下垣内教授の江戸



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    初公開日(参考)2024年12月
    分類

    長編小説

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    下垣内教授の江戸

    2024年12月18日 下垣内教授の江戸

    ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説! 東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。(「BOOK」データベースより)




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    No.2:
    (5pt)

    深い感動を覚えた

    彼の作品はほとんど読んでおりましたが、中でも深い感動を与えてくれる作品です。
    下垣内教授の江戸Amazon書評・レビュー:下垣内教授の江戸より
    4065377293
    No.1:
    (5pt)

    話は、幕末から明治初頭にかけて下垣内が青年時代を過ごした慶応三年四月に始まる。

    作家を志す青年・守屋広臣が新聞社に務めているときに、美術の世界で高名な下垣内邦雄氏に面談した時の話を書いている。守屋は作家になるために後に新聞社を退職してこの話を書いたのだった。

     下垣内は、守屋が下垣内の家の応接間に飾ってある絵に見入っている様子や、下垣内がかつて訪ねた鎌倉郡瀬谷村が守屋の生地であることに心を許し、自身の生い立ちを語るのだった。それは、下垣内が青年時代を過ごした幕末から明治初頭にかけての話で、「俺は人を切ろうとしたことがあるんだよ」から始まった。

     多摩の豪農の次男として生まれた下垣内は、十八歳になるまでに昌平黌に通いながら北辰一刀流の中目録免許を納め、剣術の他にも、書、画、聞香、古琴、茶などを習った。いわば何不自由なく青春を謳歌し、生来の素直な性格も相まって好青年として育ったのだった。下垣内の話し方や挙措動作に、躾けられた者の美しさを感じた(青山文平氏の文体である)。そして慶応三年四月の初めに兄に呼ばれて故郷の多摩へ戻ってきたその時は、十月に大政奉還があった年である。

     そこからの話は、関東一円に蔓延ることになった百姓一揆やそれに対して兄の下垣内昌邦たち豪農が農民隊を率いて戦った話や、農政改革や多摩地方の農業の様子、横浜の外国人たちとの商いなど、まさに歴史に肉付けしての下垣内家の活躍や生き様が語られていく。当時の多摩地方、新撰組の近藤勇や土方歳三の出た土地だが、の様子がよくわかり興味深く読んだ。

     前置きが長いのはこの人の作品「泳ぐ者」に似ているが、そこは剣士・下垣内邦雄の人となりを知るのに大事なところなので少々退屈ではあるがじっくりと読む必要がある。そして主題となる「俺は人を切ろうとしたことがあるんだよ」につながり、急転直下に下垣内の人生が変わっていく。剣士が美術の教授に到達するまでに不自然さを感じないのは、ここまでの語られていた伏線が鮮やか蘇る(よみがえる)からである。改めて書き出しに戻って下垣内の登場してきた様子を読み返して、その重厚さと奥の深い人生に感銘を受けるのだった。
     青山文平氏の作風の面目躍如たるものがあり、氏の作品を愛するものとして満足感を持って読み終えた。
    下垣内教授の江戸Amazon書評・レビュー:下垣内教授の江戸より
    4065377293



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