風の七人
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山田正紀先生十八番の秘境冒険活劇を時代伝奇小説として描いてみたらこうなった……!? 時代伝奇小説といっても、舞台は日本ではございません。天下分け目の関ヶ原の合戦から後、徳川幕府の支配体制が固まりつつある大坂合戦の前夜、太平の世に居場所をなくして男たち(+女一人)は狭い日本を飛び出し、新天地を求めて柬埔寨(カンボジア)へ。五十人対七人!という惹句ですが、中盤で牢屋代わりの小屋を破壊した時に宿直は全滅しただろうし、柬埔寨七本槍に粛清された牢人は五人いるしで、何だか計算が合わないような。 難攻不落の要塞を少人数(七人)で攻略しなくてはならないという不可能ミッション物なのですが、本作の場合、不可能ミッションにチャレンジする主人公チームの顔ぶれがひどい。裏切り陣内はその通称のごとく「裏切りにはトロトロとひとの心を蕩す魔力のようなものがござってな。一度、その味をおぼえてしまうと、二度、三度と裏切りを重ねとうなる」とおのれの心の赴くまま、水がさらさらと流れるように裏切ってしまうし、ヒロイン枠のさらは女の意地で衝動的に仲間を密告してしまう始末で、仲間同士でもまるで信用ができないんだから。ところで「まずは軍師がひとり、かの地の事情にくわしいのがひとり、槍働きが三人、忍びが二人」という編成でメンバーを集めたはずでしたが、裏切り陣内は自分でもよく分からないまま何となく裏切っちゃうし、群青と緑青の双子剣士の出番は実質的に柬埔寨七本槍と刺し違えただけで終わってしまっただけだし、さらも現地の案内役としてはほとんど役立っていないような……? そんな彼らが戦うことになるのはクメル王国に雇われ、国境の砦を守る日本牢人軍団。クメル王国に雇われたか、暹羅国(タイ)に雇われたかの違いだけで、日本国内に居場所をなくし、新天地を海外に求めたという行動原理は主人公サイドと同じもの。そのことで単純な勧善懲悪ではない深みが物語に加わっているのであります。 スケールを大きくしようと思えばいくらでも大きくして引き延ばせる題材ながら、三百ページ未満のボリュームですっきりコンパクトにまとまっているのが、本書の長所でもあり短所でもあり。メインキャラクターであるきりの才蔵(霧隠才蔵)、ましらの佐助(猿飛佐助)、七宝(果心居士)の他、宮本武蔵や山田長政がゲスト的にちらっと登場しているのもとても楽しい。 主人公チームが一人、また一人と退場していき、寂しいながらも爽快感があるラストシーンが素晴らしい。快作。 | ||||
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戦国の終わりにカンボジアへそれぞれの理由を抱えて戦いに行く七人の人間模様。 SFやミステリ作家のイメージが元々強い、というかSF作家として好きだった山田正紀氏の時代伝奇物。 人を見るのが好きな忍び。 己の死と引き換えにするなら大抵の事は成し遂げると言い切る忍び。 苦界集の楽園を夢見る忍びの達人にして軍師。 自分に正直でつい裏切ってしまう浪人。 自分は誰のものでもなく自分自身のものだと自覚している少女。 二人で一人として闘う双子。 本当に風のように舞うが如く話は進んでいく。 何度読み返しても彼らが散っていくシーンやラストで泣いてしまう。 それほど感情移入してしまいます。 | ||||
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時は戦国の世も終わりに近づいた大坂の陣前夜、食い詰めた武士や浪人たちが海を渡りカンボジアで一大勢力を築き財宝を貯めこんでいるという。それを奪い軍資金とするため、真田幸村の密命でカンボジアへ向かう忍者や妖僧、剣使い、謎の美女ら一癖も二癖もある一行七人。それぞれの思いを胸に秘めながら、五十人対七人の死闘の幕が切って落とされた。SFやミステリで健筆をふるう著者の、初めての長編時代伝奇モノだそうです。初めてとはいえそこは山田正紀、アクションあり恋愛模様ありとサービス精神あふれた盛りだくさんの内容をソツなくスッキリとまとめ上げています。欲を言えば、敵役のカンボジアの大将である天竜についてあまり筆を割かれていないにもかかわらず、とても鮮やかにその人物像が目の前に浮かんでくるのに比べて、主役の七人はそれなりに紹介されているのに、いまひとつ精彩に欠けています。もっともっと主役の七人についての書き込みがほしかった。 | ||||
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これは、霧隠才蔵が、猿飛佐助や果心居士といっしょにカンボジアに渡って、公界衆の国を作るために戦うという、なかなかすごい話です。「火神を盗め」あたりから続く、山田さん独特のユーモラスな人物造形と、乾いたロマンティシズムが光る冒険物で、好きな作品の一つです。 | ||||
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