闇に横たわれ
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民族紛争のユーゴ内戦下のサラエボが舞台、筋は殺人捜査の刑事が戦時の混乱に乗じた大掛かりな密輸事業に突き当たり、生命の危険にさらされる。著者は元特派員で旧ユーゴ紛争(ややこしい!)の知識があり、戦時下の悲惨な日々がリアルに描かれる。日常的な砲撃、気まぐれな狙撃、地雷、町はギャング団に仕切られ、インフレ下、マルボロやネスカフェが通貨に変る。そんな混乱に暗躍する連中がいて「第三の男」を思い出させる。あっけなく死ぬ市民、川を挟んで敵と味方に引き裂かれる家族。悲惨な日々が筋以上に胸を打つ。そのことを書かざるを得なかったのだろう。第二次大戦中の美術品盗難の着眼点は素晴らしい。 | ||||
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サラエボ1993年、スナイパーが跋扈する街で懸命に任務を果たそうとする地元警察の殺人課刑事「ヴラド・ぺトリック」は射殺体に出くわしたが、それは内務省特別警察のチーフ「エスミル・ヴィータス」で、スナイパーにではなく至近距離から撃たれたことがわかり、捜査を始めた。当初は肉やタバコの闇のマーケット絡みの犯行と思ったが、第二次大戦のどさくさに紛れて運び込まれた美術品の話しが出てきたりで、内務省、国連軍,所轄警察、サラエボの市民たちのあいだで右往左往しながらヴラドは這いまわる。作者は戦時下サラエボの状態を熟知しており臨場感たっぷりの戦時レポート風に物語を進める。巨匠フィリップ・カー氏のベルリン連作にでてくる刑事「グンター」が戦中戦後の社会でもみくちゃになる様子を彷彿とさせるヴラド刑事の行動だが、グンターの斜に構える姿勢での「息抜き」は作家経験の浅いフェスパーマン氏にはまだみられず、ヴラドはあくまで真っ正直にことを運びたがっている。紛争下のサラエボ人民の詳細を語ろうとする意気込みが前面に出過ぎた感があり、ミステリとしての切れ味は重い。それでも続編を読みたくなる作家ではある。 | ||||
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