(短編集)
まるまるの毬
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第一話「カスドース」を読み始めたらいつか読んだ記憶が蘇った。 大矢博子=編「時代小説アンソロジー 味比べ 」に収録されていた。 菓子職人治兵衛とその娘と孫娘が営む変わり種菓子。 全国を回って作り方を覚えて商っている。 孫の武家への嫁入り修行の際、治兵衛が家斉の落胤であることが発覚し破談に。 菓子を通じて親子の人情に感動した。 一般文学通算2827作品目の感想。通算3801冊目の作品。2024/07/05 09:15 | ||||
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各章題の和菓子を象徴にして家族を描く連作小説。 著者さんは、本作品でタイトルの賞を受賞した後、2021年に第164回(2020年下期)直木賞を「心淋し川」で受賞しています。 さまざまな思いをひとつの風景に投影する表現の美しさに感動し、起伏ある展開に惹き付けられました。 なにより、現代のインフルエンサーが発する価値観についていけない私には、治兵衛の家族や商いのあり様にとても居心地好さを感じました。 ネットニュースに放たれる、いわゆるこたつ記事や獣じみた匿名コメントを読んで心に痛みを感じる弱い私を、別の価値観に連れ出してくれた・・・巻末の「講談社文庫刊行の辞」をまさに体現したような作品だと感じました。 そして、読後は甘味を求めて深く考えずに食べていたスーパーの和菓子についてもなんだか感慨を覚えるようになりました(笑) 解説も作品を端的に表現している部分があってとてもよかったです。 続編の 亥子ころころ (講談社文庫) も楽しみです。 | ||||
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ちょうど最後の篇のクライマックスをスタバで読んでいて、感動で号泣してしまいました〰恥ずかしかったけど感無量❣ めっちゃ良いです〰❢ | ||||
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2014年に出た単行本の文庫化。 「カスドース」「若みどり」「まるまるの毬」「大鶉」「梅枝」「松の風」「南天月」の7話から構成されている。 菓子屋の一家をめぐる物語だ。菓子をめぐって引き起こされる禍福を通して、家族の幸せというものが描き出されていく。 個々の菓子は、彩り程度。もう少し描写に工夫がほしい。 江戸の封建的なイメージがあまりに定型的すぎるのでは? | ||||
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江戸時代の家族の情緒と深い愛情に満ちた作品。麹町の小さな菓子屋の南星屋。行列ができる菓子屋で売り切れ御免の評判の菓子屋。菓子職人の治兵衛は62歳。娘のお永は、出戻り。夫の不貞に怒り離縁した。そして、その娘の16歳のお君。テキパキとこなす、愛嬌のいい看板娘。治兵衛には、人には言えぬ秘密があった。そして、お永も悩みを抱えていた。お君にも、500石の武士の河路金吾とからの求愛があった。それぞれの人生を生きている家族。その絆は、愛情に満ち溢れている。 久しぶりに、いい家族の物語を味わった。 菓子には、名前がある。カスドース、わかみどり、まるまるの毬(いが)、梅枝、松の風、南天月と。和菓子の持つ魅力を放つ。南星屋の菓子は、その日の限定で二から三品、季節ごと、仕入れ具合や天気で毎日のように変わるおまかせの菓子屋。治兵衛は日本の各地を巡って、名菓を味わってきた経験を思い出し、再現する。そして、最後の自分のオリジナリティの南天月を作る。和菓子の世界も奥行きがある。月見団子のいわれ、ザボンを使ったお菓子など興味を惹く。 カスドースは、カステラのこと。平戸藩の秘伝の菓子。カスドースは、秘伝の菓子の技術を盗んだと言って、店の禁止を命じられる。平戸藩の菓子とは、レシピが違うといって治兵衛は申立する。その当時はタマゴも砂糖も高く、治兵衛は、タマゴは豆腐、砂糖は干し柿を使って作っていた。そこから、平戸藩の武士である河路金吾との縁談に発展していくのであるが、治兵衛の出自が江戸幕府は、二人の縁談を取りやめさせるのだった。平穏な江戸時代、武士は何をすべきなのか?手に職がある方がいい富樫職人になろうとする下級武士の息子。その息子は妹思いであり、父親思いだったのだ。治兵衛は、武士の身分を捨てて、菓子職人になった自分の人生を振り返る。家族三人が、自分の生き方を見つめ生きている姿が清々しい。忘れていた家族のあったか味がなんとも言えず、いい味を出している。 | ||||
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