ブレイクショットの軌跡
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「ブレイクショット」とは、SUV車の車種名(架空?)とビリヤードの玉を突く初手の二重の意味を含意している。 プロローグは自動車組立工場の期間工がブレイクショットのボルトが1本落下したのを目撃する話で、それが「軌跡」として展開していくのかと思ったら、場面転換していきなり中央アフリカの反政府勢力に引き込まれた少年の話になる。 さらに、第1章は投資ファンドの話、第2章は町工場の板金工の話、第3章はサッカー少年の話と場面が変わり、あたかもオムニバスの連作小説かと思わせるのだが、やがて物語は投資の儲け話の裏側をうごめく特殊詐欺グループとその背後の反社会勢力の登場で、俄然緊迫感が高まってくる。 それにしても、本書の描く特殊詐欺は実に巧みである。表看板は合法的な投資セミナーで、講師たちは善意で受講者に安全な投資方法と詐欺にかからない注意をしているが、その裏で受講者の個人情報や弱点を面接を通じて収集し、その名簿情報を高額で詐欺グループに売却する。講師たちは知らない間に個人情報の収集に協力させられるが、どこかの時点で共犯者として抜けられなくなってしまう。合法の看板を掲げた「闇バイト」のようなものだ。 こうした詐欺グループが繰り返し刷り込む思想は、「世の中に不満があるからといって、世の中を変えようとしても無駄」というもので、ひたすら勝ち組になることだけをめざす。洗脳された者はやがてカモにされるわけである。 格差社会の落とし穴が生々しく描かれていて、背筋が寒くなる。 もちろん、著者はこうした詐欺グループの思想に対し、主人公たちの生き方として、「善良に生きること」、「ルールの中で正々堂々と戦いながら勝利をめざすこと」を対置している。 小説としては、短編連作のような形式を取りつつ、視点と話者を変えたポリフォニックな話法で構成されており、最後にはプロローグの「ブレイクショット」のどんでん返し(あるいは肩透かし)と、意外な人物の種明かしまで用意されており、楽しめた。 | ||||
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間違いなく2025年最高傑作。時間をかけて読むことをおすすめする | ||||
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投資詐欺、インデックスファンド、NISA、youtube、LGBTといった昨今何かと話題になっている言葉が飛び交う世界で織り成される人間模様。国産SUVブレイクショットが糸のように物語の中に控えめに時には大きめに絡んできます。 読了後、何となくドストエフスキーの長編を読み終えたときに近い、心の底から沸き上がってくるある種の高揚感のようなものを感じました。(著者のお姉さんがロシア文学者ということから連想したのかも知れませんが) 映像化するならラストシーンはブレイクショットで決まりってとこですが(読んだ方ならわかると思います)、そのままだと絵的にはスコシージ監督の某作品のラストと似たイメージなので、どう工夫するか、演出家の腕の見せ所ですね。 | ||||
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評価は仮。 第1章でタワマンをあの世のようだと言ったのは、宮苑ではなく霧山の妻ではなかったか? | ||||
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読み終わるのが勿体無くて丁寧に読み進めた。 現代社会を生々しく描いているので、「今」読むことで面白さが増すと思う。 買って後悔の無い名作。 あと、ツイッタラーにはブッ刺さる。 | ||||
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