スーパー・エージェント
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
スーパー・エージェントの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新作の合間に古い未読の作品を読んでいる。本書もまた、20年以上も前に翻訳されていたのに、その時にはぼくは存在すら気にしていなかったシリーズ作品だ。今ではハーラン・コーベンは要チェック作家であり、彼の翻訳作品は過去に遡って全作読みたいと思っている。それほど気に入っているのが何なのかは、古い未読作品を手に取るたびによくわかる。 文章。そう、語り口なのだ。本シリーズは、少しマイルド気味な語り口でありながらハードボイルドである。ハードボイルドの系譜を直系で受け継いでいるかと言われれば、実は一人称ではないこと、探偵というよりはプロスポーツのエージェントとしてたまたま担当スポーツ選手の関わる事件に出くわし、事件に関わってゆくという、いわば巻き込まれ型の主人公であることを思えば、やはり直系というよりは亜流と言われても仕方のない準ハードボイルド・シリーズであるのかもしれない。 しかし、主人公の持つ騎士道精神、彼の盟友であり片腕とも言えるウィンという冷血で優雅な殺し屋の存在は、やはりネオ・ハードボイルドの世界では、お定まりの構図と言っていいのかもしれない。何よりも、事件に向き合い、敢えて関わろうとする主人公マイロン・ボライターの態度、生きる姿勢、洞察力等々は、ハードボイルドの直系と言っても過言ではないほどその騎士道精神に即したものであるように思う。 さらにハードボイルドというジャンルが描く、一見、リッチで平穏と思われる世界に蠢く悪意や殺意や怨恨の深さ、等々は本シリーズでも正当に語り継がれる人間の弱さ、それがもたらす悲劇とも言える。 本書では女子バスケットボール選手ブレンダに託す元バスケ選手主人公のマイロンの夢に始まり、それが意外な方向へそれてゆき、夢ではなく過酷でリアルな悲劇へと傾斜してゆく物語の悲しさのようなものが、マイロンの明るく強がりで優しい生き様に対比する。明確な構図なので読んでいながらマイロンへの協調感と言ったら半端なものではない。いつもながら。 本シリーズのぼくにとっての未読翻訳作品はあと数作を数える。その後の翻訳の情報は今のところないようだ。さらに後日談である『WIN』が出版されたところで、本編に遡っての翻訳はあまり見込みがないだろう。シリーズ外新作でも安定した人気を見せているコーベン作品。是非、全作の翻訳が実現されることを心より願いたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今回もマイロンの軽妙は軽口と皮肉は健在 でも作者自身も言っているように、本作はダーク・悲劇的・救いようがない・・ ああ・・こう来たか・・うーん・・ でもね 前回のレビューにも書いたように この度も一度しか出てこない登場人物の描写や台詞が秀逸 かつてはバリバリのコラムニストだったが今は介護施設にいる老婦人 デボラがマイロンに語る言葉 あたしのコラムを覚えてる人間がここにはひとりもいないのよ みんなすてきで優しい人ばかり とっても良くしてくれる。 でもあの人たちにとっちゃ、私も老婆のひとりってわけ あの人たちに見えるのは、この朽ちた体だけ 体のなかにある心がかつてはシャープだったことも この体が昔はすてきなパーティに出かけてハンサムな男性たちと踊っていたことも あの人たちにはわからなくなる、理解できない。 あたし自身、今日の朝食はなんだったか思い出せないけど あのころのパーティは思い出せる。 マイロン、それって変かしら みんな行く道だけどその時にならないとわからない事だよ ストーリー・キャラ立ちだけでなく それぞれの登場人物(善悪ともに)が随所で光を持っているから このシリーズが好き スピーディに面白げなストーリーだけ展開させるものとは違い 読ませる本ってのはこんな所が秀逸なんだと思う それを的確に心に伝えてくれる訳者(中津悠 氏)にも感謝 マイロン、涙の中から立ち上がる次作を期待してるからね | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
マイロンは女子バスケットボール選手の護衛を依頼され、その選手から20年前に失踪した母親と一週間前にいなくなった父親を捜すよう頼まれる。 母親の失踪を調査するうちに知事選に立候補している地元の有力者との関わりが浮かんでくる。そして次々と事件が起こる。 事件の真相は最後の段階まで分からず、意外な結末を迎える。 多少甘いところはあるが、一気に読ませるような面白さがあります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
Myron Bolitarシリーズの5作目。女子プロバスケットボールの花形選手の父親が行方不明になり、彼女も脅迫を受ける。彼女の母親も20年前に家族を捨てて失踪しており、今回の件も母親の失踪との関係が示唆された。Myronは彼女のボディーガードを務めながら、父親の捜索、脅迫の背景を探っていくが―――。この作品も他のHarlan Coben作品と同様、彼の得意の行方不明モノであるが、またまた違ったパターンで読者を楽しませてくれる。ストーリー展開のテンポの速さ、また事件の真相の複雑さ、意外性という点でも十分である。本作品では、Myronがこの女子選手の魅力に負けそうになり、つらい思いもするのだが、シリーズが進むにつれ、Myronの人間的な側面がいろいろ明らかになっていくのも興味深い。英語は平易で、大変読みやすい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
Myronのシリーズとその成長ぶりを、頭から追ってきていますが、ここに 来て思い切った方向転換をした感があるのが本書。理想を求め、その結果 自分やまわりの人間が窮地に落ち込んで行く事態が続く中、結局、現実の 人生とはそんなに甘い、やさしいものではないという教訓を意図している のだろうか、と思わせる。元来キャラクターのコアでもあったユーモアもかすみ始め、さらに後半に いたるとその影も見えなくなる。作者の思いにMyronはとまどいながらも、 つらく悲しい経験を重ねつつ、人間として大きくなっていくようだ。 読むほうもよっぽどつらくなる。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 6件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|