ウイニング・ラン
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スポーツ・エージェント、マイロン・ボライターのシリーズ最終翻訳済み作品7作目である本書についに辿り着いてしまった。この先4作までは本国では既刊となっているのだが、和訳作品はこれで、現在のところ最後となる。それも23年前のことだから、この後の作品は埋もれ、忘れ去られてしまうだろうか? と思いきや、2024年に本シリーズの新作(タイトル未定)が用意されているらしい、とはWikipedia情報である。これを機に残るマイロン・シリーズ作品も全部翻訳して頂けると嬉しいのだけれどなあ。うるうる。 ともあれ、四半世紀も遅れて読んでいるへぼ読者のぼくとしては、これら古い作品たちも現在に近く感じられるままなので、何だかすべてまとめて手元にどんどん作品が届いてくるようなイメージなので、とても充実している。これを機に未訳シリーズ作品も日本の書店用にきちんと翻訳して並べてもらえると嬉しいなあ、と、そう、今こそわがままを言える機会だ。さ、新旧コーベン・ファンよ、集結せよ。と一番新米の読者のくせに生意気を言って失礼! さて本書であるが、文句なしのシリーズ・ベスト作品である。どの作品もかなりのつわもの揃いというハイレベルな物語ばかりなので最新作がいつもベスト、ということを巻末で北上次郎氏が書いている。最後に邦訳された本書がぼくは最も心が捕えられてしまった力作であるように感じたので、その通りなのだろう、きっと。本書の読みどころは、主人公であるマイロンの人生を過去から何もかも変えてしまいそうな出来事が、本書のスタートから驚きびっくりでいきなり語られ始めるところにある。お、これはシリーズのエポックに違いない。そんなびっくり箱的スタート地点からぼくらはページを繰る手が止まらなくなる。ううむ。 マイロンは、言い年齢になっても両親と同居するなど、とても家族を大切にしているのは、既にご存じの通り。しかし、本書では、マイロン実家ではなく、別の次元で闇に眠ってきたもう一つの家族乃至親子の秘密が、本書の爆弾であり地雷となる。昔の恋。置き土産。マイロンというシリーズ主人公の、過去や未来に繋がる家系の真実が冒頭から明らかになり、マイロンとともに読者も揺るがされる。そしてその幽かに繋がっていた血の未来が、現在は途轍もない危機に瀕している。そんな自分ごとの事件がマイロンにいきなり直球ストレートで投じられ、シリーズ中、最も避けられぬ探偵活動を余儀なくされるというのが本書のスタートシーンなのだ。 『元恋人のエミリーは、病気の息子を助けてほしいと懇願した。「子どもの父親はあなたなの」。死の淵に立たされた我が子を救うべく、消えたドナーを追うマイロンは、やがて・・・』カバー裏の記述はこう語る。 本人も知らぬままに生まれていた息子が難病で命の危機に瀕する中、唯一骨髄バンクでヒットした提供者の行方がわからなくなってしまったと、元の恋人に告げられたマイロンは、驚愕と同様と懐疑の中で、想像もしなかった息子の存在を知り、彼を生かすための渾身の捜査を強いられる。冒頭から最後までただただ本気の緊張と行動が続く。最初から押し迫った状況が、マイロンの胸を(つまり読者の胸をも)締め付けるのだが、行方不明となった提供者の闇を知るにつれ、泥沼の悪意が見えてくる。物語は異様な方向に逸れてゆく。 シリーズ中最も闇の深い作品であるように思う。そしてシリーズ中最もマイロン自身に問題が迫ってゆく物語でもある。家族の物語。時間的にもあまりにも長いスパンの物語。血の物語。この最終章をもって翻訳が打ち切られているという状況が理解できないのは、果たしてぼくだけであろうか? この後のマイロンのシリーズをも読みたい。三度くらい書けば翻訳が上梓されることもあるだろうか? 読みたい。読みたい。読みたい。さて、どうだろうか? 皆さんも是非ご唱和あれ! | ||||
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う~ん・・・ このマイロンシリーズは大好きだったのに。。 マイロンもウィンもエスペランサもビッグ・シンディもみんな本当に好きだったのに。。 登場人物の新鮮さが薄れて、プロットを捻り過ぎて・・ ほんとやりすぎて興ざめ感がある 凝ったプロットと登場人物の数と濃さの両立は難しいのではないかな~? なんかドタバタ感があるよ シリーズ物はみんなこんな運命を辿るのは仕方ないにしても、少し早くない? レックス家に乗り込むにしてもあれほどキャラ総動員で武装することもないし その暴いた秘密も大したことなかったし 「感動のシリーズ最高傑作」ではないと思うよ。 シリーズ傑作はもっと前のものたちだわ。 「親と言うものは子を育て愛した人間であって、生物学偶然には意味がないんじゃなかろうか」 というセリフも、(私的には)当たり前だし。 まあ、ひとつ嬉しかったのは前回の濃い悪役、ゾラを再登場させてくれた事かな (再登場したわりにはあまり活躍できなかったね、ゾラ) 下ネタ軽口上手な走るマイロンとバックアップ・ウイン クールなエスペランサとこってりシンディ これだけのキャラを作り上げたのに もうこれでシリーズが終わる予感がするのはもったいないなあ。。。 | ||||
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頼んでいる本が届くまで積んである本のなかから適当に本書ハーラン・コーベン著『ウイニング・ラン』を選んで読むことにした。 読み始めてすぐ元バスケットボール選手だった主人公のマイロン・ポライターというキャラクターを思いだし、少年の骨髄移植という重いテーマも微かに思い出した。 本書が2002年刊行の本だから評者が読んでから14年過ぎたから記憶もここまでであったから楽みながら読むことができた。 マイロン・ポライター・シリーズ第七作目の本書『ウイニング・ラン』は、著者も読者に飽きられないように緻密なプロット構成をしてストーリー展開している。 が、複雑に何度もどんでん返しを演出する後半は少々不自然だと思い始めたらページを繰る手が鈍ってきてしまった。 本書を読みながら同じマイロン・ポライター・シリーズ第三作目の『カムバック・ヒーロー』も以前に読んだ記憶が蘇ってきた。 評者は、『カムバック・ヒーロー』のほうが本書『ウイニング・ラン』より出来がよい作品だったように思いながら本書を読み終えた。 | ||||
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マイロンシリーズが好きで第一作目からずっと読んできましたが、シリーズを重ねるごとにマイロンの魅力が薄れてきているというか自分勝手で子供っぽい部分が目についてイラつきます。(笑) この作者のお決まりのパターンから犯人の目星もついてくるようになります。 それでも読者をぐいぐい引っ張る力はあるので星3つ。 ウィンの描写は漫画的で現実的ではなく、エスペランザ他登場人物もすべてマイロンの都合のいいように動いてくれるご都合主義。 いくらキャリアを壊した負い目があるとはいえ、息子が実は他の男の子供でも文句ひとついわないグレッグの人のよさ。 理由はどうあれ善良な市民を暴力で脅して言うことを聞かせ、挙句その相手は訴えるどころかマイロンに感謝。 マイロンはマイロンで方法より目的だからと自分に酔いながら嘯く始末。 この作者の倫理感に疑問を持たざるをえません。 何よりも家庭を強く望んでいる描写を散々しておきながら35にもなって今だ独身のマイロンの矛盾を解決するかのようにいきなりふってわいた13歳の息子。ご都合主義以外の何者でもないですね。 この後マイロンシリーズはいったん長いお休みにはいるんですが賢明な判断でしょう。 | ||||
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カバー裏に「感動のシリーズ最高傑作」と謳われている言葉に嘘いつわりはありません。シリーズ第5作『スーパー・エージェント』と迷うところですが、本書が現時点でのシリーズ最高作と云っていいかと思います。 現実味のないキャラクターばかり出てくるのに、どうしてこんなにも重く感動的な物語が書けるのか。毎度のことながら不思議に思えるほどです。これだけでも著者が卓越した小説技術の持ち主だと分かりますが、著者はさらに卓越したパズラーの書き手でもあるのです。 本書では真犯人の正体をめぐり、二転三転のどんでん返しで読者を翻弄してくれます。その犯人の隠し方にはアガサ・クリスティーの某長編を連想しましたけれど、綿密に伏線を張り巡らせて、フェアプレイに徹した構成は、むしろエラリー・クイーンを彷彿とさせるものがあります。終盤のスリリングな展開もお見事。 終わりの方でマイロンが選択するある行為には、僕の倫理観からは頷けない部分もありますが、それも含めて読者に重い問いかけを与えるドラマに仕上げている点を評価したいと思います。 ただ、この著者の作品に限りませんが、最近のアメリカ・ミステリは登場人物たちが放つジョークや悪態がお下品に過ぎますね。死体の描写がいくら残虐でも構いませんが、普通の人の普段の会話がみな下品なのはどうなのでしょうか? こういうところに、アメリカという国の民度の低さを感じ、溜息をつかずにはいられません。星ひとつ減点は、それが理由です。 あと、この邦題は意味不明。このシリーズの邦題のセンスのなさは、一体何なのでしょうか? | ||||
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