この作品は、社会の最小限の単位である夫婦の破綻から発展した犯罪に潜む人間関係の不信に焦点を絞り、現代の病蝕を追求した。

昭和36年7月、神奈川県の小さな町で、飲み屋を営む坂井ハツ子の死体が見つかった。

人々の妄想を取り除き、また必要とする人には提供する「妄想銀行」を始めたエフ博士。

上得意の客に暴力をふるい、横浜の高級クラブのボーイを馘になった25歳の川本高志は、喧嘩の遠因となった男・室田の仕事を手伝いはじめる。

これまで自分が縛りつけられていた世界というのは一体何だったのだろう。慎治は思った。

深沢千秋は代々木小公園で六年前故郷の兵庫県龍野で別れた初恋の相手、矢沼圭一の女連れの姿を見かけ、夢中で後を追いかけた。

おもしろ怖い絶品。

わたし眠るのが恐いんです。結婚を目前に控えた市川倫子と名乗る女が、量子のカウンセリングルームを訪れた。

美女連続猟奇殺人の「真犯人」はお前だ!息を呑む大逆転劇、長編法廷ミステリー。

尾田和成は二十年以上の刑事生活にピリオドを打ち、“K探偵社”に再就職することになった。

2024年、東京は死にかけた太陽のように荒廃した光りを放っている。

陸奥宗光が極秘に認めた文書が鹿鳴館の一室から消えた。公開されれば深刻な国際問題となる。

愛車の7ハンを駆って警察回りに向かった俺は、若い娘の自殺騒ぎに出くわす。

芝居小屋桔梗座の最後の日、特別出演をした役者の立花が四綱渡りで落ち死んだ。そして奈落からは絞殺死体が発見される。

私が私じゃなくてあなたはあなたじゃない。

最愛の妻はすでに亡くなり、たったひとりの子供も独立をしている。

夏の暑い日、アパートの隣室へ無断で入り込んだ女を殺してしまった女子大生の鈴木かおる。

東京・大田区の平松外科医院の院長夫人が失踪、その後を追って院長の平松医師が、カルテに謎の言葉を残し行方不明になった。

「真梨子が緊急入院したのよ、自殺未遂かもしれないって…」 原田は呼んでも一向に応えない娘に強く語りかけた。

“ドリーム・カウンセラー”を名乗る三上量子は、他人が見た夢を見ることのできる特殊能力を使い、その夢を手がかりに依頼人の心の悩みを治療する臨床心理士である。

坂巻里加、28歳、宣伝部チーフは、遅刻の理由を「男と会っていたものだから。

生に執着する人間がいるように、生に執着しない人間もいる。ちょうど僕たちのように…。

T観光に勤務するOL高倉葉子は学生時代に『ミス・リップスティック』に選ばれた程のミステリアスな美貌である。

今、人気上昇中の女優、小月さゆりが殺された。そのニュースは村岡智子に衝撃を与えた。

第47回日本推理作家協会賞受賞。

京都の西にある苔寺で有名な西芳寺の門前にある茶店の娘、秦春香は、子犬の鳴き声が気になって外へ出た。

雨の夜、車の前に女が飛び込んできた。重傷を負った女は、病室を抜け出し、茅ケ崎の海岸で消えてしまった。

ポルシェ911Sに乗る唐木は、途方もない計画をもっていた。狙いは東京競馬場で行なわれるダービーの売上げ金20億円だ。

「これで当分ポケットマネーには困らない」大庭実はニンマリした。

叶理香子26歳、彼女の勤め先はおよそ若い娘には不似合いな監察医務院。

叶理香子26歳、彼女の勤め先はおよそ若い娘には不似合いな監察医務院。

自首して来た若い女性は言った。

西山絢子は19歳。新婚たった2週間の若奥様。

「岳沢に張ったテントの中に死体が!」―登山者からの通報に豊科署の道原刑事が出動する。

ねずみは有田にとって最も憎むべき敵だ。

「犯罪被害者に限定して言えば、事件の加害者となった人間以外はすべて、被害者になってしまうのではないかと、私はそんなふうに考えている。

“二階堂一族”は奇しくも「事件の中心人物が行方不明」という共通の難問に直面した。まず柏木医博。

生後6か月の男の赤ちゃんが誘拐された!ベビーショップのベッドに寝かせている隙にさらわれてしまったのだ。

劇団の女優五月は誤配された速達が縁で同じマンションの弓子を知る。

大手ホテルの課長が客の女性と同衾中、刺殺された。女性の夫が現行犯とし逮捕されたものの不可解な事実が浮かび上がった。

訪中視察団の一員として中国を訪れた東洋美術史専攻の入江は、25年ぶりに玉嶺へと向かう。

英国人の父と日本人の母とのあいだに生まれた日英混血女性ローズ・ギルモアは、13年ぶりに日本の地を踏んだ。

紀州随一の超大富豪・柳川家の女主人とし子刀自が、「虹の童子」と名乗るものに誘拐された。要求された身代金はなんと百億円。

作品や文献につぶさにあたって浮き彫りにしていく、戦前に活躍した個性的な探偵作家18人の創作活動。

新大阪発ひかり424号の汚物タンクから時限爆弾が発見された。

念願かなってマイホームに引っ越した木崎家の第一夜、奇妙な電話がかかった―。夜中にピアノなんかひくな。

平野汎―名前通り平凡な高校生である。ところがある出来事をキッカケに超能力に目覚める。

京都市の北郊・氷室町で、若い女性の殺人死体が発見された。どこか別の場所で殺され、遺棄されたらしい。

健気に生きながら逆い難い運命に翻弄される女たちの、宿命的なまでに哀して生き様を江戸の貧しい市井を背景に描く。

石塚輝雄はその甘いマスクとプレイボーイぶりから“光源氏”などと呼ばれている。

満員のデパートのエレベーター内で中年男が毒殺された。名刺と古い写真だけを手がかりにすすめられる捜査。

幼馴染みがヤクザの幹部になっている徳持刑事は、なにかと癒着が疑われていた。

中央日報の稗田は元駐日P国大使にかんするフランス紙の記事に興味を持った。日本人ハイ・ホステスとの関係で離婚騒動とか。

熊本県水潟市に発生した恐るべき「水潟病」。

私は特派員として政情不安なインドネシアに着任した。

緻密な考証と公平な視点によって、推理小説をその起原から詳説。

犯罪小説家として売り出し中の私のもとへ、むかし抱いた星村美智から電話がかかってきたのは深夜だった。

女の仮面に翻弄される男。いま、愛憎ドラマの幕があく。

「これはひどい」凄惨な光景に、熟練の鑑識が目を背けた。

「僕は少し疲れているのかも知れない。頭の中にワラが詰まっている感じがする。

その旅客機が墜落したのは灼熱の大砂漠だった。辛くも助かったのは鶴見浩二と何人かの女性たちだけ。

怪しげな新興宗教「闇の光」の狂信的信者立花冽子は、兄弟と共謀し内縁の夫を“悪魔祓い”の生贅として殺害してしまう。

坂巻内科医院の院長、倫三が急死した。死因はウイルス性の脳炎によるものだった。

有坂は作家である。それも売れない作家だ。

世界的ヴァイオリニスト江原信州子の愛用したストラディバリが盗まれた。

殺された若い女性の部屋は、窓やドアが完全にロックされておりごていねいにもチェーンまで掛けられていた。

静岡で一仕事終えた宮之原警部は、久し振りに妻の真由子とくつろぐ予定をたてていた。

推理作家・牧薩次のもとに、ぜひ読んで欲しいと3編の鉄道ミステリーが持ち込まれた。

西長門の海岸で若い女性の溺死体が発見された。自殺か他殺か判然としない。

大場一成は警察や市政を思うがままに操り、あまつさえ暴力団まで私兵化し、F県羽代市の王者として君臨していた。

経営コンサルタント山上忠男の所にかつての恋人倉林美沙が相談ごとを持ち込んできた。

昔住み馴れた家の整地跡から白骨死体が掘り出された。20数年前のものらしい。

昔バンドマンだった父は急に「瀬田の唐橋が見たい」と娘の路子に言いおいて大津に旅立った。

江戸の日本橋界隅を縄張りとする岡っ引き・市蔵は、下手人を挙げるだけでなく、事件の背景の事情にも細やかに目を向け、市井の片隅でけなげに生きる人々に温い視線を送ることを自らの務めとしている―。

山口市の名刹・瑠璃光寺に遠足に来ていた資産家の小学4年になる息子、若杉博之が誘拐・殺害された。

火と善行の神・プロメテウス。

人は生きていくかぎり、過去に訣別を告げることは出来ない。

京都を観光中の女子大生がとある路地で殺人事件に出会した。数分後パトカーが駆けつけたところ死体など影も形もなかった。

単身赴任で独り暮しが始まった風見淳太郎にとって、最大の悩みは“退屈”だった。

イタリア人を母に日本人を父として生まれた混血の美女、楠本亜里沙。彫りの深いマスクと抜群のプロポーション。

赤かぶ検事こと柊茂は、美人警部補として名高い行天燎子をエスコートしてパーティーに出掛けた。

萩の有名料亭『あずみ』の主人が亡くなり遺産相続会議が開かれた。

超ビッグ企業『アルファ』の会長・西坂太一郎が失踪した。

三伸建設設計課一級建築士・田中浩一は、ある夜、中学高校が同窓で、今は東聖大学法医学教室の古屋一郎の訪問を受けた。

日美子は高校時代の友人烏丸みやびに招かれて芦屋を訪れた。

桜野女子大学教授・阿羅悠介が、T新聞に六年前のエジプト再訪の思い出を載せたところ、中東諸国を相手に急成長した商事会社『CFC』の福崎新生会長から「急にお話しがしたくて」との連絡があった。

牧薩次、駆け出しのミステリー作家である。ポテトの仇名通り外見はイモっぽいが結構鋭い推理力の持主でもある。

みすずはまだ若い身空で、母親の営む「龍宮ウエディング」を手伝っている。

並子と政子は親友で、東京郊外の大団地に「探偵局」を開いている。

男は貧しいから頑張った。

僕は殺されることにも慣れてしまったが、同時にまた憎まれることにも慣れていた。

赤かぶ検事こと柊茂は頭を抱えてしまった。外車セールスマンの浦上にはアリバイがあったのだ。