クラスでは目立たない存在の結佳。

今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

受験を控えた私の元にやってきた家庭教師の「先生」。授業は週に2回。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

極端に臆病な幼い有里の初恋の相手は、文房具屋で買った銀のステッキだった。

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。

普通の高校生だった「ぼく」、須玉明が得た力は、この世に留まる霊の姿が視えるというものだった。

太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか―。

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

第153回芥川賞受賞作 「早う死にたか」 毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、 ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。

どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の最新短篇&エッセイ 「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」で、 現実こそが正しいのだと、強く信じている永岡。

昭和36年。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。

映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。

「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。

このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。

北海道。寂れてしまった炭鉱町。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

とある街の、とある喫茶店の とある座席には不思議な都市伝説があった その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

読み終えた後、目の前の世界が変わる。芥川賞作家が書き続けてきた日常と想像のあれこれ。

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた、「わたし」の姉でありホステスの巻子。

大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。

愛する人を想う気持ちが生み出した、不器用でやさしい4つの「嘘」。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。

埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。

錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者(アンドロギュノス)、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光……。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

伝えなきゃいけない想いと、 どうしても聞きたい言葉がある。

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。