「みんな―みんな殺してやるから!大人なんて、死ねばいいのよ」アル中の父親に殴られるのが嫌で、夜中の山道を酒屋へ向かう少女は、ミルクのような白い雨に降られてずぶ濡れになった。

「もしもし、おい、どうした？」突然切れた電話に不審を抱いた、海洋開発実験中の片桐主任は、水深４０メートルの密室“海底の家（マリーン・ハウス）”に潜行した。

落合義夫、２４歳。

二つの事件の間を飛び交う「鴉」の意味とは？千草検事の推理が冴える傑作長編。

星沢夏美。17歳。

「α」の護衛役を“イルカ軍団”に依頼した一柳は、イルカを操る美女、知子と淡い恋におちる。

「わたしと寝ない?」少女が突然、声をかけてきた。噂に聞く援助交際だ。

山形県米沢の旧家蘇芳家の当主カナが二度殺された。喜寿の祝いの夜、犯人はカナを絞殺し、翌朝、さらに鴨居から吊ったのだ。

双眼鏡で覗きをしていた男が、豪華マンションの浴室で顔の皮をはがされた若い女の死体を発見!だが、割り出された死亡推定時刻に彼女は、「はやぶさ」に乗っていた。

山陰地方を走る6つのローカル線と大阪駅に、流れ着いた女性のバラバラ死体!なぜか首はついに発見されなかった。

大学を卒業後慌しく縁談が調い、智美は十歳ちがいの会社経営者神保公司と結婚したが、穏かな新生活は半年も続かなかった。

身の安全と出世を願う男の生活にさす暗い影。絶対に知られてはならない女関係。

華やかなファッション・モデルばかりなぜ殺される?水路で発見された絞殺死体に、ステージ上で毒殺された金髪女性。

声の在所には銃口が待っていた。閃くオレンジ色の炎が立ちふさがり、何かがガチャッといって彼を捉えた。

小柄で、よく締まったスポーティな体つきの宮川佐知子は25歳のOL。

遺産目当てに三十歳も年上の会社重役と結婚した沢田伊佐子。

ロサンジェルスで上流階級の女相手のセックス・パートナーとして定職ももたず気ままな生活をしていた弦間康夫は、日本へ帰る飛行機の中で、若い女性と出会った。

いんちき宗教・天光霊会の女教祖・良乃が焼死した。犯人は夫の喜助だった。

選挙に出馬する義弟の不透明な資金三千万円を持ち逃げした木谷省吾。

ラブホテルで盗聴したテープを心ときめかせて聞いた雑誌編集者の宮脇平助は、それが死の演奏への序曲だと知った。