片手の楽園: サクラダリセット5
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この巻は心の内側の物語。繊細な心理描写、心の距離。一気読みしました。それぞれが一歩踏み出す巻。もう一度読もうかな。いまのところ、シリーズの中で一番好きな巻です。もちろん今から次巻も読みます。 | ||||
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レビューを書くときには深く入りすぎない方が良い。だが僕はこの作品を純粋に楽しみすぎている。楽しみすぎると離れてものを見ることができない。 友人であることの意味を考える。 今の時代は何かと打算的だ。生産を生まない関係は作りたくないと人はいう。その人と面と向かって、その人と過ごす時間は無駄だから過ごしたくないという。 だが、そのことばは真実だろうか。きっと仲良くなろうとしすぎで、自分の中にある期待値よりも大きなものが得られないことに耐えられなくなっている。 つまり、自分が何を望んでいるのかをそもそも理解していない。 幸せとは、そばにいる人の笑顔を見ることだ。 もし、家に帰ったときになぜかうちにいた青い鳥が逃げてしまったというのならば、きっと家に帰ったその瞬間はまさに喜びを分かち合い笑いあえる瞬間であり、それが冷めてしまったときに、幸せはまた見失われてしまったのだ。 だって、周りにいる人を笑顔にするのが幸せというのなら、それは自分の感覚の外にあり、繋いでいた手を離れないようにするには、そこに強い意志がなくてはならない。 つまり、そこにはお互いの努力がなければならないのだ。そしてそれは、決して相手を無理やり笑顔にするような乱暴なものではなく、その人の気持ちを見て、その人の気持ちに寄添わなければならない。 何かが苦手であることを否定するのは、最もしてはいけない行為の一つだ。 人には得手不得手があって当たり前であって、それがないように振る舞うことを覚えると、やがてその人は大きな矛盾を抱えてしまう。 そんなことを強いるのは友人ではない。 その人が友人であるならば、その人は相手に対して、苦手なことがあったとしてもそれによりそうだろう。 そこに言葉がどれほど必要だろうか。 友人について条件づけしている視点で、その人はすでに孤独の海にいる。人が人を好きになるのは、もっと感覚的なことで、それでいて理論的なことなのだ。 だから理性と感情はいつか重ならざるを得ない。 あなたが人を好きになるのが感情であって理性ではないとしても、やがては感情が理性に対して強く働きかける。感情も理性に強く働きかける。それらはお互いに緊密な関係を持つようになり、理性は感情に支配され、感情は理性に強く働きかけられるようになる。 本来、人と共にいる選択肢を是としないのならばこの現象は発生しない。 つまり、恋だ。そして、愛だ。 本物の青い鳥は、その未来を信じない限り自分の元に留まり続けない。そこには意志がいる。未来を形作り、そこに実現させるためには、その人がその向こう側にいる誰かとつながれることを信じないといけない。 そういう意味で、全てが見えている菫は悲しい。ただ、彼女が彼女を見ている人を通してしか、自分の未来を見ることができない、そのことだけが救いとなっている。 もし自分自身の未来がみえているのだとすれば、人はどこまで自分の意思を持てるだろうか。 彼女を救うことができるのは、全てを知った上で未来をつかみ取ろうとする、そんな欲張りなケイだけだろう。 彼が間違えないのかどうかは知らない。 ただ、間違いなく、以前の話で思ったことがもう一度言える。 浅井ケイは、諦めない。 自分にとって大切なものが見つかったら、今度は二度とその手を離さない。 そんな彼が、好きだ。 | ||||
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どうして、こうまでもサクラダリセットの登場人物たちは純粋なのだろうか。 心の奥を互いに探り合うような、濃密なやりとりには胸を強く締め付けられる思いです。 今回ではまだ大きな動きはありませんが、咲良田の能力の本質についてまさに物語の根幹に触れる内容になっています。 | ||||
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人間に様々な能力が宿る街・咲良田で、浅井ケイは2年前に事故死した友人・相麻菫を再生した。彼女自身が仕組んだ出会いに導かれるように、様々な能力を重ね合わせて。そんな相麻菫には、まだ浅井ケイにも言えない望みがひとつあるらしい。 そんな彼女の思惑とは別に、浅井ケイにも実現したい未来がある。それは、再生した相麻菫を普通の女の子に戻すこと。つまり、咲良田の外に出し、能力に関する全てを忘れさせ、両親との暮らしを取り戻させることだ。その実現性を問うために、ケイは夢の世界で実験をすることにする。 夢の世界とは、片桐穂乃歌という目覚めない女性が作り上げた、どんな願いも簡単に叶う世界。でもただひとつ、願いを叶える神様自身の本当の願いは、絶対に叶わない。そして、それを叶えてあげようという人は、夢の世界にはいない。 一方、夢の世界に入った浅井ケイ、春埼美空、野ノ尾盛夏は、過去に失ったもの、あるいは失わせたものをそこに見つける。しかしそれは夢の中で叶ったとしても、現実に戻る彼らには何の意味もないものだ。 理想を言うならば、現実の世界で夢を実現するのがよい。だが、やり直しのできない現実に打ち負かされた者はどこへ行けば良いのか。ひとつの結論が夢の世界だ。 しかしここに、別の結論を求めようとする者たちがいる。彼らは何を望み、何を成そうというのか。ここから始まるのは、そういう物語なのだろうと思う。 | ||||
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「サクラダリセット」の第5弾であり、3巻は過去談、4巻は短編集 と続いたため、3〜4巻で肉付けをした上での新章突入です。 今回は、ケイと春埼、野ノ尾の3人が、9年間眠り続けている女性が 夢の中に構築している、もう一つの咲良田を訪れるという話なのですが、 この作品にしては登場人物が多く、今まで表立っては登場しなかった 管理局のメンバーも複数登場します。 「サクラダリセット」と言うと、ケイが自分の能力(記憶力)と春埼の リセットを駆使することで、自らストーリーを作り、諸問題を 解決していくのが今までのスタイルでしたが、未来が見える相麻の 行動により、各々の役回りも変わってきます。 そして、相麻の登場により、ケイと春埼の関係にも変化が訪れます。 (特に春埼の変化は、丁寧に描かれていました。) ライトノベルというジャンルでありながら、哲学的な要素も 含む(メーテルリンクの「青い鳥」が用いられています)ため、 疲れている時に読む本としては向かないかもしれませんが、 本作ファンの皆様には、ぜひ新章を味わっていただきたいです。 | ||||
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