は多いほう、くぐった修羅場も数知れない。

景王―陽子は、官吏の圧政で多くの民が重税や苦役に喘いでいることを漸く知り、己の不甲斐なさに苦悶していた。

若き原子力科学者雨村は世界的な発見を公表する矢先、飛行機事故に遭遇し、その遺体は杳として発見されなかった。

画期的濃縮ウランの製造法を知る科学者を乗せた飛行機が墜落。国家権力と軍事産業の癒着に一石を投じた、推理作家協会賞受賞作。

慶国に、玉座に就きながらも、王たる己に逡巡し、忸怩たる思いに苦悩する陽子がいた。

惨殺、そして凌辱―。何ものかに憑き動かされるように次々と猟奇殺人を重ねていった男の名前は蒲生稔。

“十二年前に九歳で失踪した金井和恵になりすまし、母親の智子が今は再婚している三浦家を訪ねよ”―これが役者の卵・戸張美里が、友人の代役で受けたオーディションでもらった最初の仕事だった。

大坂城落城前夜、救出された千姫とその侍女たち。智将真田幸村はその中に秀頼の胤を身篭る五人の女忍者を潜ませていた。

女陰をのぞいておのれの一瞬先の運命を知る「忍法破倭兵状」。斬った首を他人の胴につないで生きかえらせる「忍法小塚ッ原」。

足利将軍家の姫君香具耶を奪った者には南蛮銃三百挺をとらせよう―。

スティンハースト卿率いる劇団員は、スコットランドの古い館ホテルに滞在。

戦後を代表する名作「奇蹟のボレロ」に「緑亭の首吊男」「Yの悲劇」ほか5編、終戦直後の混乱した世相を背景に重厚な推理を展開、強烈な個性で本格新時代の到来を告げた加賀美シリーズ全短編を収録。

恐れを知らぬ漁師・源四郎が初めて神に祈った時、闇の中に、空を駆けのぼる長大なものの姿が…。

将来を大いに嘱望される新進ピアニスト三郷夕鶴は、父伴太郎の誕生会の日、見知らぬ男から父への伝言を手渡された。

甲賀忍者崩れの大道易者果心堂は、好奇心と向学心に富んだ天下のいたずら者。

天明、寛政、化政期、彗星のごとく現われた馬ヅラの巨人が相撲をかえた。