本書は、著者自身による自伝『少年』のつづき。

かつての名声を捨てきれず、酒に溺れる女性オペラ歌手。厳格な祖父と優秀な姉にコンプレックスを感じ、家を飛びだした少女。

恋人にふられたバーニイは、傷心を癒すため、古い屋敷を改造した片田舎の英国カントリーハウス風ホテルへ―もちろんそんな殊勝なバーニイではない。

まいった。大学教授で作家のグレイディは危機に瀕していた。

グレースは心の優しい女性だ。恋人と別れたいけれど、相手を悲しませたくない。

87分署のすぐそばの公園で若い娘の絞殺体が発見された。

裁判でミスをしたピーターは、大物弁護士の父により勘当同然に片田舎の町へと追いやられ、細々と公選弁護人をつとめていた。

2026年暮れ、雪のウィーン。新聞記者のシャーキーは、偶然知りあった男の事故死をその妻から知らされた。

ダム工事のため湖底に沈む山里の村で、相次いで二人の少女が失踪した。

クィラランの屋敷の近くに、アート・センターが完成した。

泥棒稼業もすっかりご無沙汰、私は古本屋の主人としてまっとうな暮らしをしていた。

成功を夢見てソ連からアメリカへ渡ったユーリは、苦しい生活を強いられて、鬱屈とした日々を送っていた。

キャサリンはマルベリー作戦の関係者に接近、入手した極秘情報を本国に送る。

第二次大戦も終盤を迎えようという1944年。

古代ローマ人の生まれ変わりのSF作家がたどる奇妙な人生と、未来を見られる摩訶不思議な目をめぐる物語を描く表題作『シビュラの目』をはじめ、ホワイトハウスに設置されたコンピュータが大統領をつとめる未来の合衆国で、思いがけず大統領の待機員に任命された男を軽妙に描

深夜、元警視ダイヤモンドはかつての職場の警察署に呼び出された。

老女は胸を撃たれ、アパートの部屋に横たわっていた。

失業中の元新聞記者テスに、友人のロックから仕事の依頼が舞いこんだ。

夜間は外出禁止となる内戦下のサラエボ。ある夜、殺人課のブラド警部は帰宅途中に特殊警察本部長の射殺死体を発見した。

短篇の名手ダールからの、楽しいエピソードがいっぱい詰まった贈り物をお届けします。

ニューヨーク州の田舎町オーリリアスで起きた連続少女失踪事件。少女がひとり姿を消すたびに、新たな箱が届けられる。

眼窩は深く落ちくぼみ、皮膚が乾ききった三人の少女の遺体。

経営合理化に反対の共同経営者、解雇を言い渡された社員、出版を断わられたミステリ作家…殺されたジェラードはあまりに多くの人間を敵に回していた。

伝統を誇る名門出版社「ペヴァレル出版」の社長ジェラードの死体が資料室で発見された。

瀕死の重傷から回復したマシュー・ホープの最初の仕事は、大手玩具メーカーを相手どった差止訴訟だった。

わたしの心臓のそばには銃弾がある。14年前、警官時代にローズという男に撃たれたときのものだ。

交通事故で死亡した親子の死体がいつのまにか遺体安置所から消え失せた―誰かの悪戯だろうと報じる新聞記事を、不気味な予感とともにうけとめた人々がいた。

タフガイ探偵ハンクが活躍する小説で人気の作家ウィリーは、深刻なスランプに悩んでいた。

万能スポーツ・エージェントのマイロンでもボディガードはお断わりだ。

ヒトゲノム・センターに勤務する気鋭の遺伝子学者ピエールは、帰宅途中、ネオナチの暴漢にあやうく殺されそうになった。

目を覚ましたとき、女は記憶を失っていた。そばには恋人を自称する青年がいて、彼女の過去を少しずつ明かしていく。

偽りの過去を教えられたことに気づき、本当の自分は誰なのかを知るべく訓練所を脱走したリズは、CIAの追跡を振り切り、“マスカレード”が実行されるパリに飛ぶ。

キャスマンと名乗る男がパーカーにヤマを持ちかけてきた。

聾学校の生徒と教員を乗せたスクールバスが、三人の脱獄囚に乗っ取られた。

ポターの懸命の交渉とメラニーの奮闘の結果、人質解放に光明が射した。

任務中に行方不明となり、死亡したと伝えられていたボンドが突然帰国した。報告を受けるMをボンドの銃が襲った。

事件の状況は、まるで小説のようだった。現場はロンドン郊外の高級住宅地、著名な実業家が自宅の書斎で殺害されたのだ。

建設会社社長が死亡し、四人の息子が巨額の遺産を相続することになった。

愛妻を殺され、傷心のボンドをMは日本へ送りこんだ。

湾岸戦争での苛酷な体験により、帰還後悪夢に悩まされているSAS軍曹ジョーディ・シャープ。

バークに接触してきた女はクリスタル・ベスと名乗った。ストーカーから女たちを守るための隠れ家を経営しているという。

ある夏の朝、兄のビリーが死んだ。

炎上するテントから運びだされる少女の死体。

こんな夜更けにケチな盗難事件の捜査とは。モース主任警部は顔をしかめた。

クリスマス間近のピカックスで盗難事件が相次いだ。

エジンバラの町は不気味な緊張に包まれていた。新興ギャングが町の覇権を手にしようと、何事かを画策している。

ひとつ頼みがある。力いっぱい俺を殴ってくれ―タイラーの一言がすべての始まりだった。

わたしの心の闇は23段階あり、気分が沈むにつれて深まっていく。

ぼくは自殺しそうな気がする。守ってほしい…ランディーと名乗る若者はバークに訴えた。

勤務先の病院が合併して思うような診療ができなくなり、心臓外科医キム・レッジスは、不満を覚えていた。

二日酔いの頭を抱えたモーリーンが目の端でとらえた鮮やかな赤色。

わたしは耳が不自由。だけど言葉を話せるし、読唇術などを駆使して女性新聞記者として多忙な毎日を送っている。

カリブ海に浮かぶ島で私立探偵業を営むダグのもとに、シャルロットと名乗る勝気な美女が訪れた。

記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、“コピー”になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。

ソフトウェア・デザイナーのマリア・デルカは、思いもよらぬ申し出を受けた。

少年ギャング団の縄張りで、14歳の少女とその赤ん坊が12発の銃弾を撃ち込まれて殺害された。

妻と息子と別れ、失意の日々を送るマーカス。

スイスに滞在していた登山家の滝沢は、自らのミスで遭難事故を起こし、苦しい立場に立たされる。

独立運動に揺れるチベットで、滝沢は摩耶に再会した。

酒への欲求は抑えられても、心の渇きは癒せない。探偵事務所を移転したロレインは将来への不安と激しい孤独感に苛まれていた。

「わたしの車を取り返して」ある日同じ会社に勤めるマリアンナがハロルドを訪ねてきた。

彼を殺したことを告白します…枕元にいた映画監督のトマスを神父と誤り、死の間際、老人はそう囁いた。

タナーの飲み友達のトムが、謎の自殺を遂げた。

ムーアたち特捜班は少年男娼斡旋所を監視下に置く一方、犯人割り出しに努めるが、犯人は捜査の網を潜り犯行を繰り返した。

強引な捜査が原因で警察を辞職したダイヤモンド。デパートの警備員として雇われたものの、再び失職してしまった。

デニスと政治家の確執が続くうちに事件は急展開し、娘は他殺体で発見された。

娘を返してほしければ、第一面で第一子であることを認めよ―脅迫状を見たタブロイド紙の編集長デニスは、10歳の私生児の娘が誘拐されたことを知った。

マイロンにはいつもトラブルが降りかかる。

2021年、世界中でなぜか子供が生まれなくなり四半世紀が過ぎた。

風光明媚な英国の田舎町キングズマーカムでは、ロンドンへの交通の便を良くするため、かねてからの懸案だったバイパス道路建設計画が、急ピッチで進められていた。

仕事に縛られない気楽な人生が最高さ―ディミトリにとって、親友のマーカスのように真面目に働くのは性分ではなかった。

元俳優の警備員スコット・エリオットは、映画監督ドルリーから、撮影現場の警備の依頼を受けた。

映画脚本の基礎を確立した、ハリウッドの大物ゴードン・キャントウェルの邸宅で、月例パーティが催された。

元英国情報部員クランマーのもとに突然警察が訪れた。

IRAの闘士コン・シェリダンは、ダブリンで若く美しい富豪の妻ハドリ・ウィンズロゥと激しい恋に落ちた。

ちょっといいかい?あたしは顔も頭も良くない。だけど悪役女子プロレスラーとしてはうまくやってる。

わたしの判断はあてにならない。だれもがそう言う。

プレコグ（予知能力者）の助けを借りて犯罪を取り締まる犯罪予防局が設立され、あらゆる犯罪行為を未然に防ぐことができるようになった。

事務所のあるビルの取り壊し、親友や恋人との不仲…あと四カ月で40歳を迎えるわたしの身辺は憂鬱なことばかりだった。

食べ物に関する大規模な祭典が行なわれることになった。

この仕事に、向いてないのかな?ハリウッドの芸能記者オコナーは記者魂では負けないが、控えめな性格が災いしてなかなかスクープをものにできない。

夫の最高裁判事を爆殺した容疑で突如起訴された、美貌の女検事アビー。

絶滅に瀕したアフリカの種族、キクユ族のために設立されたユートピア小惑星、キリンヤガ。

ある日、子どもたちがひとり、またひとりと家族の前から姿を消しはじめた。

遙か深宇宙で進化した生命体グレックス―エンギという名の幼仔が冒険を求めて行方をくらました時、群れは大騒ぎとなった。

連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬。

第二次大戦中、義勇兵パイロットとして活躍した近所の老人が急死した。

えせ宗教家アーチボルドが率いる伝道団体の集会を襲撃、そこに集まる現金を奪え―パーカーに新たなヤマがもちかけられた。

信頼できる友人たちとともに、念願だった自分の財団を設立したわたしは、初めての大きなプロジェクト「オータム・フェスティヴァル」の準備に追われていた。

エジンバラ市長の娘が誘拐された!リーバスらは、激しいカーチェイスの末、容疑者のふたりの少年を追いつめるが、逃げ場を失った彼らは、フォース川に身を投げ自殺してしまった。

退屈な学会の講演にうんざりしていたアメリカの神経物理学者アルバート・モリスンは、ソ連の科学者ナターリャ・ボラノーワから意外な申し出を受けた。

物体ミクロ化実験への参加を拒否した神経物理学者モリスンは、誘拐同然にソ連の極秘研究所へ連行されてしまった。

ジェネヴィーヴは、老人ホーム「ミドルトン・ホール」のケア・アシスタント。

いくら元新聞記者で好奇心を抑えられないとはいえ、テスだって厄介事に関わる気はなかった。

カヌーイストが発見した白骨死体と日記。その日記から、死体は百年前の探鉱者と判明した。