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私の男
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私の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全303件 261~280 14/16ページ
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「作者」は桜庭一樹なんて男性名を使っているがまぎれもない女性。女性ライトノベルライター。 この本では女の立場、女性の視点から見てパパに共依存する甘くてねちねちした様子を書いてるんだけど、 「直木賞」という期待の割に、地に足のついた描写が足りない近親モノ。(そこは北海道とか冬の海とかそれっぽいものを出してごまかします。) 過去の直木賞・芥川賞作品と比べてではなく、過去のライトノベルと比べて、巧いと思いましたね。 ただ読んでいて「ちょっと待てよ」と思った。 もしこれが男性の立場から、 男性の視点から、義理の娘に人格的・性的に依存して、殺人・近親相姦を犯し満足しちゃってる男、 「人も殺すし娘ともヤルけど幸せなんだよ。ウルセーな」という男を陰湿にねちねちと書いたとしたら、 男にとってぬるま湯の義娘との近親相姦世界を書いたとしたら、 たとえこれよりも内容が上だったとしても、直木賞はなかったでしょう。 あれだ。どっちも内容ペラッペラだけど、男おたく向けの兄妹モノはダメで、少女マンガの(例「僕は妹に恋をする」)近親相姦モノは大手をふって映画化OK!! っていうの。あれと同じね。 巧いけど キモいことには かわりない はいはいはいw 女向けならw 文学ですw >「不健全な妄想をここまで描ける体力はすごい。」 これでいいんじゃないですか。 | ||||
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他の方も書いておられたが、表現の稚拙さに唖然。昨今の直木賞受賞作は、必ずしもその作家の代表作ではないかもしれないが、力作・佳作が多く、読み応えのある作品が多い中、非常に落胆させられた。倒述法での構成の醍醐味は、時間を遡及していくにつれて、読者が思いもかけぬ仕掛けがしてあるところに妙味を感じるものだが、この作品の場合、先に行くにつれて展開がばればれで、とてもプロの作家の構成とは思えない。テーマ自体は、特に奇を衒ったとも思えず、掘り下げていけば面白いものだろうが、何ら人生に対しての示唆や、もしくは、反感・憎悪といったものを感じさせることもなく、ただただ昼の連ドラを見るように進んでいく。昨今、芥川賞受賞作家では女性作家の躍進が目覚ましく、また実力も素晴らしいが、今回はいただけなかった。しかし、この作家は、赤朽葉家の伝説シリーズではいい仕事をしており、なぜ、そちらでの受賞でなかったか理解に苦しむ。どんなに力のある作家でも、凡作はある。 | ||||
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取り上げてるテーマの是非はともかく、読書が娯楽だということを思い出させてくれた本です。胸が揺さぶられるストーリーと文章表現です。読んでおいて損は無し。 | ||||
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俺は男だし、まだ娘もいないので父、娘の関係はイマイチわかりませんが、想像し自分がこの父親(淳悟)だったらと考えると何だか気持ち悪いです。だからそんなことは考えないで読んだ方が良いです。 道徳とかモラル、人間の道に反するとは思うのですが、そもそもその道徳やモラルってのは人間がかってに決めたもので「何で娘と(父親)肉体関係をもってはいけないの?」と聞かれた時に「そんなの当たり前じゃん、モラルや道徳、倫理に反します!!そもそもそんなの人間の道に反しますよ!!」ってきっと言われると思いますが、それは社会がそう言っていて、その社会の中でモラルや道徳のある環境で育てられたからそう思う。のではないかとも思う。 これだけ深く相手を思っているのにもかかわらず、それが娘(父)である、肉親だからこそそこまで深く相手を思える。でもそれゆえに結局は別々の道を歩くことにする。そこが何だか切ない、と言えば切ない。 「こう見えて、悪魔だぞ。俺はすっかりおかしくなった。」もしかしたら父のほうがこれじゃいけない、って思ったのでしょうか。 | ||||
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平均評価が高いので驚いた。 内容は稚拙で日本語のレベルも低いし、話の平仄が合わず、いちいち引っかかって読みにくい。表現がとにかく気持ちが悪い(特に繰り返される「おっおっ」という台詞)。ミステリーとして一流との評価があったがありえない。 他の直木賞候補作品も読んだが、これが一番酷いと思った。 直木賞も地に落ちたものだ。 | ||||
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幸福と不幸が表裏一体となった人生の物語です。これだけ毒のある小説なのに読み進めていくうちに幸せな気分になりました。 | ||||
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直木賞受賞作ということで買って読んでみましたが、娘を持つ父親として、このような近親相姦は、余りに現実離れしていて、不自然に感じた。また近親相姦の箇所は、気持ちが悪くなり飛ばして読んだ。自分的には候補作の「警官の血」の方が面白かった。 | ||||
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話題作なので手に取ってみました。(どの書店でも平積み、大フィーチャーされています。) 近親相姦というのは小説の題材として珍しくはないと思いますが、物語として既視感を与えない作りになっていて感心します。ただ、思わせぶりな伏線が多いのはやや技巧にはしり過ぎかと。 親子なのに一線を越えた男女関係なのか、各々が満たされない親子関係で育ったからこそ、必然としての男女関係であるのか。お互いに本当に決心がついたのか否か別として、結局は訣別することを選んだからでしょうか、読後感は悪くありません。 ところで、小説におけるセックス描写に自分との類似点を見つけてしまうのは私の性癖でしょうか。(それって、多くの読者に共通することですよね。) | ||||
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個人的にはこういうダークな話は好きなのですが、世の人々はあまりそう思ってはいないようです。 確かに技術的にはライトノベルの延長線上にあるものだと思います。 冗長な情景描写や、人物の感情表現の不足もあります。 ですが、これは桜庭一樹独特の表現技法なのではないかと思います。 前作の『少女七竈と七人の可愛そうな大人』においても、同様のことが言えます。 登場人物の心情が書かれない代わりに、情景で人物の心情を表していることが多いです。 七竃と雪風の感情は殆ど書かれない代わりに、季節の変化によって七竃が独り立ちするまでの心の移り変わりを描いています。 『私の男』に戻りますが。 舞台になっている紋別の冬の海なんて、とてもではありませんが明るいイメージは持てないでしょう。(紋別在住の方、ごめんなさい) 同様に主人公の花と淳悟は非常に暗い影を持って生きています。 それを直接的に言わないのは、技法としてアリでしょう。 万人受けするかと言ったら、決してそうではないと思いますが。 淡々とした文章の中に、景色や心情描写の美しさ(鬱くしさ)を読み取ることができたならば、それはそれで良いのではないでしょうか。 ストーリーは時系列を遡っていく構成になっています。 最初に花の結婚式が描かれており、そこから段々と過去の話へ、そして花と淳悟の暗さの核心が明らかになっていきます。 第1章が時系列の最後になっているので、いきなり何を言っているのか理解に苦しむ、というか読みづらいと思います。 ちょっと読み方に気持ち悪さを感じるかとは思いますが、第2章まで読むことが出来たならば、最後まで一気に読めるでしょう。 読書家の方々には若干物足りない設定かもしれませんが。 一度読んだだけでは若干の消化不良を感じます。 二周目は逆に第6章(最後)から時系列どおりに読んでみたいと思います。 | ||||
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まず、六つの章のタイトルがよかったです。 だんだん過去にさかのぼっていくという、特殊な展開の本ですから、 読んでいるうちに時代がわからなくなったとき、助かりました。 そしてそれぞれの章で主人公が違い(うち三つは一緒ですが)、 その人物の一人称で語られているところが良くできているなと思いました。 正直言って1・2章は全体がなんだかぼんやりした感じで、 そんなに面白いとは思いませんでしたが、 3・4章で急展開、ドーンと奈落の底に落とされた感じ。 そして5・6章ではつらくなりました。 それはあまりにもこの二人の孤独の癒し方が、普通の人とは違う方向に行ったからです。 本文の中でも何度か出てきますが、やはり近親相姦というのは人の道に外れたことで、 それを認めてしまったら、ホントに何でもありと言うことになってしまいますよね。 物語としては面白く読めますが、この二人に同情したり、 共感することは決してないです。 ただ、「これはフィクション」としっかり割り切った上で、別の次元で読むと、 新しい切り口の小説として高く評価できます。 | ||||
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とてもよく書けた本で、一気に読むのがもったいなくて1章づつ読んでいきました。 現実には、この本の主人公たちのような人間はいないと思いつつ、人間の深い部分をえぐっていくような描写で、どんどん引きつけられていきました。 直木賞を取るまでは、著者を男性だと思っていました。 | ||||
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一風変わった親子の、欲望の物語。 直木賞受賞作であるが、それまでの桜庭一樹からは、少し毛色の違う作品です。 近親相姦や、共依存がふんだんに取り込まれており、 人によっては読んでいる途中で嫌悪感に苛まれるかもしれません。 この小説に共感は出来ないが、猛烈に惹かれてたことは事実です。 主人公の、花と淳悟は、作中に語られるチェインギャングの絵そのもの。 (二つの鉢から生えた貧相な木が、鉢を近くに置きすぎたせいで途中から絡り、一本の木になる状態) 彼らの関係は、共依存よりもっと醜くて淫猥で、 かつ枯れています。 この関係は突き放して見るしかない。好きだけど嫌いな作品です。 赤朽葉家の伝説の方が万人向けだと思うし、最後の一文の衝撃も上ですが、 私の男における最後の一文は、全部をひとつの言葉で射抜いた。 共依存よりも濃い、血の依存を書き切った筆致にも脱帽。 桜庭一樹はどんどん進化しています。 | ||||
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なんていうか結局、愛し合ってるなら、どうしようもなく孤独で私たちはお互いに唯一無二の魂から結ばれた存在だから、近親相姦しちゃっても人殺ししちゃってもOK!なんかそれだけの作者の自己満足(女の欲望、叶う事の無い渇望を単に描いた)の陶酔しきった世界の、浅い小説に感じました。全く共感出来ないとか、そういう事は無いんですけども。後、他の方がレビューに書いてある様に風景描写(第四章)が本当にしつこかったのも疲れたし、苛々しました。物語自体が読者を置き去りにして勝手に勝手な人たちが動きまわってるのを終始見せつけられてるみたいな。二人の存在の絶望的な孤独感とか物悲しさが理解出来ない訳じゃないんだけど、本当にこの二人(父娘)は身勝手で二人で一つな自己完結しちゃってるんです。(ならもういいじゃん!他に何が言いたいのって感じ)そして、物語に深入り出来ずこの作品を好きになる事が出来なかった理由は近親相姦のタブーだとかそんなんじゃなくて、魂を奪われた亡霊の様な娘の花の悪魔の様な女の本性、どろどろした情念、男を捕らえすべてを支配し支配される事を望む、哀しい迄の女という孤独で汚ならしい性と相反していつまでも甘ったれて執拗で幼稚な子どもの愛情に飢えて貪欲に欲する狡い部分をまざまざと見せつけられて、嫌悪感を抱き、共感出来なかったからだと思います。長々と自分の感情を吐いただけですみません。読み終わった後は特に哀しいとか切ないとか感慨深いものは無くて、ただ淡々とした虚無感に襲われました。少女七竈のあんなにも高潔で美しく切ない物語を描いた人とは思えませんでした。多分、この物語はある種の年齢が自分より上の女の人にだけ受け入れられるような狭い世界の物語だと思います。 | ||||
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何という本だろう。 <闇>の中に<闇>はないということでしょうか。 人間の掟やモラルが一切関わりない、二人の強い関係をどう読めばいいのでしょう? 物語は、華やかであるべき結婚式から始まります。 でも、この花嫁は後ろ髪をひかれているような、いないような奇妙な感覚に捉えられています。「けっこん、おめでとう」と語るその義父も離れがたい何かを持っているようです。 小説は、そこから時間を遡っていきます。語り手も章ごとに入れ替わります。日本語の三つの形態(ひらがな、カタカナ、漢字)を巧みに使い分けて、語られてゆきます。 そして、章が進むに連れて、二人の持っている過去の問題の謎が徐々に明らかになって行きます。 二人の見つめるものは、北の黒い海です。 二人の魂は絶望的に絡み合い、二人を同一化しているのは肉欲のみでなく、存在そのものにもかかわってしまっています。 最後まで読み終わり最初に立ち戻った時、二人の将来が見えてくるように思います。 | ||||
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インモラルな表現、現象はいまコミック・小説や映画から実際の事件までどこにでもすぐ見つかる時代だ。文学はインモラルなものに対し究極の局面でどう対峙しようとしているかが作品の価値のわかれめであろう。 ぞくりとする表現、ダークな雰囲気が濃厚なこの小説のどこに本当の真剣さがあるのか、これまでの著者の作品とともに考えてみても、いまだにピンとこない。 北海道、近親者間の愛憎、流氷、地震・・そのモチーフをつかった作品にいわずもがな三浦綾子氏の傑作『氷点』があるが、宗教さえ超えるような人間のモラルとの戦いの極限状況が描かれる著者の真剣さと比較して考えてみると、ライトノベルでストーリー作成のパターンを覚えた書き手が、「直木賞」を意識した一般文芸の舞台でその手法を巧みに踏襲したものにすぎないかもしれないという危惧をいだいてしまった。 エンタテインメント作品として水準は高いとは思いますが・・。 | ||||
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心を掻き乱される物語でした。 訳の解らない寂しさと恐ろしさが込み上げ、深夜二晩に分けて夢中になって読み耽った。一言でどう言えば良いのか解らず、もどかしくなる。ひらがなで表現された文体が一層恍惚とした冷淡さを引き立たせ、読んでいると冷え冷えとした光景が脳裏に次々に浮かんで来た。直接的な場面よりも触れる様な些細な描写は溶けそうな程に官能的で甘く、美しく、冷たく、そして残酷で魅力的。一体何処から壊れたのか。一体何処から狂ったのか。一体何処から間違っていたのか。一体何がおかしいのか。表紙の雰囲気と物語が見事にマッチしていた。ざわざわとただただ不安になる本。最後まで読み切った時、必ず最初から読み返し、様々な事を確認したくなるでしょう。読了した後、胸のざわめきがおさまらなかった。好き嫌いが大きく別れるだろうな、と思われる物語ですが…。しかし私にとってはパーフェクトな作品であり、ざらついた不安と物寂しさと美しさを知り得る事が出来て満足でした。映像、と言うか絵で表現した物が見てみたいとも感じた。漫画にするならジョージ朝倉さんか望月花梨さんあたりに描いてもらいたい。風に巻き込まれ舞い上がる花の髪、水滴や雪が舞い散る場面などをジョージ朝倉さんが絵にしたら、それは眩暈がする程に美しいだろう…。オイディプスコンプレックスやエレクトリカルコンプレックス的なものだけでは表す事の出来ない何かが混じり、背徳的な匂いが漂う不可思議な空間。時折感じる深い孤独と絶望感にとても良く似ている。桜庭さんが雑誌のインタビューで話していた肉親同士のナルシズムが見事に表現されていました。この物語を読んで、勿論嫌悪感を持つ人や、壊れた人間たちの理解出来ない姿に白ける人もいるだろけれど、狂った美しさと冷えた虚無感のある話に弱い方にはお勧め。 | ||||
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装丁が印象的で購入。なかなか読む時間がとれずにいたら直木賞受賞。 これは早く読まなければと2日で読みあげました。 禁じられた関係、近親相姦が大きなテーマですが、とどのつまり自分勝手な人たちがこれでもかと出てくるのです。陰湿なテーマを演出するために「北の町」、人間らしさをなくした生活の場を「拘置所そば」と設定するのはあまり好きではなかったです。好きになれない親を持っていたら何をしてもいいのかとも思いました。たぶん花はしあわせにはなれないでしょう。 | ||||
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久々に本にのめり込みました。一文一文の中に、さらに毛細血管のような血が通っていて、 ひとつもおざなりにできない印象を受けました。 父と娘は、お互いの空虚を寄り添うことで埋めるのではなく、 さらに吸い尽くし、奪っていきます。その向こうにあるのは洞穴のような闇かもしれません。 深海のような暗くて絶望的な場所かもしれません。 けれどそこに確かに存在する肉体に、わたしは震えました。 肉体は、確かに、存在するのです。いかなる絶望の中においても。 そして彼らの持つ空虚さは、おそらく、家族というものに真っ新な目で 立ち向かったときに、誰もが感じる空虚さではないでしょうか。 少々しつこいように思える、惇吾の容姿への形容は、 彼という人格を表すものになっています。なにを考えているのかわからない男。 そして時間の中で、どんどん薄れていく男。 近親相姦など、衝撃的な謳い文句がありますが、わたしはこれを 「家族」小説として読みました。 そうしてこうした「家族」小説を読んでしまうと、 これまでのフリーター系作家(角田光代など)が書いていた家族小説が ずいぶん稚拙に、ありきたりに思えてきてしまうから危険です。 この作品は、家族というものが持っている醜さも、温もりも、強さも、儚さも すべてあますところなく、容赦なく、射抜いています。傑作です。 | ||||
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人もうらやむ結婚をした花。それなのに、その目は、その心は、養父である淳悟を求めてしまう。憎しみをはらみながらも。なぜ、ここに行き着いたのか、この結末は必然だったのか。この原因を手探りするように、少しずつ二人の歴史を遡っていく。 突然断ち切られた想いをどうすればよいのか。行き場をなくした愛はどこを目指せば良いのか。読み進めて行く内に、そんなことを考えさせられる。 人知を超越する自然の力により崩された関係性を、人間がどう構築しなおすか。そのときに、誤ったピースを組み合わせてしまうこともあるかも知れない。枠外にいる人間は、それを間違っているというだろう。しかし、枠の中に他にピースがなければ、そうするしかないことだってあるのだ、きっと。 サムシング・フォー。結婚式でこの4つを花嫁が身に着ければ幸せになれるという風習。この一つである古びたカメラが思い起こさせる罪と愛の物語。 | ||||
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…タイトルがテーマかなって思いました。 お互いに、孤独で必要とされていない二人。 魂の温度が、生きていけるギリギリまで冷えてしまってる。 どうにか暖めあって生きていくために、 普通の父子の愛情の量ではとても足りなかった。 自殺しないために、生きてくために倫理を超えた関係が生まれていった。 …という風に理解しています。私は。 だからラスト後も恂悟は生きてると思います。 とにかく生きていく、自殺だけはしない、それが二人の無言の取り決めだと思います。 死にたいくらいの孤独を経験したことがあるかどうかで、 作品への理解が変わってくるのかも。 | ||||
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