謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき―百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸太夫が詠んだ歌に秘められた謎。

失踪した恋人―瀬木良介を追って台湾へわたった高嶋聖子。

「ヨシツネに殺される」謎の言葉を残し森川義行が失踪した。彼は佐倉財閥令嬢の婚約者。

「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。

大化改新の立役者天智天皇は、弟天武天皇によって暗殺された!壬申の乱後、正当に皇位を継いだ天武―それが歴史の定説である。

明とミユキは大学生。何の因果か心中をしかけたが、意識を失っただけで気づいてみると、江戸・綱吉の治世にタイムスリップ。

国文学者・折口信夫の元に一通の書簡が届いた。

営々と築き上げてきた「大坂和平の道」はついに崩れ去ろうとしていた…。執念深い秀忠、愚かな淀君、抗いがたい時代の奔流。

大正十年三月。芥川龍之介は、大阪毎日新聞の海外視察員として上海にいた。

天下統一を目前にした織田信長にとって、最大にして最後の敵は一向宗の総本山石山本願寺であった。

平将門が護持していた三種の神宝を現世で狙うものたちがいる。

江戸川乱歩は執筆に行き詰まったあげく、通りかかった異人ホテルに身を隠す。

前作『六の宮の姫君』で着手した卒業論文を書き上げ、巣立ちの時を迎えたヒロインは、出版社の編集者として社会人生活のスタートを切る。

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。

大石の真意は仇討ちにあらず―綱吉批判が水面下に蟠る元禄15年。多くの矛盾を孕みつつ何ゆえに大石は決起に踏切ったのか。

奇々怪々な難事件を卓抜な推理力で解く織田信長、推理も兵法の理を基本とする宮本武蔵、書斎派の探偵芥川龍之介、歴史・宗教・美術に詳しい南条圭、自称美術品のトレジャー・ハンター永源寺峻、夢の中で死霊の声を聞く超能力の持ち主司門貘、快刀乱麻の名推理を開陳し歴史上の

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

奥州衣川で非業の死を遂げた源義経。モンゴル帝国を築いたジンギスカン。

「かりに予が将軍となれば、あくまで予は予の姿勢を貫き通すであろうぞ。

不動産業で財を成した大沢円次郎の長女良江は、夫・英夫との第二のハネムーンで何者かに殺害された。

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。

時を超えて甦る伝承と封じられた怨念――民俗学ミステリー開幕! 民俗学者・蓮丈那智のもとに、教え子の男子学生から届いた一本のビデオ。

カリフォルニア州の軍事研究施設から、爆発とともに謎の物質が流出した。

出羽三山の一つ、湯殿山麓の映画ロケ現場から素性の知れないミイラが発見された。

長唄家元の安東家邸内で女弟子が殺された。芸事に生きる親子、妾、師弟の憎悪渦巻く旧家。

「ヒミコは殺された」という謎めいた言葉をのこして古代史研究家が密室で殺害された。

広重は幕府に暗殺された?若い浮世絵学者津田良平が“天童広重”発見をもとに立てた説は、ある画商を通して世に出た。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。

親王誕生の祝宴に影を差す、盗賊と呪符の謎。

明晰な頭脳にものをいわせ、巧みに法の網の目をくぐる。ありとあらゆる手口で完全犯罪を繰り返す“天才的知能犯”鶴岡七郎。

京都、本廟寺。親鸞聖人直系で厖大な信徒数をほこるこの名刹で、時期教王の座をめぐる骨肉の争いがおこっていた。

士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。

帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。

秋去姫、朝顔姫、梶葉姫…、七つの異称を持った七夕伝説の織女。

百人一首カルタのコレクターとして有名な、会社社長・真榊大陸が自宅で惨殺された。一枚の札を握りしめて…。

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。

カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。

新進の考古学者・高須通子は、石造物の調査のために訪れた奈良で、殺傷事件に巻きこまれた海津信六を助ける。

時を重ねて変わらぬ本への想い……《私》は作家の創作の謎を探り行く――。

青山墓地で発生した幼女惨殺事件。その被告人は、独房で奇妙な独白を始めた。

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。

キトラ古墳の謎、北京の陰謀。1300年の時空を超えた考古学ミステリー 奈良天川村-トルファン-瀬戸内海大三島。

まほりとは?蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習とは?前代未聞の野心作 大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。

遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。

奇矯異様な振舞いで、息苦しき世を颯爽と、たとえ関白相手でも、譲れぬ美意識に命を賭ける。生来反骨、打算は不得手なこの性分。

見合い話に苛立ち、後輩の若さがふと眩しい美也子の淡々とした日々に鳴り響く謎の電話。そして一年が過ぎて…「恋愛小説」。

第５７回江戸川乱歩賞受賞作　　　　　　　呪いで人が殺せるか。

眉目秀麗、頭脳明晰、白面の貴公子。輝かしい形容に彩られた名探偵、神津恭介。

“今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし”紅霊教教祖の孫娘は、湯槽の中で血まみれとなって殺され、予言は的中する。