一本のビデオテープを観た四人の少年少女が、同日同時刻に死亡した。

科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。

リングの事件発生からさかのぼること三十年あまり。小劇団・飛翔の新人女優として不思議な美しさを放つひとりの女がいた。

幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、謎の死を遂げた友人・高山の解剖を担当し、冠動脈から正体不明の肉腫を発見した。

親友の異変、瞬時に形を変える土偶、鳥からの謎のメッセージ。そして、大島の火口に身を投げた貞子の母・志津子の秘密。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

太古のゴビ砂漠。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。

暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

入水自殺を図った若い女性は、記憶を失っていた。恋人だった青年は遠洋マグロ漁船の上にいる。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。

屈託のない笑顔で嘘をつく男。出会い系サイトで知り合った奇妙な女。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

50年の時を隔てた戦時下と現代の日本で、時代と集団の空気に逆らい、それぞれ立ち上がった二人の男たちは、どう生き延びるのか?家庭、軍隊、職場にあって、死、幸福、不安のあいだで大いに揺れる人間を描く長編大作。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

その島は風車と風鈴に溢れ、余所者には誰も本当のことを話さなかった―作家葛木志保が自宅の鍵を預け失踪した。

恐怖をかきたてる現象は、日常の何気ない空間に潜んでいる―。

ある時、夜中に高野は、半睡半覚で気がつくと腕が伸びていた。腕は壁を抜けて自宅の外まで達し、なにかを掴んだ「腕の魂」。

叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

老人介護のボランティアをしている仁科理佳は、寝たきりの老婆・幸枝の様子を見てきて欲しいと頼まれる。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

その物語は、人を殺す――。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

―この物音は、何か可怪(おか)しい。 何かが畳を擦る音、いるはずのない赤ん坊の泣き声。

自殺の名所を訪れる、様々な人間たち 「死」の気配を濃厚に漂わせる、富士の樹海。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

16年前、5人の男女を乗せたヨットが南太平洋フィジー沖で遭難した。

“悪魔の手"と名のる人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。

目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。

福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の某省課長補佐と愛人の心中と誰もが思ったが…。

その家に関わった者は、行方不明になるか悲惨な死を遂げると言われる「呪われた家」。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

十三歳で遊女となるべく売られた少女。“緋桜”と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。

夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。

父の遺した不動産で夜になると聞こえる「痛い、痛い」という謎の声。

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。

裕福な家庭で育ち、大手出版社に勤め、恋人はエリート。順風満帆な毎日を送る梅村靖子の前に突然現れた若き格闘家・真島一馬。

妹の死んだその日から、壊れてしまった父と母。彼女の「死後」を「再生」しようとする兄。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

見えない通り魔「ぜんしゅ」の正体は――!? 比嘉姉妹シリーズ第5弾! 妻が妊娠し、幸せいっぱいの日々を送るサラリーマン・田原秀樹は、ある日、知り合いの娘の結婚式に参列することに。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

初読はミステリ、二度目はホラー。この島の謎に、あなたもきっと囚われる。

映像制作会社に勤める安藤孝則は、ネット上に公開されたある動画の解析を依頼される。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。