別れの顔

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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ

1977年07月01日 別れの顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-5)

※あらすじは登録されていません

評判

別れの顔の評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.00pt

別れの顔の総合評価:

8.60/10点 レビュー 5件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(7pt)

睡魔を吹き飛ばす面白さ

押し寄せる睡魔に半ば勝ち、半ば負けながらの読書だったため、ほとんどストーリーを把握しないまま読み進んでいったにも拘らず、最後の章でバタバタ、と不明だったピースが嵌め込まれ、全体像が浮かび上がる所が凄い。
今回は終わってみれば実はサイコ・サスペンスでロス・マクドナルドの心理学への興趣が色濃く表れている。
また、最後の章の盲目の母の何気ない一幕で、無力だと思われていた存在が実は絶大なる支配力を持っていたという畏怖を表す所もまた印象深い。

Tetchy
WHOKS60S

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.4
(3pt)

非現実的な家族

ロスマクドナルドの前期の作品「運命」は傑作だと思います。しかし、「別れの顔」は「運命」の焼き直しではないかという気がしてなりません。プロットは「運命」よりもはるかに複雑であり、かつ、隙がありません。しかし、読後感がどうもすっきりしません。その理由は、主役と言うべき家族のあり様が不自然だからです。とは言え、とても優れた、面白い作品だと思います。
別れの顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-5) Amazon書評・レビュー: 別れの顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-5)より
4150705054
No.3
(3pt)

非現実的な家族

ロスマクドナルドの前期の作品「運命」は傑作だと思います。しかし、「別れの顔」は「運命」の焼き直しではないかという気がしてなりません。プロットは「運命」よりもはるかに複雑であり、かつ、隙がありません。しかし、読後感がどうもすっきりしません。その理由は、主役と言うべき家族のあり様が不自然だからです。とは言え、とても優れた、面白い作品だと思います。
別れの顔 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 別れの顔 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U17A
No.2
(5pt)

誰も見たくはないパズル(77年ハヤカワ文庫版レビュー)

ロスマク円熟期の69年作。南カリフォルニアの探偵アーチャーが遭遇する事件はいつもと同じくおぞましく哀しい。アーチャーはよく「質問者」といわれ、人間と出来事で出来たジグソウパズルのピースを拾い集めひとつにしてゆく(しかしそれは完成図を誰も見たくはないパズルなのだ)。各々のピースはお互いに隣り合っていることを知らない。これを知った時、新たな悲劇が生まれる。

ロスマクはミステリを扱っているが、この「ミステリ」とは誰がどんな動機で犯罪を犯したかだけではなく、誰が誰であるかという関係性が重要。そしてあとがきに書かれているように、それは死んだ人でもありうる。またあとがきには登場人物の多くは生きている死者とも書かれているが、過去の「幽霊」あるいは「過去という幽霊」が生者の影で息づいている。アーチャーは事件を解決するのではなく、結果的に終わるべきものを終わらせ、時の流れに句点を打つ。いや残される生者には読点なのか知れないが。

多くの嘘を聞かされてアーチャーがたどり着くのは現代人の悲劇ともいうべきもので、探偵小説ではあるがその筆致は普遍的な文学といってよい。とはいえそのプロットは緻密で、最終章に至って怒涛の展開が繰り広げられる。人の業というか罪というか、あらゆる人が悲しみを背負っていて、降ろすことがない。そんな本を読んでたのしいかと言われそうだが、その読後感は充実している。

なぜか。ロスマクの描く中年老人たちは病み疲れているが、ロスマクの、アーチャーの若者へ向ける眼差しは優しい。多くの悲劇を見てきたアーチャーだからこその、若者に過去の亡霊を断ち切って欲しいという老いた探偵からの眼差しをほんのりと感じるのだ。

最後に。異論はあるだろうけれど、円熟期のロスマクの小説はこの国の横溝正史を思わせると思うのだが。人間関係こそが最重要である点・過去がすべての始まりである点。血縁と恩讐。
69年著、77年ハヤカワ文庫HM8-5 菊池光=訳 335頁

ISBN-10 : 4150705054
ISBN-13 ‏: ‎978-4150705053
別れの顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-5) Amazon書評・レビュー: 別れの顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 8-5)より
4150705054
No.1
(5pt)

誰も見たくはないパズル(77年ハヤカワ文庫版レビュー)

ロスマク円熟期の69年作。南カリフォルニアの探偵アーチャーが遭遇する事件はいつもと同じくおぞましく哀しい。アーチャーはよく「質問者」といわれ、人間と出来事で出来たジグソウパズルのピースを拾い集めひとつにしてゆく(しかしそれは完成図を誰も見たくはないパズルなのだ)。各々のピースはお互いに隣り合っていることを知らない。これを知った時、新たな悲劇が生まれる。

ロスマクはミステリを扱っているが、この「ミステリ」とは誰がどんな動機で犯罪を犯したかだけではなく、誰が誰であるかという関係性が重要。そしてあとがきに書かれているように、それは死んだ人でもありうる。またあとがきには登場人物の多くは生きている死者とも書かれているが、過去の「幽霊」あるいは「過去という幽霊」が生者の影で息づいている。アーチャーは事件を解決するのではなく、結果的に終わるべきものを終わらせ、時の流れに句点を打つ。いや残される生者には読点なのか知れないが。

多くの嘘を聞かされてアーチャーがたどり着くのは現代人の悲劇ともいうべきもので、探偵小説ではあるがその筆致は普遍的な文学といってよい。とはいえそのプロットは緻密で、最終章に至って怒涛の展開が繰り広げられる。人の業というか罪というか、あらゆる人が悲しみを背負っていて、降ろすことがない。そんな本を読んでたのしいかと言われそうだが、その読後感は充実している。

なぜか。ロスマクの描く中年老人たちは病み疲れているが、ロスマクの、アーチャーの若者へ向ける眼差しは優しい。多くの悲劇を見てきたアーチャーだからこその、若者に過去の亡霊を断ち切って欲しいという老いた探偵からの眼差しをほんのりと感じるのだ。

最後に。異論はあるだろうけれど、円熟期のロスマクの小説はこの国の横溝正史を思わせると思うのだが。人間関係こそが最重要である点・過去がすべての始まりである点。血縁と恩讐。
69年著、77年ハヤカワ文庫HM8-5 菊池光=訳 335頁

ISBN-10 : 4150705054
ISBN-13 ‏: ‎978-4150705053
別れの顔 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 別れの顔 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U17A
No.0
(5pt)

呪われた舘

呪いでもかけられたように崩壊していく家族の物語をその登場人物のなかに精神病患者を配して描く鉄板ストーリー。今回の人間関係の複雑さはずごい。そのひとつひとつを必殺質問人アーチャーが解いていくわけだが、そのときのアーチャーのスタンスがまるで世の中の悲しみを一身に背負っているように感じさせられるってのがこの小説のキモでしょう。文句なしに面白い。
別れの顔 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 別れの顔 (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J8U17A

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