雲をつかむ死
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
雲をつかむ死の評価:
4.67/10点 レビュー 3件。 D ランク
雲をつかむ死の総合評価:
7.64/10点 レビュー 33件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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飛行中の旅客機内という、言わば究極の密室・クローズドサークル状況で殺人事件が発生するという話は、現代では本格ミステリの一つのパターンになっているかと思いますが、旅客機がようやく世間に一般浸透しだした当時においてはおそらく先例のない試みであり、その点はさすがクリスティと感じます。
しかし、正直それだけの作品だな、という感想でした。
機上での殺人と言う(当時としては)物珍しい状況を抜きにすれば、全体的にストーリーもトリックもこじんまりとしており、ぶっちゃけ長編にするほどの内容ではなかったと思います。
またせっかくの機上での殺人という題材ですが、殺人が起きた後の捜査、解決パートは全て地上なのがもったいないというか肩透かしでした。
これでは別に飛行機じゃなくても、不特定多数の人間が集まってしばらく座席についてるような状況であれば、舞台は電車でも劇場でも成立してしまうようなストーリーとトリックですね。
どうせなら『オリエント急行殺人事件』のように、事件の捜査から解決に至るまで全て機内で行われたほうが作品のテーマ的にもエンタメ的にも良かったのではないでしょうか?
(私がクローズドサークル大好き人間だからそう思うだけかもしれませんが)
また今回はなぜか、実際に登場はしないにもかかわらず、『ゴルフ場殺人事件』でポワロと推理対決をしたジロー刑事の名前が、急に思い出したかのようにポワロの口から何度も出てきます。
『ゴルフ場殺人事件』のレビューでも書きましたが、犬のように地面に這いつくばって証拠を探すと言う捜査スタイルの、某世界的超有名探偵を皮肉ったようなキャラである彼は、正直最初からかませ犬感しかなく、ポワロのライバルになるほどの魅力も器量も感じないキャラだったのですが、そんな彼をポワロが皮肉る様子は、逆にポワロの方も少なからず向こうを意識して対抗意識を燃やしているようで、ポワロまで小物に見えるだけな気がしてしまいます。
そのジロー刑事に加え、作中のコカイン常習者を蔑む台詞といい、吹き矢という殺害方法へのディスりといい、この作品はなんだか随所にホームズシリーズへのあてつけ感があるのですが、クリスティ女史に「ドイルの小説なんか今読んだら全然面白くもないし出来もよくねーよ」的な意図がこめられていたならば、この作品もまた、時代的な価値抜きに今読むと面白いとも出来が良いとも感じない作品になってしまっていることに皮肉を感じますね。
(余談ですが当時の旅客機は客が通気口から外に物を捨てられたと言うのが驚きで、少し面白い薀蓄でした)
▼以下、ネタバレ感想