(短編集)
私が捜した少年
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二階堂氏の本格路線が蘭子シリーズで、ライト路線がサトルシリーズで、ユーモア路線がこのボクちゃん探偵シリーズとなっている。 タイトルからして原りょうの名作のもじりだが、アメリカのハードボイルドものをパロった独白部分とそれを言っているのが幼稚園児というギャップで楽しませてくれるユーモアミステリーの傑作に仕上がっている。 他の収録作も有名ハードボイルド作のタイトルをもじっているが、内容自体は原典をなぞっているということではなく、いつもの二階堂氏らしいトリック主体のミステリーである。 トリック自体は、ミステリー好きならほぼ全て途中で分ってしまうようなレベルではあるのだが、やはり主役のキャラ設定と世界観から生じるギャップ的なおかしみがよく出ており、ユーモアミステリーとして最後まで楽しませてくれる作品である。 | ||||
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ユーモア・ハードイルドです。この用語は、なんだか論理的に矛盾していて気になりますが、いまやれっきとした推理小説系版元のジャンル欄にあるので、そのままいきます。 実はこの本は、「日本ミステリー事典」で用語の定義をみていて行き当たったという経緯があります。つまり「用語のことはともかく、こういう作品があったのか」というわけで(96年作ということで流石に品切れ中)ネットで入手しました。 ユーモア・ハードボイルドといいましたが、もっと的確にいえばパロディです。短編5編からなります。表題作「私が捜した少年」は、マニアだとわかるのではないかと思いますが、原'ォ「私が殺した少女」のパロディですね。ほかの編は、「アリバイのア」「キリタンポ村から消えた男」「センチメンタル・ハートブレイク」「渋柿とマックスの山」。それぞれのオリジナルはわかるでしょうか。わかる方はけっこう通ですね。作者のほうだけ言いますと、スー・グラフトン、コリン・デクスター、サラ・パレツキー、高村薫。錚々たる面々を選んでいます。 連作になっていて、主人公?は渋柿信介。「職業は私立探偵、ライセンスはもっていない」「〜の件は、夜、寝る前にゆっくりと解けばいい。私はオフィスのドアを静かにしめると、人生よりも急な階段を下っていった」〜と行動派探偵を気取るのですが、実は渋柿は、まだ子供。「愛車のブルーバードのミニカーをポケットに入れた」っていう世界です。ちなみにブルーバードは探偵・沢崎の愛車ですね。 ところが、親が刑事で、彼が家に持ち込んでくる難事件を聞き及び、この信介ことシンちゃんが解決に導くという展開。新本格派の作家が、息抜きのために書いたそうですが、なかなかやりますね。別ジャンルの人だから、むしろできるのかもしれません。 なお続編もあって、その題のなかには、「八百屋の死にざま」(R・ブロックで、マット・スカダーです)、「カラスの鍵」(D・ハメットですね)なんてのもあって、タイトルだけで笑えます。それにしてもハードボイルド小説を読んで笑おうというのは、二度おいしいというべきか、矛盾しているのか、悩むところですね。 | ||||
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1996年に出た単行本の文庫化。 5つの短篇が収められている。いずれもハードボイルドをパロディ化したものだが、二階堂氏の腕前は極上。ツボが押さえられており、ギャップをつくるのも上手い。笑いが止まらなくなること必至。 ミステリの部分は、どこかで見たことがあるようなものを、ひとひねりした作品が多い。とはいえ、その処理は巧みで、読んで価値のある内容に仕上がっている。 ハードボイルドってこんなに面白かったんだという感激に浸れる一冊。 | ||||
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やられた(笑) はっきり言って、だまされました。 でも、にやりと笑ってしまう! 5つの短編が収録されたハードボイルド(?)です。 文章による描写と映像の違いを上手く使っています。 そのお遊び的な導入部で気軽に読んでいくと内容の意外な濃さに驚かされます。 事件の深刻度は様々ですが、描く視点が斬新で、ある意味冷徹なので、淡々とした謎解きになっています。 凄惨度は低いし、笑いも多いので、気軽に読むには、おすすめの一冊です。 私の中では、かなりのお気に入りです。 | ||||
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主人公の名は渋柿。職業は探偵で、自宅をオフィスにしている。独身で妻子はいない。顔を洗っていると、ダイニングルームから、女の声がした。彼女とは昔、同じベッドに寝ていたことがあり、いまだになれなれしさが抜けない。ハードボイルドの鉄則どおり、主人公の1人称で始まる物語です。この紹介だけ見ていると、普通のハードボイルドに思えますが、実はこの主人公、幼稚園児なのです。 探偵料は1日当たりビックリマンチョコ2個、必要経費は風船ガム2枚。ハードボイルドといえば女ということで、最初の依頼主も女性です。ハードボイルドの鉄則に則った硬派な部分と、幼稚園児としてのほのぼのした面が、絶妙なバランスで登場し、爆笑させてくれます。 普通のハードボイルドに飽きたら、ぜひ本書を読んでみてください。 | ||||
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