(アンソロジー)

日本傑作推理12選(第2集)



※タグの編集はログイン後行えます

【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

8.00pt (10max) / 1件

8.00pt (10max) / 1件

Amazon平均点

0.00pt ( 5max) / 0件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
1pt
サイト内ランク []-総合:1164位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

0.00pt

86.00pt

16.00pt

0.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)1977年09月
分類

アンソロジー

閲覧回数800回
お気に入りにされた回数0
読書済みに登録された回数1

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

日本傑作推理12選〈第2集〉 (1977年) (カッパ・ブックス)

1977年09月01日 日本傑作推理12選〈第2集〉 (1977年) (カッパ・ブックス)

※あらすじは登録されていません



書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

日本傑作推理12選(第2集)の総合評価:8.00/10点レビュー 1件。-ランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (24件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

平成最後の年に読んだ昭和作家の極上アンソロジーは何とも濃厚

クイーンによる日本人推理作家の名編を集めて作られたアンソロジー第2弾。前作を存分に堪能した私にとってこの第2集への期待も否が応にも高まるものだ。

さてまず口火を切るのは昭和を代表する巨匠、松本清張氏の「駆ける男」だ。
ホテル専門のしがない窃盗犯と年の離れた社長夫婦に起きた突然の不可解な出来事。瀬戸内の名勝地の、かつて高貴な方が泊まったというだけが自慢のホテルでこの2組が解する時、事件が起き、そしてそれが運命の分かれ道となった。
社長夫妻村川雄爾と英子は60過ぎと30半ばの年の離れた夫婦だが始終睦まじい様子が描かれており、読者はすっかり騙されてしまう。夫婦2人の束の間の旅行を楽しむ風景が一転して夫の奇妙な行動に転じ、そのまま絶命するという急転直下の字体となる展開は登場人物たち同様、読者も呆気に取られることだろう。
しかしホテルの小物類を集める人たちは今でもいるのだから今も昔も変わらぬ。ただ本書で登場する山井善五郎のような「高貴の間」専用の盗人もいるのかは寡聞にして知らないが恐らくはこの21世紀の世でもいるのではないだろうか。

次の夏樹静子氏もまた前集に続いて選出された。「滑走路灯」は女流作家らしい男女の感情の機微を見事に扱ったミステリだ。
会社に偽って旅行をキャンセルして上司との密会を愉しむ女。そんな時に出くわしたのはかつての恋人でしかも女友達に略奪されるような形で別れた男。更に友達は実に身勝手で陰険で夫を束縛。溜まらぬ夫は妻の妹と浮気。それが原因で離婚を迫られ、更に会社で左遷を食らう。元夫は妹と共謀して元妻を殺害。しかし元恋人の女性はそれまでさんざん自分のことをいつまでも忘れられなかったとまで云われていたことが真っ赤な嘘であることに気付き、逆上して復讐を固める。
男と女のどうしようもない恋愛の縺れと嫉妬や羨望など負の感情が幾重にも絡み合って見事なまでに女の復讐へ至る。実に細部に目が行き届いた作品だ。この最後の女の情念とも云える復讐を成立させるために全ての設定が奉仕させられている。男女の感情も描きながら、実に無駄のない、ある意味完璧に近い作品だ。

次は結城昌治氏が選ばれた。「凍った時間」は日本に潜入しているスパイの物語だ。
冷戦時のアメリカを髣髴するスパイの物語だが、ジェームズ・ボンドのような派手なアクションに類稀なる能力を持ったスーパースパイではなく、普通の人と変わらぬ家庭を持つスパイの悲哀と自分を守るために人を殺害していくことでどんどん虚無感に打ちひしがれる男の姿を描いた人並みの生活に憧れる一介のスパイの物語だ。外国人のスパイを扱った題材は結城氏らしいが、プロットはよくあるエスピオナージのそれと大差なかったのは残念。

続く石沢英太郎氏も第1集から引き続いての選出。「五島・福江行」は果たしてあの「噂を集め過ぎた男」を超えるだろうか。
クイーンによる作品紹介によれば、石沢氏は第1集上梓の後、日本推理作家協会の短編賞を受賞したとのこと。「噂を集め過ぎた男」のクオリティを考えればそれも当然かと思える。
そして前作もそうだったが、職場の小集団の中で起きる事件を通じて事件関係者の人間性が浮き彫りされるのが石沢作品の特徴の1つのようで、本作もまた理髪店主殺害を通じてその娘と従業員たちの人柄が浮き彫りになり、意外な真相へと繋がる。とはいっても真相自体はありきたりな物で、本作は寧ろ若い男女の自己犠牲が読みどころだろう。恐らくは作者の石沢氏も自ら取材して五島列島を訪れ、島民たちの優しさに触れたことが本作をそんな人情物に仕上げたのだろう。
しかし本作にはどうしようもなく受け入れ難い部分がある。刑事の津田が一晩五島に泊まることになり、地元の刑事と食事して、地元のスナックに入るのを公務中ということで自重しながら、その後に目に付いた「大人のおもちゃ」の店に入るのは自重しないところだ。しかも巨大なヴァイブレーターを手にしてスイッチを入れてその動きをじっと見つめながら自身の性欲が増してきて、それが血が繋がっていない父親と娘の姦通罪についてもう一度見つめ直すきっかけになる展開は噴飯物だった。総セックス化の世の中で森岡とるり子はあまりに純粋すぎるとうねうね動くヴァイブレーターを見つめながら考える警視庁の刑事という姿はたとえいい物語であっても素直に受け入れ難いシーンだ。

次は昭和を代表する女流ミステリ作家の1人、山村美紗氏の作品が選ばれた。「殺意のまつり」はミステリの女王の名に恥じない見事な作品である。
既に時効になり、容疑者は刑期を終えて出所している殺人事件の新たな真犯人が20年ぶりに姿を現し、自分の代わりに逮捕され、お勤めをした容疑者に謝罪したいという話がその話題性からマスコミの注目の的となり、あれよあれよという間にテレビ出演するまでに至る。
この一連の展開は日本の好奇心旺盛さ、野次馬根性、物好きの性格を大いに表しており、実に面白く読めた。
しかし本作はその事件の裏側に関係者たちのそれぞれの思惑と明かされなかった真相を知らされることで見える人間関係の卑しさが主眼であることが最後に判明するのである。
山村美紗と云えば機械的密室トリックという先入観があったが、これは見事な構成の作品だ。

さて次も前集に引き続いての連続収録となったのが西村京太郎氏。前作の「優しい脅迫者」は予想外の展開が最後にすとんと腑に落ちる見事な短編で私の個人的ベストに挙げたが今度の「柴田巡査の奇妙なアルバイト」もまた奇想に満ちた作品だ。
この頃の西村氏は本当に天才ではなかろうか?そう思わされるほどのクオリティを放つ短編だ。浮浪者たちが寒さをしのぐためにわざと軽犯罪を犯して刑務所に入り、温かい部屋と三食にありつくという話はよく聞く話だが、それを警察官が加担するという着想が凄い。またそれが警察官自身の検挙率アップという自身の利益にも繋がっている事もまた妙味だ。実際このようなことが行われているような気がする。
夏樹氏の作品同様全てが結末へと奉仕していながら、本当に起こっていそうな身近な犯罪をいかにいそうな人々で語る巧さとツイストが素晴らしい。私は特に柴田巡査が浮浪者たちに請われて万引きをするときに何とも云えない戦慄を覚えるというところに感心した。こういった細部が最後の殺人の決行に至らす説得力を持つのである。

さて次も連続の選出となった笹沢左保氏の「酒乱」は全編会話文で構成された異色のミステリ短編だ。
初老夫婦の和やかな語らい。かつては従兄を当時酒乱の妻が殺害するという事件はあったが、今は何事もなく全て順調な人生を送っている2人。その殺人事件が彼ら2人の人生のターニングポイントだったことを改めて語り合う。そんな道のりを歩んできた夫婦の話がやがて完全犯罪成立の内容へと移り行く。穏やかなムードで語られるのは周到な企みに満ちた完全犯罪の顛末。完全犯罪を成そうとしてほんのちょっとの差異で暴かれ、崩壊していく作品が多い中、逆に完全犯罪が成立し、それがある夫婦の人生を救ったことを語るという珍しい作品でもある。

次は初選出。陳舜臣氏の「神獣の爪」はこの作者らしい中国で起きた事件を絡めた因縁の物語だ。
中国人だからこその長い年月をかけた復讐が出来るのか、そんなことを思わされる作品だ。神戸で起きた実業家殺害事件は表面上は借金が元で起きたいざこざの末の犯行という形で収まり、事件の実行犯も逮捕されるが、その裏側に隠されていたのは日本に渡った中国人が幼い頃に遭遇した育ての親殺しの復讐だった。
何が本作で一番恐ろしいかと云えばこの中国人と日本人妻の夫婦である。いやあ、中国人を決して敵に回してはいけないと思わされる1編だ。

さて次は満を持しての登場、鮎川哲也氏だ。「自負のアリバイ」は完全犯罪を目論む男の倒叙ミステリだ。
策士策に溺れるとはまさにこのこと。皮肉も含めた最後のオチは思わず苦笑いしてしまう。

『赤かぶ検事奮戦記』シリーズでお馴染みの和久峻三氏も選ばれた。弁護士でもある作者らしく「尊属殺人事件」は義父殺しの容疑を掛けられた未亡人の裁判が描かれる。
さすがは現役弁護士の和久氏である。裁判シーンや犯罪に関する叙述が実に専門的で読んでいるこちらも引き締まる。
本作で殺人の容疑に掛けられているのは典型的な昭和の不幸な女である。金沢で生れたが実の両親は不明で漁師の家に養子になり、飲んだくれで女好きでしかも暴力を振るう養父の許で育てられ、ある日養父が漁に出たきり還らぬ人となったことをきっかけに京都の友禅工場で働き出し、そこで知り合った真面目な男と結婚し、貧しいながらも慎ましい生活を送って幸せを掴んだかと思えば、北海道にいた夫の両親が勤めていた炭鉱閉鎖に伴い、一緒に暮らすようになったのが地獄の始まり。義母は吝嗇家でギャンブルに明け暮れてはその稼ぎを独り占めして蓄え、義父は逆に2人の給料を飲み代に継ぎこみ、更に義理の娘を身体を要求しては貪る獣のような男。更に不幸は続き夫は仕事中に交通事故で死亡。女は2人の幼子を抱え、女手一つで育てるために水商売に身をやつすが、義父はそれでも給料を飲み代に継ぎこみ、凌辱を止めない。ある日子供を人質に取ったのを見て女は義父の許を離れることを決意する。
なんとも典型的な昭和の底辺で生きる不幸な女性像だ。昭和枯れすすきの世界である。そんな背景を基に行われた裁判の行方はなんと女が勤めていたスナックのママが自分が目を付けていた男がその女に奪われたのに嫉妬して女が有罪になるように偽証したというもの。さらに獣のような義父を殺害したのは女に惚れた件の男だった。
それらの真相は女の裁判の決着が着いてから明かされる。
事件や真相よりも本作を彩る登場人物たちが昭和を象徴する社会の底辺の人たちだったことが強く印象に残った。

海渡英祐氏の「天分」はいささか変わった味わいを残す。
親の財産で贅沢三昧で好きな絵を描きながら海外で女遊びに興じる男。そんな世間の羨望と妬みの的になる男伊吹克彦が主人公。そんな男にありがちな独身主義が最後に意外な理由に基づいていることが明らかになる。
不穏な行末を残しながら、しかし主人公はその運命を甘んじて受け入れる諦観を備えている。何とも奇妙な読後感である。

最後を飾るのはこれまた2度目の選出となった佐野洋氏の「妻の証言」。
全編法廷劇で繰り広げられる作品だが、そこに全てが過不足なく収められ、登場人物の背景や二転三転する裁判劇の予想外の展開とページを捲る手が止められない作品。
大学教授をしている夫が浮気相手を殺した容疑で起訴され、検察側の承認に立つのが夫婦仲の冷え切った妻。しかしその妻は夫のアリバイを証明する証言をするが、その後に第三者によってひっくり返される。
そこからの展開は実に意外。
面白いのは一緒にいながらも相手が外出したことに気付かないという典型的な倦怠期の夫婦の特徴を活かしていること。帰ってきて話すのは風呂、飯、寝るの三言だけと揶揄されていた典型的な中年夫婦がその通り、食事をしても特に会話もなく、事を済ますといつものように風呂に入り、書斎にこもり、妻はその夫に声を掛けて、コーヒーを決まった時間に置いていく。その時は夫は振り返りもせず、置いといてくれと云うのみ。一緒にいながら会話もなく、顔も合わせないそんなよくある夫婦の風景を見事に犯行に活かした短編だ。


前作から3年を経て1977年に再度刊行された『ジャパニーズ・ゴールデン・ダズン』。EQJM委員会の序文によれば世界に日本産ミステリの普及の第一歩と意気込んで刊行された前集はアメリカでも好評を以て迎えられたようだ。前集をきっかけに日本のミステリの翻訳出版の兆しが見えたと述べている。
しかし現在から振り返ると日本のミステリが初めてエドガー賞候補に挙がったのが2004年の桐野夏生作品の『OUT』だったことを考えれば、70年代以降からそれまでの本格的な日本ミステリの海外進出はやはりそれはいくつかの代表的な作品に限られたように思える。

またクイーンが序文で述べているように、第1集の時もそうだったが、男女の恋愛の縺れを扱った作品が多い。
松本清張氏の「駆ける男」、夏樹静子氏の「滑走路灯」、結城氏の「凍った時間」、石沢氏の「五島・福江行」、山村氏の「殺意のまつり」、西村氏の「柴田巡査の奇妙なアルバイト」、陳氏の「神獣の爪」、鮎川氏の「自負のアリバイ」、和久氏の「尊属殺人事件」、海渡氏の「天分」、最後の佐野氏の「妻の証言」など様々な男女の縺れが物語のキーとなっている。

こうやって振り返れば、物語や文体などの質はいいものの、それぞれの作品が備えている動機や人間関係はほとんど同じといったところで、それが器を変えながらも行く着くところや人物間の関係は似たようなものだという印象を与えたのかもしれない。上に書いたように実際選者のクイーンも触れており、それはつまり暗にそのようなことを仄めかしているようにも取れる。

しかしそうは云いながらも1集と同じくどれも読ませる。この2回目の“黄金の12編”は実に粒ぞろいだった。
見開き2ページに占める文章の割合は昨今のミステリと違い、黒色の比率はかなり高く、短い中に人物設定に不可解な謎、更に人間ドラマが凝縮されており、実にコクが深い。

そんな中、まず私のお気に入りを挙げると松本清張氏の「駆ける男」、陳舜臣氏の「神獣の爪」、佐野洋氏の「妻の証言」の3作となる。

松本氏の作品は物語自体に濃さを感じる。一連の事件の流れと事件関係者の人間関係、それぞれが濃密でじっくり読ませられるのだ。

陳氏もまた自身が中国人という出自を存分に生かした、彼にしか書けない長い年月をかけた、しかも中国人の強かさを存分に味わさせられる作品で主人公の刑事すらも舌を巻く結末に大いに感じ入るものがあった。

佐野氏は本書の中で最も短い作品でありながら、法廷劇の最中で繰り広げられる人間ドラマ、そして読者の思いもしなかった展開と最後はそれら全てが腑に落ちつつ、これまた予想外の人間関係が明かされたりとジェットコースターに乗っているかのようだった。

それら3作を抑える個人的ベストを挙げたいが、本書は第1集にも増して実に素晴らしく、1作に絞れなかった。
夏樹静子氏の「滑走路灯」と山村美紗氏の「殺意のまつり」と女流作家2本に前集に引き続いて西村京太郎氏の「柴田巡査の奇妙なアルバイト」を挙げたい。

夏樹作品はまず登場人物の設定、物語の展開と登場人物たちの相関関係全てが最後の結末に奉仕しており、まさに完璧なミステリを読んだ思いがした。

山村作品は20年前の殺人事件の真犯人であると名乗る男の登場から事件の洗い出しと定番の流れを見せながら、いきなりマスコミの寵児となる怒濤の展開を見せ、最後にそんな狂騒の後始末であるかのような意外な結末が開陳される。まさに“殺意のまつり”と呼ぶに相応しい作品だった。

西村氏の作品はまず現役警察官が浮浪者援助のために自ら万引きしてそれを浮浪者の犯行にして逮捕し、双方WINWINの関係にするという着想の妙が素晴らしい。夏樹氏同様全ての設定が最後の意外な結末に生きており、全く以て隙が無いことに加え、とにかく話がユニークでクイクイ読まされる。物語全てに必要な要素が詰まった作品だ。

今ではこの3名はどちらかと云えばその名前を冠する2時間ドラマの影響もあり、いわゆる一般大衆向けミステリ作家という印象が強いが、やはり今なお語り継がれ、映像化されるだけの理由があるのだ。
この3名の着想の妙は只者ではなかった。読まず嫌いでいるのは勿体ないと思ったが、流石に全ての作品をこれから読むのは無理か。

しかしこの第2集の選出作品を眺めると第1集と重複する作家が12人中6人と半数を占めるのは予想外だった(松本清張氏、夏樹静子氏、石沢英太郎氏、西村京太郎氏、笹沢左保氏、佐野洋氏)。5割は非常に高い確率である。やはり平成の世でもその名を知られる作家は真の実力者であったということだろう。その中身を読んでも選ばれるに相応しいクオリティを兼ね備えている。恐らく彼らは別格の存在だったのだ。

この頃に『このミス』など年末のランキングイベントをやっていたらどんな結果になっていたのか、実に興味深い。
1年に複数作発表する作家ばかりだから、20位の中に同じ作家が2,3作含まれ、作家別で見てもこの採用率同様10名だったという結果になっていたのかもしれない。70年代は作家の実力差が離れすぎていたのかもしれない。

しかし改めて感じたのは70年代はまだ戦後を引き摺っていることだ。戦後の混乱期があるがゆえにまたドラマも生まれやすいと云えるのかもしれない。

更に昭和感。これが実に面白く感じる。
温泉旅行先での女中との密会や警察の不当な誘導尋問、更には深夜番組で登場する若い女性のセミヌードなども、まだ闇のある時代の淫靡さが行間に見え隠れしている一方で、山村作品では古い家屋が壊され、近代的でチャチな家が建てられたと云った描写もあり、時代の移り変わりを感じさせる描写もあって興味深い。

平成最後の年に昭和の作家の作品のアンソロジーを読む。この意味については次の最後の第3集を読んだ時にまた考えるとしよう。
次はどんな“黄金”が待っているのだろうか。



▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

スポンサードリンク