その誇りに、囚われるな―。鉄砲百人組の老武士、山岡晋平。

二十二年前、妻と姦夫を成敗した過去を持つ地方藩の執政・阿部重秀。

小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱することになった行き倒れの痩せ侍。

藩命により友を斬るための刀を探す武士の胸中を描く「春山入り」。

どの藩の経済も傾いてきた寛延三年、藩札掛となった奥脇抄一郎は命を賭すにたる御勤めと確信。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

幼馴染が殺された。伊賀を知らぬ伊賀者だった。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

『機織る武家』血の繋がらない三人が身を寄せ合う、二十俵二人扶持の武家一家。生活のため、後妻の縫は機織りを再開する。

分別ある侍たちが、なぜ武家の一線を越えたのか。

切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛(やしまたける)。

武士が護るべきは、主君か、家族か。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

本屋の私が行商に出向いたのは、孫ほどの娘を後添えに迎えた名主宅。

事件は人間の内にある。 直木賞受賞後、第一長篇。

第153回芥川賞受賞作 「早う死にたか」 毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、 ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。

村に染まれず、江戸に欠け落ちた男たち。当時の江戸は一季奉公の彼らに支えられていた。

離縁して三年半もたつのに、なぜ元妻は元夫を刺したのか。

橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齢六十七歳。

本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

とある街の、とある喫茶店の とある座席には不思議な都市伝説があった その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

宮沢賢治は祖父の代から続く富裕な質屋に生まれた。

僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。

娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、下克上で成り上がる戦国大名・宇喜多直家。その真実の姿とは一体…。

小さな喫茶店を営む女性が殺された。 加賀と松宮が捜査しても被害者に関する手がかりは善人というだけ。

江戸に生きる人々が織りなす鮮やかな人生。

どん底に生を受け、殺人を犯し、脱獄を果たした、ナサニエル・ヘイレン。

広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。

ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

小説家・萱野千紘の前にあらわれた編集者・柴田は悪魔のような男だった―。過去に性的な傷をかかえる女性作家。

「誰の心にも淀みはある。

豊後羽根藩の檀野庄三郎は不始末を犯し、家老により、切腹と引き替えに向山村に幽閉中の元郡奉行戸田秋谷の元へ遣わされる。

愛する人を想う気持ちが生み出した、不器用でやさしい4つの「嘘」。

メディアはおろか関係者の前にも一切姿を見せない現代美術家・川田無名。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

連続殺人に挑むのはミステリー読みのプロたち――。

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

望むことは、罪ですか？　誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったＤＶ男との逃避行──。

いまだ人を斬ったことがない貧乏御家人が刀を抜くとき、なにかが起こる。第18回松本清張賞受賞作。

動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。

大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。

親子三代で菓子を商う「南星屋」は、売り切れご免の繁盛店。

第165回直木賞受賞作！ 巨星・河鍋暁斎の娘として、 明治大正の動乱を真っ直ぐに生き抜いた 女絵師・暁翠の一生。

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。

ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。

【第166回直木賞受賞作】 どんな攻めをも、はね返す石垣。 どんな守りをも、打ち破る鉄砲。

映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。