健気に生きながら逆い難い運命に翻弄される女たちの、宿命的なまでに哀して生き様を江戸の貧しい市井を背景に描く。

尾田和成は二十年以上の刑事生活にピリオドを打ち、“K探偵社”に再就職することになった。

私だけを見つめて下さい。そして「君を選んだよ」と言って下さい…。

石塚輝雄はその甘いマスクとプレイボーイぶりから“光源氏”などと呼ばれている。

蘇る死刑囚。新本格の旗手が新境地をひらく近未来クライム・ノベルここに誕生。

平松外科医院の院長婦人が、ハンドバックを持っただけの軽装で失踪した。

満員のデパートのエレベーター内で中年男が毒殺された。名刺と古い写真だけを手がかりにすすめられる捜査。

「真梨子が緊急入院したのよ、自殺未遂かもしれないって…」 原田は呼んでも一向に応えない娘に強く語りかけた。

幼馴染みがヤクザの幹部になっている徳持刑事は、なにかと癒着が疑われていた。

中央日報の稗田は元駐日P国大使にかんするフランス紙の記事に興味を持った。日本人ハイ・ホステスとの関係で離婚騒動とか。

熊本県水潟市に発生した恐るべき「水潟病」。

私は特派員として政情不安なインドネシアに着任した。

緻密な考証と公平な視点によって、推理小説をその起原から詳説。

犯罪小説家として売り出し中の私のもとへ、むかし抱いた星村美智から電話がかかってきたのは深夜だった。

西新宿の本間美術館で「インド宮廷秘宝展」が開かれた。

阿浦衆とその末裔たちの秘密に挑む海上タクシー「ガル3号」。闇に響く短・短・長の警笛。

女の仮面に翻弄される男。いま、愛憎ドラマの幕があく。

新幹線に乗り遅れたと、東京駅から新潟までタクシーを飛ばした女は、好物のはずの夕食の蕎麦をなぜ残したのか?―「乗り遅れた女」。

「これはひどい」凄惨な光景に、熟練の鑑識が目を背けた。

「僕は少し疲れているのかも知れない。頭の中にワラが詰まっている感じがする。

その旅客機が墜落したのは灼熱の大砂漠だった。辛くも助かったのは鶴見浩二と何人かの女性たちだけ。

怪しげな新興宗教「闇の光」の狂信的信者立花冽子は、兄弟と共謀し内縁の夫を“悪魔祓い”の生贅として殺害してしまう。

坂巻内科医院の院長、倫三が急死した。死因はウイルス性の脳炎によるものだった。

坂巻里加、28歳、宣伝部チーフは、遅刻の理由を「男と会っていたものだから。

「私は小説を書くようになって、昔からの友だちを失った」 花村万月初めてのエッセイ集。

「魔の山」双葉山で発生した恐るべき大量殺人事件から三年―。正体不明のあの殺人鬼が、新たな獲物を求めて山を降りてきた。

有坂は作家である。それも売れない作家だ。

夏の暑い日、女子大生の鈴木かおるは、アパートの隣室に無断で入り込んでいた女を殺してしまった。かおるは遺体を処分。

世界的ヴァイオリニスト江原信州子の愛用したストラディバリが盗まれた。

当たり屋とダライコ屋と拳法家くずれが企てた大胆不敵な誘拐。ノンストップ・ハードボイルド。

女探偵(ウーマン・アイ)・竜崎幸はある日十五歳の少年から「死んだ兄を探してくれ」という奇妙な依頼を受ける。

殺された若い女性の部屋は、窓やドアが完全にロックされておりごていねいにもチェーンまで掛けられていた。

そこから「帰還」した男たちに“終戦”はなかった…。社会派の鬼才が特攻隊の意味を新しく抉り出した重厚なミステリー巨篇。

静岡で一仕事終えた宮之原警部は、久し振りに妻の真由子とくつろぐ予定をたてていた。

岬の突端にある「愛の鐘」を鳴らすと、恋が叶うという、西伊豆の名所・恋人岬の駐車場で男の惨殺死体が発見された。

地図に秘められたトリック。時刻表でも、旅情でもない、本格推理の新境地。

22歳の女子大生の死体が見つかった。マンションの一人暮らし。

犯罪が人間の仕組んだものなら解き明かす糸口がつかめる。

推理作家・牧薩次のもとに、ぜひ読んで欲しいと3編の鉄道ミステリーが持ち込まれた。

西長門の海岸で若い女性の溺死体が発見された。自殺か他殺か判然としない。

大場一成は警察や市政を思うがままに操り、あまつさえ暴力団まで私兵化し、F県羽代市の王者として君臨していた。

経営コンサルタント山上忠男の所にかつての恋人倉林美沙が相談ごとを持ち込んできた。

昔住み馴れた家の整地跡から白骨死体が掘り出された。20数年前のものらしい。

京都洛西、苔寺として知られている西芳寺の門前にある茶店の娘秦春香は、子犬の鳴き声が気になって外へ出た。

久慈里枝の喪服の裏にひそんでいた模様と同じ紫の文字で―紫の傷。二十八年前の罪の傷。

昔バンドマンだった父は急に「瀬田の唐橋が見たい」と娘の路子に言いおいて大津に旅立った。

江戸の日本橋界隅を縄張りとする岡っ引き・市蔵は、下手人を挙げるだけでなく、事件の背景の事情にも細やかに目を向け、市井の片隅でけなげに生きる人々に温い視線を送ることを自らの務めとしている―。

“我が国の犯罪史を見渡してみても、あれほどに異常な殺人事件は他に例がないのではないか。

日美子の兄・柏木陽一が院長で千葉県柏市にある鶴平総合病院の婦人科棟に厄介な患者春木しのぶがいた。

ひとつの殺人が善良な人々の運命を次々に狂わせていく。問題作。

小説推理新人賞受賞作。ある日、突然、思いもかけぬ事件をもたらす危険な訪問者。

過去との結着をつけるため男は“最後の賭け”に挑んだ。

28歳、キャリアウーマン・坂巻里加。美人で仕事もできるが、“男嫌い”で通っている。

山口市の名刹・瑠璃光寺に遠足に来ていた資産家の小学4年になる息子、若杉博之が誘拐・殺害された。

火と善行の神・プロメテウス。

本望だ、と千尋は思った。

第47回日本推理作家協会賞受賞。

人は生きていくかぎり、過去に訣別を告げることは出来ない。

京都を観光中の女子大生がとある路地で殺人事件に出会した。数分後パトカーが駆けつけたところ死体など影も形もなかった。

ホテルの一室で男の死体が発見されたが、性器は噛みちぎられ、鏡には謎めいた言葉が口紅で書かれていた。CRONOS―。

へんなことがあった。なんだか、今でも不安で落ち着かない。

「あたしには幼い頃の思い出が全然ないの」恋人が失った記憶を取り戻すために、“幻の家”を訪れた僕たちを恐るべき事実が待っていた。

単身赴任で独り暮しが始まった風見淳太郎にとって、最大の悩みは“退屈”だった。

イタリア人を母に日本人を父として生まれた混血の美女、楠本亜里沙。彫りの深いマスクと抜群のプロポーション。

1…、2…、3…、平穏な日常がゆがみはじめる。恐怖サスペンスの傑作短篇集。

劇的に逆転する一人の女の半生のドラマ。連城ミステリーの新しい魅力。

念願かなってマイホームに引っ越した木崎家の第一夜、奇妙な電話がかかった―。夜中にピアノなんかひくな。

赤かぶ検事こと柊茂は、美人警部補として名高い行天燎子をエスコートしてパーティーに出掛けた。

京都市の北郊・氷室町で、若い女性の殺人死体が発見された。どこか別の場所で殺され、遺棄されたらしい。

タロット・カードの名手日美子の兄・柏木が院長を務める千葉県柏市の病院から、柏木を手こずらせた美人患者の田丸美加子が突然姿を消した。

なんという長い暗闇の旅だったことか! 確かな証拠として死刑を決定づけた一滴の血痕が、新DNA鑑定法の出現で一人の天才棋士を25年の闇から救い、真犯人を炙り出す。

萩の有名料亭『あずみ』の主人が亡くなり遺産相続会議が開かれた。

恐怖の冒頭から驚愕の結末まで…。あなたはこの物語を最後まで読み通せるか。

超ビッグ企業『アルファ』の会長・西坂太一郎が失踪した。

予期せぬ出来事から犯罪者となり、逃れられない蟻地獄に。

三伸建設設計課一級建築士・田中浩一は、ある夜、中学高校が同窓で、今は東聖大学法医学教室の古屋一郎の訪問を受けた。

日美子は高校時代の友人烏丸みやびに招かれて芦屋を訪れた。

桜野女子大学教授・阿羅悠介が、T新聞に六年前のエジプト再訪の思い出を載せたところ、中東諸国を相手に急成長した商事会社『CFC』の福崎新生会長から「急にお話しがしたくて」との連絡があった。

牧薩次、駆け出しのミステリー作家である。ポテトの仇名通り外見はイモっぽいが結構鋭い推理力の持主でもある。

三上量子は心の悩みの相談に乗り、的確な見立てをして、独自の方法で治療にあたる臨床心理士。

みすずはまだ若い身空で、母親の営む「龍宮ウエディング」を手伝っている。

並子と政子は親友で、東京郊外の大団地に「探偵局」を開いている。

男は貧しいから頑張った。

僕は殺されることにも慣れてしまったが、同時にまた憎まれることにも慣れていた。

赤かぶ検事こと柊茂は頭を抱えてしまった。外車セールスマンの浦上にはアリバイがあったのだ。

学生時代、美貌・才知・人柄の三拍子揃った才援の友人並子に、政子は団地の公園でばったり会った。並子はあいかわらず若々しい。

「岳沢に張った自分のテント内の寝袋で男が死んでいる」―登山者からの通報に長野県警豊科署から道原刑事らが出動した。

朝倉理絵は東京都カルタ会の女王である。

上原厚子は愕然とした。それは27年間の人生で初めての衝撃だった。

鬼ガ城山の麓で男の全裸死体が発見された。喉笛を一文字に切り裂かれ、さらに惨いことには右目がくり抜かれていたという。