性欲絶倫の豪商・西門慶は絶世の美女、潘金蓮を始めとする8人の妻妾を侍らせ、酒池肉林の日々を送っていた。

ある午後、アパート「人間荘」に引っ越してきた私は、押し入れの奥から１冊の厚いノートを見つけた。

晩春の夜更け、聖ミカエル病院に瀕死の女性が担ぎこまれた。

文明開化の明治新世相のなかで、次々と起きる謎の奇怪な事件。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

日本探偵作家クラブ賞受賞作!人間心理の綾を鋭くついた本格ミステリー集。

ある午後、アパート「人間荘」に引っ越してきた私は、押し入れの奥から１冊の厚いノートを見つけた。

400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。

大坂城を攻め滅ぼし、天下を手にしたはずの家康を驚愕させる情報がもたらされた。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

天正18年、時は秀吉が北条を呑み込もうとしていた時代、混乱の世などどこ吹く風の戦場荒らしの風来坊、7人の香具師がいた。

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

あらゆる揺れるものに悪寒を催す"ブランコ恐怖症"である八郎。その強迫観念の裏にはある戦慄の事実が隠されていた……。

明治の王政復古とともに復活した役所、弾正台。

東京を騒がせる怪事件の影で、知略によって警視庁を出し抜いてきた元江戸南町奉行の一派。

娼館のマダムがバラバラ死体で発見された。

時は寛永9年。三代家光の治世である。

一風変わった家がある。戸口が見当たらず、あるのは格子の嵌った窓ばかりで無用の者の侵入を嫌っている。

なぜ、それが“物語・歴史”だったのだろうか―。

殿中での吉良への刃傷沙汰により、浅野家は断絶され、赤穂浪士は仇討の機を窺う。

ミステリーに殉じた作家を敬愛する4人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。

囚人だって人間だ―と言う原胤昭の言葉が心にかかった四郎助は、いつしか囚人たちが引き起こす事件の内に、彼らの仁義や数奇な人生を見出すようになっていた。

島原の乱に敗れ、幕府への復讐を誓う天草側の軍師、森宗意軒は死者再生の秘術「魔界転生」を編み出した。

黒死館の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。

時は明治末期。政府重鎮の妻君・但馬夕とその家の書生・御萩慎之介との情死事件は起きた。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。

二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。

玩具会社部長の馬割朋浩は、降ってきた隕石に当たり命を落とす。

村の名士アクロイド氏が短刀で刺殺されるという事件がもちあがった。そのまえにさる婦人が睡眠薬を飲みすぎて死んでいる。

戦国擾乱の世。主君筋の御台、右京太夫に邪恋を抱いた梟雄・松永弾正は、幻術師・果心居士配下の根来鴉天狗に美女狩りを命じる。

会津大名、加藤明成は淫虐の魔王ともいうべき暗君だった。

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。

電車火災事故と人気作家の妹の焼身自殺。二つの事件を繋ぐ驚愕の秘密とは。

埼玉県と長野県の境近く、かつては個人の別荘であった寮「リラ荘」を、日本芸術大学の学生七名が訪れた。

天下に向けて歩を進めていた武田軍団が突如として兵を引いた。

吉敷竹史の元妻・加納通子は、「首なし男」に追われる幻影に悩まされていた。

ふと知り合った脚本家志望の娘がピーターのアパートメントで首を吊っていた。

安房里見家に代々伝わる家宝がスリかえられた!“忠孝悌仁義礼智信”の伏姫の珠に代わって残されたのは“淫戯乱盗狂惑悦弄”の偽珠。

その冷やかな微笑としなやかな身のこなしで世界的ファッションモデルとして活躍中の美織レイ子が自宅マンションで死体となって発見された。

奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。

「戦禍の凄惨、人間の悲喜劇 山風ミステリはこんなに凄い! 」 ――阿津川辰海氏、脱帽 戦艦で、孤島で、焼け跡で、聖と俗が交錯する。

愛する人のために殺人を犯した彼は、唯一の目撃者である公金横領犯と、たがいの利益をかけて、ひそかにある契約を結んだ。

「どんなきっかけで時代錯誤な忍術物語を書きはじめたのか、じぶんでも忘れてしまったが、いまくびをひねって思い出してみると、どうやら「水滸伝」を私流に書いてみないかとすすめられたことが端緒となったような気がする」(「『今昔物語集』の忍者」より)。

はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。

将軍と呼ばれる老亡命者が殺された。将軍は英国情報部の工作員だった。

あの「灰色熊」のような男になりたい。香坂正次は胸に野心を秘め、海外進出日本企業の非合法活動を担うその男に近づいて行った。

御手洗潔が日本を去って1年半。

箱根、富士屋ホテルに飾られていた一枚の写真。そこには1919年夏に突如芦ノ湖に現れた帝政ロシアの軍艦が写っていた。

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

船戸与一最高傑作堂々復刊 冒険小説の第一人者、船戸与一最高傑作『山猫の夏』が、この夏堂々復刊。

民族の悲願、独立国家の樹立を求めて暗躍する中東の少数民族クルド。

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。