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彼女を見守る



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【この小説が収録されている参考書籍】
彼女を見守る

彼女を見守るの評価: 5.00/5点 レビュー 4件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(5pt)

芸術と歴史、そして稀有な友情の物語

稀代の芸術家の名前を与えられた軟骨無形成症の男と、貴族の娘が、ヨーロッパを席巻した二度の世界大戦に翻弄されながら友情をはぐくむ物語。

ふたりの奇想天外なただ筋を追っていくのではなく、芳醇で深い味のするワインのような描写を味わうと一層この小説の魅力は増すだろう。
封建社会とファシズム、そうして自由な民主主義を経て変化していく世界、世俗と宗教の断絶、単なる彫刻と芸術の違いなど、深み読みすればそれだけ応えてくれる稀有な小説だ。

できれば時間をじっくりかけて読んでほしい。私にとっては、ミシェル=ウェルベックの『地図と領土』以来の衝撃作だった。
彼女を見守るAmazon書評・レビュー:彼女を見守るより
4152104120
No.3:
(5pt)

久し振りの現代仏文学作品の快作

日本に初めて紹介された作家に出会え、久し振りに快作と思えるフランス文学作品に堪能致しました。
彼女を見守るAmazon書評・レビュー:彼女を見守るより
4152104120
No.2:
(5pt)

人生そして運命

今年NO,1の翻訳小説
悲しく切なく二人の人生が交錯する
美術好き,イタリア好きにはたまらない物語
ぜひ読んでください
彼女を見守るAmazon書評・レビュー:彼女を見守るより
4152104120
No.1:
(5pt)

イタリアに纏わる全体小説。<石>。<ピエタ>。そして、<熊>とヴィオラ。全てが愛おしい。

大部のためだいぶ時間がかかりましたが、この二十世紀のイタリアを描いた物語を堪能できました。イタリアを生きた一人の彫刻家のミステリアスな人生。
 フランス国境にほど近い北イタリアの修道院。1986年、ミケランジェロ・ヴィタリアーニ(ミモ)は臨終間際の己が生涯を思い返します。"軟骨無形成症"によって「小さい」男として生まれた彼は彫刻家として類いまれな才能を保持していました。イタリア北部、ジェノヴァに近い村、ピエトラ・ダルバ。オルシーニ家が支配するこの村でミモは教会や金持ちのために作品を作り続けます。そして、そこで彼は生涯見守り続けるであろう公爵令嬢のヴィオラと<出逢い>ます。ローマへ。ミラノへ。フィレンツェへ。
 ファシズムが台頭する時代のイタリア。この小説は悪しき全体主義とは異なり、まるでミモにとっての聖なる何ものかでもあるヴィオラのようにこの<世の良きもの>を体現する全体小説としてこれからも語り継がれることでしょう。
 ミモはヴィオラが空を飛ぶのを助け、決して見捨てないと誓い、ヴィオラはミモが同じ名前を持つミケランジェロと肩を並べられるよう力を貸し、決して見捨てないと誓います(22%あたり)。
 「シロッコ、ポネンテ、マエストラーレ、グレカーレ」。風に千もの名前があるこの世界の物語。
 語るべきことが数多くあるこの小説は、<石>についての物語ですから、私もまた<石>についての私的な思い出を語ります。数十年前、新宿に本社がある石材商社の仕事をさせていただいた時、商品マスター・アイテムのトップには”ビアンコ・カラーラ"の名前が輝いていました。カラーラで採れた白い石。それは私にとって美しい石の象徴でした。この物語は、その”ビアンコ・カラーラ"についての物語でもあります。
 また、ミケランジェロの<ピエタ>についての物語でもあるわけですが、それについては<訳者あとがき>をなぞることにもなりますので、語らずに済ませたいと思います。大切なものは細部にあるわけですから。
 そして、最大の魅力は、<熊>とヴィオラにあります。何故と問うことなく、皆様にはお読みいただければと思います。
 物語の種類は異なりますが、子供の頃『ピノキオ」が傑作だと思えたように本書もまた傑作です。
  □「彼女を見守る」(ジャン=バティスト・アンドレア 早川書房) 2025/3/17。
彼女を見守るAmazon書評・レビュー:彼女を見守るより
4152104120

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