ミステリーマニアの組織の例会が、会長の経営するホテルで開かれた。

自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。

1970年の夏、海辺の街に帰省した〈僕〉は、友人の〈鼠〉とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。

“たぬき”の異名をもつ悪徳不動産会社社長の家が放火され、近くの電柱には「たぬきに天ちゅう」と書かれた貼り紙があった。

警視庁捜査一課の迷惑男・大貫警部がもたらした驚くべき連続殺人事件の情報。

男4人にヴォーカルの女の子1人を加えたグループサウンズ「ザ・ダックスフント」。

高校生の朝枝正吉はツーリングに出かけたまま行方不明となった。

前橋病院の一人娘で清純な心を持つ香保里が、人生の落伍者である青年に誘拐され、家族は身代金を求められる。

消息を絶った高校の同級生・藤代瑛子を探す三尾健治は、銀座のバーのマダムを訪ねるが、マダムは何者かに殺されていた。

北海道のさいはて、オホーツク海を見下ろす崖の上に、斜めに傾けて建てられた奇妙な西洋館があった。

大手印刷会社の秘書課に勤めるリツ子は、異母姉の麻生が雑誌のグラビア撮影で沖縄に行ったまま帰ってこないことが気になっていた。

峯岡正吾は37歳になる名門私立高校の教師。

成田発ニューヨーク行の旅客機が、飛行中に突然炎上した。二カ月後、次々と殺人事件が起こる。

密室で殺された画家が遺した奇怪な遺言状。その内容通りに起こった若い女性の連続殺人…。

赤い国(ソビエト)の最新鋭原潜“赤い鯱”を拿捕せよ。報酬は5千億円…。

戦後の日本を牛耳ってきた男・槐島佐吉が自らの死で贖わざるを得なかった赤い国との密約とは?戦慄すべき密約の正体を知る男の救出を時宗首相から頼まれた仙石らは択捉へ…。

政界の黒幕として君臨した槐島佐吉。彼は密かに小樽からレポ船に乗り、赤い国首脳と接触する。

取材で訪ねた秘境・鬼家荘（くがのしょう）。

下町のおもちゃ工場で働く晋一は耳の不自由な青年だった。ある日、心臓病で寝たきりの母が怪死する。

事業に失敗して精神病院に逃げこんだ男が退院してみると、妻はいきいきと働いていた。巨額の借金も返済したという。

年収なんと2億5千万円の人気少女マンガ家が殺された。

列車の隣席に坐った女は、奈緒子がマダムをする店のマッチを手にしていた。

銀行員の津村豊和は雑誌の懸賞小説に応募、幸運にも新人賞に入選した。

テレビのシナリオライターである勝彦は深夜、仕事場のマンションで愛人の圭子と激しい情事に溺れていた。

「黒ビルグループ」という一大企業王国の総帥黒河内慎平は、些細な口論から、かねて不仲であった息子にマンションの10階からつき落された。

時代の移り変りに関係なく多くの人に読み継がれていく名作ミステリー短編を読者に贈り続ける名匠14人の豪華アンソロジー、超廉価版！ <収録作家>陳舜臣・小林久三・佐野洋・山村美紗・小泉喜美子・鮎川哲也・麗羅・草野唯雄・森村誠一・菊村到・海渡英祐

第3回（1967年） 谷崎潤一郎賞受賞

ブラジルへ渡航寸前、ふとした口論から1人の男を刺殺してしまった混血児・岡田サチオ。