鳥の巣



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    初公開日(参考)2016年11月
    分類

    長編小説

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    鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)

    2016年11月24日 鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)

    エリザベス・リッチモンドは内気でおとなしい23歳、友もなく親もなく、博物館での退屈な仕事を日々こなしながら、偏屈で口うるさい叔母と暮らしていた。ある日、止まらない頭痛と奇妙な行動に悩んだすえ医師の元を訪れる。診療の結果、原因はなんとエリザベスの内にある、彼女の多重人格だった。ベス、ベッツィ、ベティと名付けられた別人格たちは徐々に自己主張をし始め、エリザベスの存在を揺るがしていく…“孤高の異色作家”ジャクスンの、研ぎ澄まされた精緻な描写が静かに炸裂する、黒い笑いに満ちた傑作長篇がついに登場!(1954年作)(「BOOK」データベースより)




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    No.3:
    (4pt)

    ジャンルと云うものをまるで意識せずに書かれた作品。

    多重人格ものの・・・何だろう?サイコサスペンスかと想いきやそうでもないし、適度にユーモアが入っているし、多重人格エンターテイメントとでも云うべきか。ヒロイン内部の各人格が美事にキャラが立っていて、狂言回しとなる医者相手のやりとりや行動が楽しい。又、ヒロインの主張から一見して悪役と想われた叔母もキャラが立っており、しかも魅力的。正直、本作中で一番ヒーロー的なキャラクターがこの叔母だったりする。
    尚、各人格のやりとりや行動に隠れ勝ちだが、ヒロインの母の死を巡るミステリとしての側面も一応存在している。
    鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)Amazon書評・レビュー:鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)より
    4336060592
    No.2:
    (5pt)

    ジャクスン作品は通俗ものではなく、スリップストリーム文学である

    読者の内でたまにおられるのだが、ジャクスンの小説をあたかもエンタメ性に特化したホラー小説と見なそうとする風潮がある。

    その結果、「使い古された設定」だの「山場がない」「プロットがきちんとしてない」だのと的外れな評価を下しがちの読者が
    なんと多いことか。

    ジャクスンにとって物語の中の幽霊や精神病、裏切り、殺人、多重人格、過度な猜疑心などは単なる道具立てに過ぎない。ジャクスンが一貫して表現しているものは、一般的な社会通念がこれまでそしてこれからも明確な言語化を避けてきた女性の無意識下に潜む心の機微や様相である(もちろん全ての女性に当てはまるとは言わないが)。

    無意識下の欲望や恐怖は必然的にグロテスクな様相にならざる得ない。
    それは他者との関係の中で発露するだけでなく、女性が常に直面し続ける性的抑圧や社会的抑圧のうちに自己の内部で不気味に醸成されていくものだ。
    それは『丘の屋敷』の主人公の劣等感を伴った自己愛(幽霊は単なる象徴に過ぎない)や、『ずっとお城に暮らしてる』や『日時計』に描かれた、女性原理が支配的である閉鎖的な世界観(魔法も預言も象徴だ)として結実している。
    「くじ」に限らずに彼女の
    他の短編も読んでみてほしい。今は絶版で入手困難だが、「こちらにいらっしゃい」に収録されている短編の数々は大学の授業で扱われてもいいくらいのテーマ性を備えた傑作揃いである。

    何度でも言う。
    ジャクスンはジャンル作家ではない。
    彼女にとっては、テーマをどのように表現するかに関心があったのであり、現代日本作家や脚本家のごとくジャンルの王道にそった「完璧なプロット」なるもので読者を唸らせることに主眼を置いていたわけではなかったのだ。
    鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)Amazon書評・レビュー:鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)より
    4336060592
    No.1:
    (2pt)

    「多重人格」という設定を持ち出すまでもない、鬱々とした雰囲気が伝わって来るだけの凡作

    作者の作品としては短編集「くじ」に続いて本作を読んだ。「多重人格」を扱った作品の嚆矢という事で期待していたのだが、執筆年代の古さも手伝って、鬱々とした雰囲気が伝わって来るだけの凡作という印象が否めなかった。

    登場人物は、「多重人格」(現代医学では否定されているが、ミステリやサスペンス・ドラマでは相変わらず使われている)のヒロイン、その叔母及びヒロインの治療を担当する医師の3人にほぼ限られている。さぞかし練った物語構成になっているだろうと期待していたのだが、凡庸と言う他はない。医師がヒロインを治癒出来ない事は初めから分かり切っているので、「多重人格」という設定を利用して、日常生活における人間心理の"歪み"をドス黒く炙り出そうという意匠なのだろう(「くじ」を読んだ時もそう感じた)が、「多重人格」の使い方が拙劣である。これなら別に「多重人格」という設定を持ち出すまでもない平凡な物語進行である。実は叔母が財産目当てでヒロインの亡き母を殺した(そのショックでヒロインが「多重人格」になった)とか、叔母の方が「多重人格」だったとかのオチはなく、物語としての見せ場や山場が皆無なのである。権威がある(らしい)医師の右往左往振りに対する皮肉(作者はブラック・ユーモアと捉えている様である)も皮相に過ぎる。

    「多重人格」とまでは言わないまでも、人間は誰しも心の中に多彩な感情的側面を秘めており、状況に応じて、その感情のどれかが表出するが、そういう事を描こうとした訳でもない。日常生活における人間心理の機微を描く筆力は確かだが、それが物語の面白さに繋がっていない残念な作品だと思った。
    鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)Amazon書評・レビュー:鳥の巣 (DALKEY ARCHIVE)より
    4336060592



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