南町奉行所定廻り同心だった菊薗平次郎は隠居し、蕎麦売りを始めた。出汁に拘り、界隈では知られる評判の屋台店となる。

北海道の釧路湿原で、男の死体が発見された。

依頼人は若すぎた。義姉の行方を心配する和夫は中三だった。

酸鼻を極めた薬師寺事件から、はや十四年。時効を目前にした七月、蒼こと薬師寺香澄のもとに、謎の封筒が届いた。

江戸で大評判の伽羅油「花の露」を扱う桔梗屋の主、吉蔵が多額の借財を残して姿を消した。

五年前、一万両にものぼる大金を盗み、大坂に逃げた大盗賊の夜霧ノ治郎兵衛の一党が江戸に舞い戻った。

一年B組の名物三人組、爽子、裕一、彰。天文部の彼らは、星の観測をしていた夜、学校に忍び込んだ泥棒と知り合う。

OL殺しの容疑で逮捕された男が自殺した。無実を訴える男は、アリバイを主張したが、その証人である写真家夫妻も失踪していた。

生活苦にあえぐ老女が、五歳の孫のために百円のクレヨンを万引きした。夫を亡くし、娘は幼な子を置いて家出。

料金は一日125ドルと必要経費。

警察機関の一部が民間に委託された近未来。大手コンビニに雇われる滝田は、警備員兼警察官、通称「コンビニCOP」だ。

ダイエットの息抜きになればと、料理教室へ通いはじめた“デブ・ファイブ”のメンバー。

華やかな都会での仕事を辞め、田舎町スプリングフィールドで園芸家として開業したばかりのポーラ。

元零戦の操縦士でその日暮らしを

歴史博物館に展示されていたコレクションの持主である真行寺謙二郎の屋敷にやって来た夢羽&拓人たち。

あなたが夫を拳銃自殺に追いやつたのではないですか―残された妻に「Tさんを恨んでくれ」という遺書を見せられ、十津川は戸惑いを隠せなかった。

日本に亡命中の某国民主化運動の女性リーダー、チュオン・ナオと娘のテイを護衛することになった倉地とその仲間たちに、某国軍事政権が送り込んできた暗殺集団が襲いかかる。

失恋して傷心の山岳カメラマンの倉地は、同じアパートに住む友人に誘われ俳句結社に入会した。

「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父のレフが戦時下に体験した冒険を取材していた。

二十歳の誕生日目前、急病に倒れた瀕死の母親を見て、路子はやり場のない怒りを抱く。「お母さん、病気なんかで死なないで。

品種改良は、神への冒涜なのか―?茨城県農業研究所の職員が、秋田県の西馬音内盆踊りの最中に謎の死を遂げる。

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。

金敷署の厄介者が集まる、生活保安課防犯係特殊相談対策室。

凄惨な殺人が頻発した、“地獄の季節”から約二年。金敷市は、表面上は平穏な生活を取り戻している…。

木島安兵衛が江戸に帰って八年が過ぎ、遊佐友也は十四歳になっていた。

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。

登美彦氏史上、これまでになく毛

江戸町年寄・三河蔦屋の御曹司一家の窮地を救い、以来、大旦那の染左衛門と交誼を結ぶ小籐次は、染左衛門から懇願され、成田山新勝寺詣でに同道する。

豊後森藩江戸下屋敷の貧しい厩番の倅、赤目小籐次に、悪童仲間から儲け仕事が舞い込む。天明の改革が頓挫し、世は打毀し流行り。

絵画に描かれた巨大な歓喜仏に抱かれ、臨死体験者・磯村澄子は死んだ。奇妙な衣裳に極彩色の化粧、そして額に描かれた第三の眼。

覇者は外科の世界で大成するといわれる医学部剣道部の「医鷲旗大会」。

貧困家庭に生まれた耳の聴こえない娘イヴ。暴君のような父親のもとでの生活から彼女を救ったのは孤高の女フラン。

1986年10月。六軒島では、またもや惨劇の幕が上がろうとしていた。

人の心はどんな色に染まるのか―――。 神田明神下の長屋に住む通いの摺師、安次郎。

オルダーショット高校の老教師にして、素人探偵のストラング先生。

捜査情報が漏れている!?刑事が立場を利用して金を動かしている!?警察内部の犯罪を追う監察官はあくまで陰の存在。

極貧からのし上がった孤高のエース―。人気球団スターズの浪岡龍一は、世間からの称賛を一身に浴びていた。

「薫物御前は、良くねえ女だった。俺が見た訳じゃねえよ。

ベトナム戦争から帰還したリー・モラヴィアンは、心に深い傷を負って現実生活に適応できなくなり、人里離れた山の中で犬とともに暮らしていた。

恐怖と狂気の世界をリアルに描いた30篇。

鬼警部×動物オタク＝動物満載奇天烈事件！捜査一課でならした鬼警部。事故後の復帰先は世にも不思議な部署だった……。

完全無欠の委員長、羽川翼。阿良々木暦の命の恩人である彼女はゴールデンウィーク初日、一匹の猫に、魅せられた―。

美しい、でも怖い。幻想・妖怪小説短編集　「音楽」「女」をキーワードにした美しき物語。

真田省吾、職業は探偵。養護施設で育ち、元警視庁の敏腕刑事に拾われ事務所に住み込みで働いていた。

スコットランドの孤島で撮影していたテレビ番組出演者とクルーがいっせいに消えた。

鍵はアルプスの氷河に100年前から眠るパイロットの遺体とその兜にあった。

「天皇の真実を公表する」と言い残して絶命した友人。歴史作家・望月真司は彼の消息を辿って中国・西安に飛んだ。

日本兵が陥った隘路とは?戦地の法則とは?つきつけられた選択とは?一兵士が抱く感情・判断・意志を、冷静な眼差しと丹念な描写で浮き彫りにする、体験記でも戦記でもない、古処誠二の戦争小説最新作。

不可思議に目がない商人・蜘蛛助と、その用心棒の武士・兵庫。

“君は、わたしを捜せないかね…?”あの日の囁きが予告であったかのように、突然学園から消えたヴィクトリカ。

晩春の夜更け、聖ミカエル病院に瀕死の女性が担ぎこまれた。

400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。

省エネをモットーとする折木奉太郎は“古典部”部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。

「わたしはこんな三角関係をぜったいに認めない」―穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。

1942年、ナチス・ドイツ占領下のポーランドで猟奇殺人が発生。

30歳の誕生日を挟んで、ふたつの大災難に見舞われた松村鳩子。婚約者に逃げられ、勤め先が破綻。

村が水害にあい、練習もままならない蜷谷高校・通称ニナ高の野球部。剛速球投手コーキも、日々その素質をくすぶらせていた。

「養父に身体を触られるのが、嫌で嫌でたまりません。

それは不思議な「誘拐事件」だった。

人気女性アナウンサーの誘拐事件が発生した。

凶悪事件が頻発する新宿・歌舞伎町の治安を守るため、歌舞伎町特別署が新設されて一年。

内藤新宿開宿以来の老舗磐栄屋が窮地に陥っていた。

婚約を母に報告するため、おそのを伴い故郷の諏訪へと旅立った重兵衛。道中、一人旅の腰元ふうの女と知り合う。

1935年、ドイツ。若く優秀な保安情報部員アルベルトは、党規に従い神を棄てた。

恨みが恨みを呼び、騒ぎが騒ぎを呼ぶ。天才将棋少年の父親、甲州浪人・武田新之丞は何かがクサい。

都内で奇妙な事件が頻発していた。ターゲットにされた者の衣服に、突然、真紅のしみが浮かび上がる。

数学テロリスト“黒い三角定規”の犯行はとどまるところを知らず、数学に関係したいろいろな怪事件が続く。

初めての一人旅。少し眠って目をあけると、列車は止まっていて、ぼくの前の空いていた席に、白いドレスの女が座っていた。

シャッターの下りた商店街。傍若無人な昔の同級生。

介護の仕事をしながらたった一人で生きてきた彩。ある日、がんを患う老人雄吉の介護をしてほしいと依頼があった。

神代エリカは、「正統な」吸血鬼の父を持つ女子大生。

大学病院にまた革命児が!外科研修医世良の任務はモナコから天才外科医天城を連れ帰ること。

「君に、内密に、やって貰いたい仕事があるんだよ」三上刑事部長から呼ばれ、いきなり言われた十津川は面くらった。

愛は死をのりこえる。悲しみの涙を流す少女、彼はその生を願い、そっと瞳に唇を寄せる…。

かつて甲子園を沸かした堂本圭次郎が老夫婦殺害の容疑で逮捕された。

最後に会ってから七年。ある事件がきっかけで疎遠になっていた幼馴染みの冴木。

山深き秋田で、足は悪いが誰よりも美しい箕を作る若者・弥平。初めての行商では一枚も売れず。

手の怪我から四カ月ほどして、徳川竜之助は柳生全九郎の死を知った。

大火で住み慣れた家を失った伊三次とお文。あれから十年、二人は新たに女の子を授かっていた。

少子化対策のため「抽選見合い結婚法」が施行されることになった。

火星への最初の探検隊は一人も帰還しなかった。火星人が探検隊を、彼らなりのやりかたでもてなしたからだ。

スカウトの仕事は、チームにいい選手を入れることだと思っちゃいねえか?シーズン途中の戦力外通告―。

すべては一通の手紙から始まった。 助けたヤクザ者から託された金と手紙。

上司との不倫に破れて自暴自棄になっていたあたしは、平安時代にタイムスリップ!女官・小袖として『源氏物語』を執筆中の香子さまの片腕として働き、平安の世を取材して歩くと、物語で描かれていた女たちや事件には意外な真相が隠されていた―。

母親の自殺未遂の理由が知りたい―青年の相談に、御手洗潔はそれが悪徳金融業者からの巨額の借金であることを突き止める。

焼き立てほやほやグルメ･ミステリ 平和そのものに見えた海辺の美しいB&B。

また浮浪者が殺された。上野駅周辺での3人目の被害者だった。

売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。その建物にはかつて虻原が所属していた劇団の主宰者が住んでいた。

結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。

昭和20年5月26日。戦局が悪化するなか、武者滋は死を覚悟して夜間戦闘機「月光」に乗り込んだ。

記憶を失った“僕”は、沖縄の密林で職業訓練所から脱走してきた昭光と出会う。

家族離散、雇用難民、偽装請負。追いつめられた僕は、死を覚悟した…その記憶を取り戻したギンジは壮絶な現実と対峙する。

「未来を知りたくないかい?」 6年生の夏休み前日、作家を夢見る風太は、未来を100円で売る「未来屋」猫柳さんに呼びとめられた。

1904年に発表されたチェスタトンのデビュー長編小説、初の文庫化。1984年、ロンドン。

パリの大富豪が謎の死を遂げ、二億フランもの遺産が残された。

第二次大戦末期。「届くはずのない」赤紙が、彼を北へと連れ去った―。

できることはもう何もない。戦場を走るほかには。

姉・郁子に続き、父も何者かに殺害され、一人残された妹の和美は、危険を冒して犯人を捜そうとする。

霧深い高速道路。若手の豪腕社長・山岡重治は仕事のため車を急がせていた。