「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竃は、群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として孤高の青春を送っていた。

とある事情から逃亡者となった“ぼく”こと巣篭カナは、逃げ込んだダストシュートの中で全裸の美少女・白雪を発見する。

あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した…あたしはもうだめ。ぜんぜんだめ。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。

美しい娼婦の四姉妹が遺したもの

あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。呪いのように。

部屋に麻薬のカケラを残し失踪した加奈子。その行方を追う、元刑事で父親の藤島。

優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。

中国の山奥からきた吸血種族バンブーは人間そっくりだが若い姿のまま歳を取らない。

鎌倉で小説家の父と暮らす少女・荒野。「好き」ってどういうことか、まだよくわからない。

謎と浪漫の読書俱楽部に貴方もいかが? 東京、山の手に広々とした敷地を誇る名門女学校「聖マリアナ学園」。

一人の男を巡る妻と愛人の執念の争いを描いたブラックな話から、読書クラブに在籍する高校生の悩みを描いた日常ミステリー、大学生の恋愛のはじまりと終わりを描いた青春小説、山の上ホテルを舞台にした伝奇小説、酔いつぶれた三十路の女の人生をめぐる話、少年のひと夏の冒険

2021年2月、7年ぶりに声を聞く母からの電話で父の危篤を知らされた小説家の「わたし」は、最期を看取るために、コロナ禍下の鳥取に帰省する。

本の街・神保町を舞台にした極上サスペンス 四十過ぎの翻訳家・吉野解は、かつて自分が下宿していた古本屋の二階で謎の美女、白井沙漠と出会う。

東海道を西へ西へ、山を分け入った先の寂しい土地、鳥取県赤珠村。

前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュール。

NYに到着後、一弥の姉・瑠璃の家に身を寄せたヴィクトリカと一弥。

偉大なるスター、キング・オブ・ポップが51歳で急逝した。

なぜ、吉原一の花魁葛城は、忽然と姿を消したのか？　遣手、幇間、女衒ーー人々の口から語られる廓の表と裏。

誰も“透明な存在”になんかさせない。“幸せそうな若い女”を狙って刺され、ＳＮＳから消えた優里亜。

西暦1627年、ドイツ―魔女狩りの苛烈な嵐が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは“アンチ・キリスト”に出会った…。

等身大の女性を描く、第126回直木賞受賞作。

目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。

「帰りたい」と少年は強く願った。「一緒に」と少女は強く思った。

中1の奈緒がピアノを教わっている絹子先生の元に、フランスからサティのおじさんがやってきた。

新天地ニューヨーク。一弥は新聞社で働きヴィクトリカは探偵事務所を構えた。

死んだ男を囲む二人の女を描いた「このたびはとんだことで」、奇妙な青春譚「モコ&猫」など作品世界が鮮やかに広がる六つの小説集。

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

夏の終わり、山間に位置する聖マルグリット学園を少し早い秋の訪れを感じさせる、涼しい風が吹き抜ける。

自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。

少女は白いドレスを着て、緑の絨毯の上で待っていた。草いきれすらも、心地よい。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

少年は、迷いの中にあった。一度は、救い出すことができた。

タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。

平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。

新大陸に到着した早々、難事件を次々解決したヴィクトリカと一弥。開業したグレイウルフ探偵社には早速、依頼人が殺到。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。

かわいいかわいい由美子ちゃんセンセ。こどもみたいな、ばかな大人。

遠い海を越え、ついに辿り着いた新大陸で巻き込まれたのは、新世界の成功を象徴する高層タワーで起きた爆破事件! そのとき、タワー最上階のヴィクトリカと、地下の一弥は――! ?大人気ミステリ新シリーズ、第二弾!

クリスマス直前の気分に華やぐ聖マルグリット学園。だが、外の世界では「2度目の嵐」が迫りつつあった。

1958年の夏。

伏―人であって人でなく、犬の血

クリスマス当日、ヴィクトリカが所望したのは、15個の謎―必死で謎を集める一弥は、村に起こりつつある異変に気づく。

これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。

聖なるその日、雪の午後に明かされるそれぞれの「秘密」--警部グレヴィールのせつない初恋、ヴィクトリカの“ライバル”アブリルに向ける思い……名コンビ最後の平和な日々と来るべき嵐の予感を描く連作集。

西欧の小国ソヴュール、聖マルグリット学園に東洋からの留学生がやってきた。

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。

デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。