眠れる美女



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初公開日(参考)1979年01月
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長編小説

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眠れる美女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

1990年01月01日 眠れる美女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

流れ出した原油が夜の帳のように広がる海岸で、美しい女が鳥の死骸を抱いて泣いていた。女の名はローレル・ラッソ。原油流出事故を起こした石油王の一人娘だった。海岸で彼女を見かけたアーチャーは、その翳りのある美しさに心魅かれ自分のアパートに連れ帰った。しかし女は、何もいわずに致死量の睡眠薬を持ち出して姿を消した。夫の依頼をとりつけたアーチャーは捜査を開始するが、両親のもとに身代金を要求する脅迫電話がかかってくるにおよび事件は深い傷口をみせはじめた。悲劇にもてあそばれる人間の苦悩を浮きぼりにする巨匠の野心作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

眠れる美女の総合評価:8.50/10点レビュー 4件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

アーチャーの新機軸

冒頭、あまりにもロマンティックな展開に面食らった。これはロス・マクではなくてハーレクインかと思ったほどだ。
とはいえ、このような幕開けは嫌いではない。寧ろ従来のハードボイルド探偵小説物の定型を破る斬新な導入部と評価できる。

この、石油が海へ流出するというシーンから始まる本書は従来探偵事務所に依頼人が来て仕事を依頼する定型から脱却し、自らをいきなり事件の渦中に飛び込ませ、依頼人を得るというまったく逆の手法を用いている。これは常に傍観者たる探偵を能動的に動かそうとした作者の意欲の表れではないだろうか?
したがって本作ではアーチャーは本作の中心となる女性、ローレルに好意を抱き、家に誘う。さらに珍しいことに事件の関係者の一人と一夜を共にしたりするのだ。
しかしやはり中盤以降は従来の観察者及び質問者のスタンスに回帰し、ある意味、試みは半ばで費えてしまう。物語中、登場人物に「そんなに質問ばかりして嫌にならない?」とアーチャーに尋ねさせている所は非常に興味深い。

しかし今回も登場人物に対して容赦がない。誰一人、どの家族として倖せな者が出てこない。常に何らかの問題を抱えており、陰鬱だ。チャンドラーは時には非常に印象的な女性を登場し、物語に一服の清涼剤をもたらしたりしたのだが、ロス・マクは常にペシミズムに満ちている。またモチーフとなる石油の海への流出が物語の進行のメタファーとなっているのも上手い。
ただ『地中の男』の山火事と違い、本作の中ではそれは解決しない。これも真相は判明するものの、事件そのものが解決しないことのメタファーなのだろう。

しかしここに来てロス・マクの良さが一層判ってきた。今なら以前読んだ『ウィチャリー家の女』、『めまい』も、もっと面白く読めるかもしれない。未読の作品の復刊も強く求める次第である。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.3:
(4pt)

UNFORTUNATELY BENT

GOOD CONDITION BUY POST BENT IT.
眠れる美女 (ハヤカワ・ミステリ 1216)Amazon書評・レビュー:眠れる美女 (ハヤカワ・ミステリ 1216)より
4150012164
No.2:
(5pt)

人生最高のミステリー

最初から最後までずっと引き込まれてた。しかも深い。作者の作品中、イチオシですね。
眠れる美女 (ハヤカワ・ミステリ 1216)Amazon書評・レビュー:眠れる美女 (ハヤカワ・ミステリ 1216)より
4150012164
No.1:
(4pt)

ちょっぴりだけ社会派寄り

本作はロス・マクドナルドの最後から2番目の作品にあたります。本作もこれまでと変わらず、家庭を舞台にした悲劇が語られるのですが、背景として石油流出事故という社会問題が描かれているところが大きな特徴です。決して社会派に転向したというわけではありませんが、社会の悲劇と家庭の悲劇が呼応し合っており、主役である後者をより引き立てるような効果を生み出しています。
アーチャーは失踪した女性に個人的に惹かれているように思われる描写がしばしば出てきます。これは次作確固『ブルー・ハンマー』において彼が恋人をつくることによる予兆なのかも知れません。
眠れる美女 (ハヤカワ・ミステリ 1216)Amazon書評・レビュー:眠れる美女 (ハヤカワ・ミステリ 1216)より
4150012164



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