H殺人事件
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文化人類学の研究生不破太平と、彼の友人でなにかと落ち込みやすい朱雀秀介が“躁鬱コンビ”である。 “躁”の不破が走り回って情報を集め、“鬱”の朱雀が話を聞いて意見を述べるといった流れで真相を掴む。 表紙画では鼻の形と、『ルパン三世』の一作目と二作目のようなジャケットの色違いの他は区別がつかないが、朱雀はかなりの美形で女性にちやほやされるキャラ。(なのに本人は女が苦手) なにかと落ち込みやすい二枚目だが、社会生活には困っておらず、鬱というほどのことはない。なにせ二十代半ばで輸入玩具販売会社を経営している。 不破だって、スーパーポジティブ思考ではあるが、躁というほどではない。 むしろこのキャラ付けは、TVの安い推理ドラマなどでツッコまれる設定への理由づけだろう。 ①素人がなんでバリバリ聞き込み捜査できるんだよ。しばらくアタリがなければすぐにやめるだろ。 しかも質問の理由づけが異常に長けてるし。 ⇒スーパーポジティブだから。その場しのぎのでたらめトークがなぜか上手い。⇒不破太平 ②探偵は謎解きが閃いたらなんで隠すんだよ。 ⇒外れるとすごく落ち込むから。⇒朱雀秀介 ついでに ③警察の捜査主任はなんで素人の出しゃばりに甘いんだよ。 ⇒人柄がつかめない。有能そうに見えることもあれば妙に軽いところもある。⇒大野木警部(補) 不破太平は将来大成する才能をしこたま持っている。本職であるはずの学級活動は一切出てこないが・・・。 ちなみに大野木警部は、幻想探偵社シリーズにも登場している。 物語自体はなんのつながりもないので、作者のちょっとしたお遊びであろうが、つまりは日本人そっくりの半裸の宇宙人プリンセスが出てくるトンデモSFと地続きの世界ということだ。 これができるということは、著者は自作品にのめり込むことなく、醒めた創作をしているということだろう。そもそもそうでなければ、優れたユーモア小説なんて書けないか・・・。 そもそもと言えば、本シリーズの題名に共通するアルファベットだって、この9か月前に出版された『ABO殺人事件』からの繋がりを感じるし、もっと言えば、本作のトリックはあきらかにその幻想探偵社シリーズからの連想だ。 しかし“躁鬱探偵コンビの事件簿”という副題は、実態にあわない。 第一、躁鬱と繋げるとそれでひとつの病名になってしまう。この中途半端でそぐわない題名は、出版社がつけたのではないだろうか。 | ||||
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男二人に女ひとりという、作者お得意の主人公たちの活躍するライトミステリー作品群の中では、最も充実しているシリーズの記念すべき第一作である。殺人の舞台は風俗業界だが、今作は殺人事件そのものよりメインキャラ三人のひととなりを描くことに主眼が置かれているように思われる。トリックらしいトリックもなく、鍵は動機の謎を解くだけなのだが、二作目以降に比べれば突っ込みどころはむしろ少ない。夢枕獏の文体模倣など、お遊びが度を過ぎている箇所があるのが瑕疵。最初の被害者の人間像の説明も、分かったような分からないような印象である。 | ||||
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