少年と少女と: サクラダリセット6
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とても良かった | ||||
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たぶん、7巻が最終巻である以上、ここまでがお膳立てであると考えるべきなのだろう。 7巻の話だけでもおそらくお話としては成立するが、それは結婚するまでの過程を全てすっ飛ばして結婚式に望むようなものであって、でもたぶん映画の実写版ではそういうことをしちゃったのではないかという推測が成り立つ。 残念なことだ。それぞれの能力がいかなる欠如から生まれるのか、そのことに対する思いを巡らすことが、この作品の醍醐味である。 人が何か能力を持つ時、この世界においてはその人の希望がその先にあることが前提となる。 その能力そのものはその人をその希望する先に導きはしないが、その能力はその人の、そしてその人に関わる人すべての希望につながっている。 それ故に、さじ加減を間違えるとそれはその人をたやすく絶望にも導く。 野球でホームランを打ったとしても、必ず勝てるわけではない。ピッチャーが七回を完璧に抑えても絶対に勝てるわけじゃない。そういうことともどこか似ている。 つまり、能力は付録みたいなものであって、結局その結末に導くのはみんなの思いの方なのだ。 そんな、当たり前のこと。 菫の目には、人を通してしか自分の未来が見えないから、結局最後のところでの自分の未来を見ることができない。 これは実は、この物語で唯一の救いの点であると思う。 なぜ初代の魔女が幸せになれなかったかというと、結局のところ、自分の未来が見えていたからである。 人がこれから自分に起こることを全て見通してしまうとしたら、それを繰り返すことはただ色あせた日常を繰り返されるのとなんら変わらない。一度終わらせたテキストゲーを終わらせた直後に何度も通して読み返すことを考えて欲しい。そんなのは苦痛でしかない。 故に初代魔女の人生は、サクラダから離れることでしか輪廻の輪から逃れることができなかった。 だが、菫は違う。自分の人生が人を通してしか見られないのならば、その人生を知っている人間ならば、彼女の見ていないものを書き換えることによってその人災すら変えることができる。 つまり、彼女の救いは浅井ケイにしかない。 残酷な帰結だ。自分のことを一番には決して見ることができない少年が、自分にとっての唯一の救い。だが、初代のように逃れることにしか選択肢を見出せないよりはははるかにマシだ。 さて、答え合わせはもうすぐだ。彼がやることはわかっているが、彼がそれをどのようにやるのか、その種明かしはこれからだ。 これだけ物語の目的がわかっていて楽しめる作品も珍しい。数学的設計の素晴らしさをラノベに初めて持ち込んだと言っても過言ではないこの作品、やっぱりラノベというよりライトSFと呼ぶべきなのだと思う。 出口のある夢は、やはりこれくらいの読み応えがあって欲しい。 僕はこの作品が好きだ。作者にありがとうと言いたい。 | ||||
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実質六巻と七巻での上下巻構成になっていて、その上巻にあたります。 浦地、相麻など登場人物それぞれの思惑や謎が次々と明らかになっていきます。 ひとりひとりの思いが複雑に絡み合った、サクラダリセットの世界観に圧倒されました。 なにが、正しいのか、そればっかりは人それぞれだと思いますし、ついに自分には断定することは出来ませんでしたが 春埼やケイの繋がりが失われてしまうことを考えると、どうしてもケイを応援したくなりました。 七巻が非常に楽しみです。 | ||||
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様々な能力者が集う街、咲良田。 今回はその最大の特徴である能力に関して是非を問う会話が随所に盛り込まれている。 ――つまり『能力を持つことは善か?それとも悪か?』 という咲良田の根本に関わる問題。 道徳的、人道的価値観などによる様々な意見は、咲良田の始まりと言える四十年前から行われていた。 能力など忘れて今を平和に生きるか?世界の為に能力を使い、自分たちの人生を犠牲にするか? メリットとデメリットを天秤にかけて考えた結果が現代の咲良田に至る。 しかし、管理局対策室室長の浦地は能力の存在を嫌悪する人間。 彼はあらゆる能力を消滅させる計画を企てていた。 咲良田の歴史を揺るがす行いは果たして善か?悪か? 様々な人物から描かれる思想を、浅井ケイと一緒に理解を深めてもらえれば良いのかなと思います。 | ||||
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「サクラダリセット」の第6弾であり、1〜5巻で徐々に 積み上げられた咲良田ワールドの集大成でもあります。 表紙絵の春埼の笑顔がとても印象的ですが、1章ではケイと春埼の 関係に、やっと変化が訪れます。(智樹、ナイスアシスト!) その後は、頻繁に語り部と時代を変え、ストーリーが進行していきます。 管理局対策室室長でありながら能力を否定する浦地の出生と真の目的。 二年前に自ら死を選択した相麻菫のその悲しすぎる理由。。。 1巻からの伏線が回収され、回収だけでなく新たな伏線を張る という技法には、毎度のことながら圧倒されます。 自分の”目指すべき姿”を見付けたケイが、どのように動くのか。 今作では使用されなかったリセットのタイミングを含め、 来春に刊行予定のシリーズ完結巻が楽しみです! | ||||
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