運命
- リュウ・アーチャーシリーズ (19)
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リュウ・アーチャーがその個性を確立させた作品とのことで、『さむけ』や『ウィチャリー家の女』、『縞模様の霊柩車』などロス・マクドナルドを代表する作品群に比べ、アーチャーが饒舌になっており、女性にまで惹かれるシーンもある。 確かに、古いハードボイルドを引きずっている感は否めませんが、「家族の悲劇や崩壊」「一族の呪い」といったテーマは、もはやロス・マクドナルドの小説の定番といったところで、ラストまで安心して楽しめます。ただし、翻訳がやや古く、特にアーチャーのセリフの言い回しには統一感が欲しいのも事実。それを補っても楽しめるお勧めの作品といえると思います。 ロス・マクドナルドの文体が好きな方でしたら読んで損はありません。新訳にて再販を希望します。 | ||||
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ロス・マクドナルド「運命」を読了。本作もロスマク節炸裂のアーチャー物に仕上がっています。ラストまでのどんでん返しにつぐどんでん返し。まったく息もつかせません。卑しい街を事件解決をめざして歩くアーチャーは物語の構成上は「触媒」となっております。アーチャーが歩き、人とあうことで、物語が進んでいきます。もはやアーチャーが事件を解決しなくても、周りが勝手に解決に導いてくれるかのようです。それにしてもラストは驚愕。すばらしい作品です。 | ||||
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夜明けも遠い時刻に私立探偵リュー・アーチャーを訪ねて来た青年は、閉じ込められていた精神病院から逃げ出して来たと言います。彼の兄の手で不当に監禁されたのだと訴え、最近死亡した上院議員だった父の本当の死因を調べて欲しいと依頼します。リュー・アーチャーがその個性を確立した作品と謳われていますが、「さむけ」や「ウィチャリー家の女」「一瞬の敵」などのリュー・アーチャー像を評価する立場から言いますと、まだまだ古いハードボイルドの殻を引き摺っている感じは否めません( 小さな事にこだわる、自己憐憫、都合の良い暴力シーン等など) 。しかし、そこは巨匠ロス・マクドナルド、意表をつくラストが用意されていて、完成度の高いミステリーに仕上がっています。リュー・アーチャーファン必読の一冊でしょう。ただ、中田耕治氏の翻訳はー失礼ながらーひどいものです。特に会話部分における統一性のなさには大いに不満が残りました。中田氏だけでなく編集者にも責任はあるわけですがー。 | ||||
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「ギャルトン事件」と共にロス・マクの転機となった作品。初期の作品が通常のハードボイルドの域を出なかったのに比べ、家族を中心としたアメリカ社会の病巣を抉るという作風に大きく転換して行くキッカケとなった。 本作もアーチャーが精神を病んでいる依頼者の頼みを聞くという発端から始まるが、アーチャーはもはや「動く標的」時のような能動的な存在ではなく、観察者としての役割に徹する。そして何より感心するのは、作品が本格ミステリ的に見ても巧く出来ている事である。 社会派的作風を前面に押し出しながら、本格ミステリの骨組みもシッカリしているという円熟期の代表作と並ぶ傑作。 | ||||
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リュウ・アーチャー・シリーズにおいて物語の鍵を握る人物は、考えてみればみんな精神病患者と紙一重のような人達です。しかし、本作の依頼人にして容疑者であるカール・ホールマンは本物の精神病患者なので、アーチャーにとっての事件の厄介さはひときわです。しかも、ホールマン以外にも麻薬中毒患者の相手までしなければならない始末。探偵というのも大変だなあ。 本作の邦題は『運命』というシンプルなものですが、原題は“運命を司る存在”というような意味。そのような存在が実在するとしか思えないような、自らではどうしようもない悲惨な状況に置かれた人達を通じて、作者は逆に主体的に人生を切り開いていくことの大切さを説いているのでしょう。 | ||||
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