彼女を見守る
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今年NO,1の翻訳小説 悲しく切なく二人の人生が交錯する 美術好き,イタリア好きにはたまらない物語 ぜひ読んでください | ||||
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大部のためだいぶ時間がかかりましたが、この二十世紀のイタリアを描いた物語を堪能できました。イタリアを生きた一人の彫刻家のミステリアスな人生。 フランス国境にほど近い北イタリアの修道院。1986年、ミケランジェロ・ヴィタリアーニ(ミモ)は臨終間際の己が生涯を思い返します。"軟骨無形成症"によって「小さい」男として生まれた彼は彫刻家として類いまれな才能を保持していました。イタリア北部、ジェノヴァに近い村、ピエトラ・ダルバ。オルシーニ家が支配するこの村でミモは教会や金持ちのために作品を作り続けます。そして、そこで彼は生涯見守り続けるであろう公爵令嬢のヴィオラと<出逢い>ます。ローマへ。ミラノへ。フィレンツェへ。 ファシズムが台頭する時代のイタリア。この小説は悪しき全体主義とは異なり、まるでミモにとっての聖なる何ものかでもあるヴィオラのようにこの<世の良きもの>を体現する全体小説としてこれからも語り継がれることでしょう。 ミモはヴィオラが空を飛ぶのを助け、決して見捨てないと誓い、ヴィオラはミモが同じ名前を持つミケランジェロと肩を並べられるよう力を貸し、決して見捨てないと誓います(22%あたり)。 「シロッコ、ポネンテ、マエストラーレ、グレカーレ」。風に千もの名前があるこの世界の物語。 語るべきことが数多くあるこの小説は、<石>についての物語ですから、私もまた<石>についての私的な思い出を語ります。数十年前、新宿に本社がある石材商社の仕事をさせていただいた時、商品マスター・アイテムのトップには”ビアンコ・カラーラ"の名前が輝いていました。カラーラで採れた白い石。それは私にとって美しい石の象徴でした。この物語は、その”ビアンコ・カラーラ"についての物語でもあります。 また、ミケランジェロの<ピエタ>についての物語でもあるわけですが、それについては<訳者あとがき>をなぞることにもなりますので、語らずに済ませたいと思います。大切なものは細部にあるわけですから。 そして、最大の魅力は、<熊>とヴィオラにあります。何故と問うことなく、皆様にはお読みいただければと思います。 物語の種類は異なりますが、子供の頃『ピノキオ」が傑作だと思えたように本書もまた傑作です。 □「彼女を見守る」(ジャン=バティスト・アンドレア 早川書房) 2025/3/17。 | ||||
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