父は大阪に単身赴任。母は外に出てばかり。

果てしなく増殖してゆく赤潮。マリの将軍と結託して事業の拡大に腐心するフランスの悪徳実業家。

1865年、アメリカ南軍の甲鉄鑑が、バージニアの川霧の彼方へと姿を消した―。

北陸本線で知り合った女は、夫に逃げられたまま新婚旅行中の花嫁だった…。

一人しかいない、あの女だ…。敵の正体を掴んだ美冴。

競走馬の躍動する命の美しさ危うさに魅せられ人生を賭けた男たちの夢の行方―。吉川英治文学賞を受賞したサラブレッド・ロマン。

ふとした不始末からごろつき侍にゆすられる身となった与之助が、思いを寄せていた娘から身を引き、ごろつきを斬って切腹するまでの心の様を描いた表題作。

智佐子の勤める三良旅行社が社運を賭けて企画したグルメツアーは、一流料亭で鮎づくしのフルコース、お泊まりは老舗旅館という豪華版。

ソ連の2重スパイはもう1人いたのだ、それも上層部に―。

ジョーダンじゃない、なんとあの飯田隆の目がハートマークになってしまった。

舞踊界名流の死、西陣社長と婚約者の殺人、人材派遣会社社員のトリック…。アリバイトリックに挑む〈明子〉連作推理シリーズ。

「赤い旅団」の血を引く極左テロリスト“狐”は、年上の女闘士フランカに激しい情熱を抱いていた。

母と若い愛人、娘とドイツ人の青年。ドナウの流れに沿って旅するふた組の恋たち。

鼬族の惑星クォールの刑紀999年6月3日、国籍不明の2基の核弾頭ミサイルによって国際都市ククモが攻撃され、翌4日、無数の小型単座戦闘艇に乗ったオオカマキリを従えた文房具の殺戮部隊が天空から飛来した。

1956年、動乱に揺れる街ブダペストで、祖国を違える4人のスパイとひとりの女が関係した。そして生まれた娘、イローナ。

とある地方の高校に伝わる奇妙なゲーム。三年に一度、学園祭で行われるそのゲームは、学校の運命を占えると言われていた。

KGBの大物実力者カジンとマリクは、かつては親友同士だった。

亡父の借財を抱え、母とも別居をよぎなくされて独り真摯に人生を模索する青年の、生きる闘いと一途で清冽な恋―。青春の光と影。

1975年、ある事件を契機にN県に分離独立政府が生れ、ソ連と友好条約が結ばれる。

ひたむきにテニスにうちこむ青春の群像―新設大学のテニス部員たちをとおして若さのもつ苦渋と輝きを定着した瑞々しい青春小説。

1936年、ベルリン。

ヴェトナムの戦場を肌で感じ生と死の異相を鋭く凝視した『輝ける闇』。

青い眼の牧師が行き交い、香港の絹商人が闊歩する表通りを一歩外れると、そこは阿片の漂う犯罪エリア。

ウォール街の証券マン、ニックは、偶然巻き込まれた事故で突如“透明”になってしまった。

安全なねぐらを求めてニューヨークの街をさまようニックの背後から、彼を万能のスパイとして利用しようとする秘密情報機関の魔手が迫る。

一度めは暗い船底に詰め込まれ、半死半生で連行された。二度めは日本人の女と夜陰に紛れて密航した。

泥の河・蛍川・道頓堀川。幼年期、思春期、青年期―三様の眼差しで生の哀歓を三筋の川面に映す〈川三部作〉。

泥の河・蛍川・道頓堀川。幼年期、思春期、青年期―三様の眼差しで生の哀歓を三筋の川面に映す〈川三部作〉。

15年前、わずか一年で結婚生活に失敗して以来、ずっと独り身を続けてきた47歳の女性弁護士撩子。

スリの天才老人の不覚『名人』、無実を訴えつづける平凡な主婦を通じて日本の特殊な裁判制度を描く初の新聞連載長編『片隅の迷路』ほか。

発端は、日本のブシドー精神の書物〈ハガクレ〉盗難事件の調査依頼だった。

四国西条藩主の家系でありながら双子の弟に生まれた英三郎は、７歳で浅草の寺に預けられる。

昭和5年正月。

あのコナン・ドイルがのこした重大なるメッセージとは何か?科学的で、明快な心霊学入門書。

映画祭で賑うモスクワのホテルで、4人の男が毒殺される。

読者をあくことなく欺きつづける多重構造。あなたもまた、作者の術中に?第4回日本推理サスペンス大賞佳作。

俺が祖国を救うのだ。運命の朝、男は上空の黒点に照準を合わせた―。

ぼくは13歳。本当なら中学1年なんだけど学校には行ってない。

シャクリと呼ばれるポンプ・アクション6連発銃、ウインチェスター・M12。その銃を手にした男たちのそれぞれの生き方―。

目の前で新興宗教の教祖が焼け死んだ途端、俺の中に何かが飛び込んだ。

ゲームの最中、突然マスコットガールに襲いかかったプロ野球選手・追分知之。

25歳のサラリーマン秋葉誠一。端正なマスクで育ちが良く独身。

立子と衿香は高校時代からの親友同士。

札幌・大阪間を結ぶトワイライト・エクスプレスは日本海を右手にひたすら闇のなかへと疾駆した。

高級娼婦は死んでいた。自宅マンションの浴室で椅子に縛りつけられ、シャワーの熱湯を浴びせられて―。

モスクワでの行動でKGB上層部に睨まれた捜査官アルカージは、シベリアに流された後、今はソビエトの北洋漁船「ポーラー・スター」号の船員として働いている。

都会からはなれた小さな入江で出会った老人と新婚の夫婦。その夜、老人が見たのは、新婚の2人が殺しあう夢だった。

辺境の荒野に囲まれた〈螺旋の街〉。そこは貴重な鉱石パラサンサを採掘する男相手の歓楽街、女ばかりの街だった。

1918年、ウィーン、一つの肉体に共棲する双子の兄弟、ヒトラーをめぐる意外な陰謀、うたかたのオペラ…。

横須賀の朝、高台の洋館で女の死体が発見された。そして、米軍桟橋沖に沈んだワーゲンからは男の死体が…。

お姉ちゃんは高校二年までしか生きなかった。

この短刀があると幸せになれないんです、といって妖刀村正とともに現れたアイドル歌手。

12世紀のイングランド。いつか大聖堂を建てることを夢見る建築職人トム・ビルダーは、職を求めて放浪の日々を送っている。

トムの死後息子のアルフレッドが作事を引き継いだ大聖堂が脆くも崩れ去った。

キングズブリッジ修道院長となったフィリップはトムを起用し大聖堂の再建を目指した。

イギリス秘密情報局イラン担当主任マシュー・ファーニスが、ホメイニ体制下のイランに拉致された。

Dr Alex Delaware is faced with police corruption, insanity and murder in this tale of Californian crime and detection. --このテキスト

教育実習のため母校に戻った広瀬は、教室で孤立している不思議な生徒・高里を知る。

戦国末期、天下の傾奇者として知られる男がいた。派手な格好と異様な振る舞いで人を驚かすのを愉しむ男、名は前田慶次郎という。

結婚して以来転居を繰り返している智佐子・克郎の若夫婦が今回引っ越してきたのは公団住宅。

寛政の改革による春画・春本の取締りを経て、歌麿の没後、豊国を筆頭とする歌川派は依然隆盛を極めていたが、お咎めを恐れて枕絵にだけは手を出せずにいた。

事故で顔面に重傷を負った女性記者カーリーの顔は、天才的形成外科医の手で見事に修復された。

ダンは霧の山道を妻とともにドライブ中、崖下に転落して瀕死の重傷を負った。

軍事施設なみの防護網。完璧にシールドされたコンピュータ制御機器。

京都発城崎行き特急「あさしお3号」の車内で、十津川警部の友人で作家の沢田功が殺された。

癌で夫を亡くし、暗い日々を送っていたジャネットは、あるパーティーで魅力的な男性シェリダンと出会う。

刑事上がりのおれは、現在、浅草の高層ホテル『ハイライズ下町』の夜間警備責任者。

命じられるままに暗殺を重ねたものの最後の土壇場で自己主張した岡田以蔵。

時は足利の末。のちの太閤秀吉日吉丸は大望を抱き、おのが主君求めて、京の都にやって来る。

ふとした出来心で、追い詰めた強盗から金を受け取り、目こぼしをしてしまった浜吉親分。

消灯後の内科病棟。ある植物人間の病室に何者かが侵入、病人の殺害を図って発見され逃亡した。

アラフラ海に浮かぶリゾート・アイランド、パウイ。

自然の猛威、追撃する軍隊、人喰いの風習を持つ原住民。

ロンドンの下町で貧しい野菜売りの家に生れたチャーリー・トランパーは、祖父から譲られた手押車を唯一の資本に商売を始めた。

ニューヨークのデパートを見学したチャーリーは、チェルシー・テラスに“一軒で何でも揃う店”を作ろうと決心した。

KGB大佐ササノフの亡命を成功させ、彼と結婚したダビナ。が、2人の居所を突き止めたKGBによってササノフは爆殺される。

「おばちゃまの目はどうして、そんなに怖く光っているの?」「それはお前を殺すためだよ」…不意に暗転するメルヘンの世界。

わが子を殺めた女に手を差しのべた、女性弁護士と女流評論家。

かつて、独立のためにイラク軍と戦ったクルド人の戦士ウル・ベグが、単身アメリカに潜入した。

チャーディは、かつてウル・ベグたちクルド人ゲリラと行動をともにしていた元恋人、ジョアンナに接触。

孤独を発明する…誰が?孤独が発明する…何を?静がなブームを巻き起しているカルト的作家の劇的な「自伝」。

40人もの理論的理学者が一堂に会するカクテルパーティーの席で、ノーベル賞学者のエルヴェ・ムア・ガンが殺された。

文化文政の芝居町、江戸に悪の華を咲かせたふたりの鬼才がいた。『東海道四谷怪談』、『桜姫東文章』で名高い四世鶴屋南北。

みごと城南大入学を果たした飯田クンは有頂天。城南グッズに身を包み、今日もゴキゲンで早弁当。

フォークランド紛争渦中の1982年、アルゼンチン巡洋艦ベルグラノは、英国原潜コンカラーによってなんの警告もなく撃沈された。

伏見加奈子、25歳、なんと、新婚1年目で未亡人になってしまった。

警察を退職して警備会社に勤める渡会栄治は、ある朝見知らぬ女からの電話で起こされた。

今日、私は死ぬ。私を殺したいと思っている人間が七人いて、その中の誰かに殺されることになるのだ…。

自分の部下がCIAに駆け込むという致命的失態を演じたKGB第一管理本部長は、亡命者の信頼性を失墜させる起死回生の策として、自ら発案した偽装亡命者となってアメリカに赴いた―。

ブルザールは裕福な女性ばかりを相手に成功している精神科医だ。

いつ崩れるかほからない、危うい均衡の上に成り立つ現代世界。

恐怖は人間の最も古くからの感情だと言われている。真っ暗闇の中で野獣に襲われる恐ろしさを想像してみれば、容易に納得がいく。