華族に生まれ陸軍中将の妻となった顕子は、退屈な生活に惓んでいた。

大日本帝国陸軍内にスパイ養成組織“D機関”を作り上げ、異能の精鋭たちを統べる元締め、結城中佐。

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。

著者のエッセンスが満載された最後の短編集 八人の子供がいる家庭へ脅迫電話。「子供の命は預かった」。

神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。

学園の一角に建つ壁には日暮れると生徒たちの影が映った。そしてある宵、壁は映し出した、恐ろしい場面を……。

寺の離れで「なんでも屋」を営む俺の叔父さん。家族には疎まれているが、高校生の俺は、そんな叔父さんが大好きだった。

昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。

オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。

神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。

警部に昇任し、組織犯罪対策部第一課の係長に抜擢された、安城和也。

「犯人は〇〇だよ」。鈴木の情報は絶対に正しい。

首なし死体、密室、蘇る、死者、見立て殺人……。

北関東の鷹取市へ移住したポテトとスーパー夫婦は、高齢出産を決意。

1998年、夏休み。

2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。

夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々―江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。

推理作家の美袋三条は、知人の別荘で出会った佑美子に刹那的に恋をする。

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。

他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。

アウトドアが趣味の公務員・沖らは、 仮面の男・黒沼が所有する孤島での、 夏休み恒例のオフ会へ。

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。

怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。

とある高校のバスケ部員椎名康は、屋上から転落した少女に出くわす。

「J・Mを殺したのは誰か?」。私が読んだ患者の原稿は、その一文で結ばれていた。

日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞 寒村でおきた殺人事件の犯人と疑われた大学生・静馬を救った隻眼の少女探偵・みかげ。

“頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。

”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。

「読者が犯人」というミステリー界最後の不可能トリックのアイディアを、二億円で買ってほしい―スランプ中の作家のもとに、香坂誠一なる人物から届いた謎の手紙。

神々櫛村。谺呀治家と神櫛家、二つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。

奥多摩の山村、媛首村。淡首様や首無の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。

殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。

瀬戸内海の兜離の浦沖に浮かぶ鳥坏島。鵺敷神社の祭壇“大鳥様の間”で巫女、朱音は神事“鳥人の儀”を執り行う。

旧家の猪丸家に現れた記憶のない謎の女・葦子は、開かずの間だった蔵座敷で“狐狗狸さん”を始める。

結城中佐率いる異能のスパイ組織“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの諜報組織“風機関”が設立された。

1945年8月、砂漠の町ロスアラモス。

奈良の山奥、波美地方の“水魑様”を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。

貧乏学生鏑木明の借金返済の肩代わりに一度だけ体を売ってお金を稼いだ恋人土岐容子。

18世紀英国。

“頭狂人”“044APD”“axe”“ザンギャ君”“伴道全教授”。

目撃された殺人と消えた犯人、そして目の前を落下する女、鍵を飲み込んだ被害者に雪の足跡…いつの間にか現れた「彼」の前に開かない「扉」はない。

山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。

京都に伝わる稀覯本『黄母衣内記』。その所有者が謎の死を遂げた。

名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。

賀茂川と高野川が合流する鴨川デルタ。瓶賀流が目撃したのは濁流に呑み込まれる友人、龍樹落花の姿だった。

河原町今出川にある妖しき大怨寺で殺人が起きる。容疑者は、龍樹家の龍師・御堂達也。

「頼みがある。相撲を教えてくれないか?」神様がそう言った。

人は、死んだらどうなるの?―いなくなって、それだけなの―。その会話から三年後、凰介の母は病死した。

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。

雪に閉ざされた山荘に、UFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女性作家、癖の強い面々が集められた。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

弟・襾鈴の失踪と死の謎を追って地図にない異郷の村に潜入した兄・珂允。襲いかかる鴉の大群。

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館―通称「斜め屋敷」。