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私の男
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私の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全303件 221~240 12/16ページ
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描かれているもの全てに、強烈な嫌悪感を感じる内容でした。 読み終わってから他の場所で「舌」という漢字を見たときに、思い出し背中がぞーっとしたぐらい。 しかしその一方で、暗く、重苦しく、醜い世界を生々しく描ききっている、著者の描写力の高さは認めざるを得ません。 そもそも下手な小説家は、小説が持つ世界観を読者に伝える力が不足しているため、読者に欲求不満は持たせても、内容に対する強い感情(感動にせよ、嫌悪感にせよ)を持たせることはできません。 ここでは直接的な行為、心理描写だけでなく、背景描写1つとっても、ネトネトとまとわり付くような不快感を与え、また、例えば「お父さん」でなく「おとうさぁん」と表記させたことにより、花の淳悟に対する「欲望」を、より強く感じさせるなど、隅々まで手抜かりなく描ききっています。 さらに、嫌悪感を持たせながらも、その世界に巻き込み、最後まで読ませてしまう、著者の筆力の高さも認めざるを得ません。 内容か、筆力の高さか、正直、どちらにポイントを置いて評価すればいいのか、非常に迷いました。 そんな時は真ん中をとることが多いのですが、その筆力ゆえ最後まで読ませられたけど結局、ストーリー展開に面白さは見つけられなかったことと、花が淳悟から離れ、美郎と結婚するまで至った、その心理の変化をもう少し詳しく描いて欲しかったこともあるため、星2つにしました。 | ||||
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がずっと頭に残るはなしだなぁと思います。嫌悪感がない人よりある人が多いでしょうが、私はさほど感じませんでした(^_^;)ここまで癒着?執着できる相手がいるなら、それはそれでいいのでは?自己完結に等しく、話としてはあれかもしれないけれど、周りを気にせず生きていける二人は弱すぎて強いのだなと思った。偏りきって狭い灰色の愛の話…。 | ||||
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正面から書いてはいけない物語だった。目をそらして話題から避けるのが妥当なテーマであった。目新しさや衝撃はないが、挑戦的な作品である。どこまでもほの暗く、悪夢のような物語だった。 人間の意志より深いところにある、例えば扁桃体がつかさどる生理的な部分に働きかけてくるようだった。 これまでの桜庭の、揶揄や皮肉やパロディの気配が、文体からきれいに消えている。相当な覚悟で書き上げた作品だという読後感だ。 | ||||
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読み終えて四日経つけど、私はまだ『この事』を考えています。近親相姦でもく殺人者でもない私だけれど共感してしまう部分が多々あり、誰もかもどうでもいい、このひとさえいればと想うことができ、しかも実際このひとのためならと何でもしてしまう二人が羨ましいです、正直。誰にも入れない二人だけの世界、どうにもならない二人の関係…。熱く、おもく、せつなく、苦しい気持ちになりました。たしかにほかのレビューにあるように『気持ちが悪い』と思ってしまえばもうそこで辞めた方がいいと思います。なぜかそう思わなかった私も、また、人間ではないのでしょうか笑 | ||||
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ライトノベル出身、父と娘の近親相姦…、敢えてこの小説を読まなくても、もっと他に読みたいものがあるし…、と「直木賞受賞」のニュースの後も、なかなか手を出さなかった(小説好きなので、かなり珍しいこと)。山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな」のように題名でギョッとさせたり、この作品のように「反社会的」「退廃的」なものを取り上げるというのは、どうも嫌悪感を覚える。その「キワモノっぽさ」で関心を集めようとしてるようにしか思えない。…と思っていたのだが、偶然「情熱大陸」でご本人を見てしまった。「このおとなしそうな人が、いったい何故そんなテーマを?」「どんな文章を書くのだろうか?」好奇心に負けて、手にとってしまった。取り上げるならとことん追求してくれ。「文学」として昇華出来てたら認めてやるよ(←なぜか上から目線(笑)!)そんな意地悪な気分で読み始めたのだが、これが共感もしない代わりに、テーマのわりに強烈な反感というものも催さない。こういうテーマな以上、これは問題なのではないか。「反社会的なのに」なぜか共感を覚えてしまった、あるいは、エゴイズムの行き着く果てを見せつけられるようで気分が悪くなった等…どちらか両極端じゃないと書いた意味がないと思うのだが。娘の方は分かる気がするのだが、父の心情が描けていないせいではないだろうか。キーワードとなる「私の男」はいいのだが、「血の人形」が巧くない。父から娘への形容で、これ以上の巧い言葉が書かれていたら、数段いい出来になったと思う。「インモラル」という訳ではないが、「退廃的」という意味では、数年前に読んだ車谷長吉の「赤目四十八瀧心中未遂」に、文学的に遠く及ばない。これも好きではないが、優れたものは好悪の情を超越して、認めざるを得ないものだ。 | ||||
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父と娘の近親相姦がテーマとなって、過去に時間を遡りながら物語は進んでいきます。 父も娘もある意味ストレートで、稚拙で純粋な愛を貫いています。 倫理の壁を突き破っていながら、どこか二人とも(娘はそりゃそうなのですが)幼く、無自覚なままです。 特に、父がどうしてこんな人間となってしまったのか、 過去に遡って物語が展開するのならば、もっと種明かしというか、描ききって欲しかった気がします。 ましてや、その後の二人についてももう少し書いて欲しいですし、 もっと読者に親切でもよかったのではないかと思います。 あと、二人も人を殺めてしまう必然性があったかなと…。 逃げ回れてしまっていることへの不自然さも気になりますし、どうにも違和感が拭えませんでした。 ただ、読むのを途中で止めちゃおうという感じでもなく、 いろいろ引っかかりを感じながらも、最後まで一気に読み切れたのは、 そんな矛盾、引っかかりを押しのける筆者の文章力、構成力なのかも知れません。 (かなり表現がしつこいところもあるのですが…) あとはラスト。 もう少し他の描き方があった、できたのではないかと思い、ちょっと残念でした。。。 | ||||
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本書を読んで強烈に残ったものとしては、「父親に‘何をされてもかまわない’」という『私』の父に対する一種偏狭な 愛情と、同時に娘を「おかあさぁん」と呼びながら求めずにはいられない父親のどうしようもなさである。 しかし、不思議なことに父と娘の近親相姦という非常に特殊なテーマを扱っているにも関わらず、娘と父親のリアリティ を描くことには完全に失敗していると言わざるをえない。ゆえに、あるいはこの本は純粋に恋愛小説なのではないか、と も思う。それも「セカチュー」なるブームを巻き起こしたぺらぺらの薄い幻想であるが。 失敗の基は色々あるとしても、 ・余計なことを書きすぎた (例えばミステリー仕立てに読める『私』(娘)と『淳悟』(父)の殺人だが、全く意味をなしていない) ・余計な人物が多すぎる (『私』の結婚相手である美朗 、『淳悟』の元彼女小町を始めとして登場人物に何らの現実感がない。これは人物設定が そもそも失敗しているというよりも、そもそも筆者は『私』と『淳悟』しか書くつもりが無かったかのようである。) の二点が一番大きいのではないだろうか。 要は人物、出来事ともにその現実感が極めて乏しいため、父と娘の近親相姦が単なる純愛にすら見えてしまうという残念さ である。作中に繰り返される「血」という文字も現実感を伴わない。 作者はこの本で何を書きたかったのか、少女の幻想をわざわざ近親相姦というテーマに置き換えなくとも、とまで思ってしま う残念作。直木賞はせめてエンターテイメントとして成功している小説に冠されるべき称号だと思うのだが。 | ||||
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読んだ後に単純に「時間を返せ!」と思ってしまった。 それが著者のあえての意向なのかは分からないが、主人公や登場人物に誰一人として感情移入も出来ませんでした。 それは主人公が殺した被害者に至っても。 そして、この物語の軸となる、近親相姦についても、ただただ腹立たしいだけ。 わざわざ過去にまで遡って文章を書いているのだから、どうして堕落してしまったのかの伏線が欲しいのに、いつまで経ってもつかめない。 そこまでの不幸を体験した人間はごまんとといるわけで、正直、花とジュンゴが近親相姦という大罪を犯すまでに至るまでもない人生のように思えた。 いや、そこに至るまでに感じた不幸が相当なものであったとしてもそれを伝えるまでの文章力が著者にはないのだと思った。 ただ近親相姦を正当化するために、「でも二人にはこんな過去があるんですよ」と著者が無理やり理由付けているようにしか思えない。 こんなのは家族の絆でもなんでもない。 それだけ血は濃いのだ、と説きたいのかもしれないが、生みの親より育ての親、私も子供がいるので分かりますが、子供を育てたら分かります。 著者の人生すら薄っぺらく感じてしまいます。 | ||||
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二人の愛情、執着は怖いほど・・・。 お互いが唯一無二の存在。 でも、二人をつなぐものは単純に「親子愛」だとはいえない。 その限度をはっきり超えているし、だからと言って単純に男女の愛でもない。 「共有する秘密の重さ」?「共犯者の意識」?「孤独感」? 幼いころから欲しくても与えてもらえなかったものを与えあい、補い合いあっているようにも見えて、 二人の深海のようなつながりに引きずり込まれそうでした。 物語は娘・花の結婚式を明日に控えた夕方からはじまり、 章を追うごとに時間をさかのぼり、最後の章でやっと二人が出会う場面が描かれます。 このスタイルだと結末が分かった上で読んでいくわけだから、 二人に穏やかな結末がないことを読者は知ってる。 でも、ラストが希望を感じさせるように明るく描かれていて、 二人の未来が明るいものになるような変な錯覚を覚えてしまう不思議なスタイルの作品です。 インパクトはあるんだけど、私がこの作品を評価できないのは・・・読者に優しくないから。 「描かれていないこと」の多さがもどかしく、そこに何があったのか非常に気になります。 それが二人あやしさを引き立ててるのだろうけど、読者としてはフラストレーションがたまります。 | ||||
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稚拙で複雑な愛である。そしてタブーでもある。 だがこのような愛も存在することがありえることもあるのだと。 これは筆者の筆力によるものであろう。 ふたりきりの世界で愛し信頼し合い、自分たちの関係を補い高めあいことで、親子であることも、家族環境も、とりまく周囲の人たちをも全てそれはふたりの世界観の中ではどうでもいいことであった。 ふたりの世界を継続していくためには、そのどうでもいいものたちが立ち入っていくことは許されない。そう考えると彼らが犯していく罪は必至のことなのかもしれない。 どのような葛藤があったのか、また、愛が複雑に変化し、離れようと決心するまでどのような気持ちを持っていたのか。このあたりの描写が欠損しており、想像するしかない。後半の4章、5章が内面の気持ちに迫っていただけに残念である。 共感は難しい。 生理的にも受け入れ難い。ってか、嫌。 が、いろいろな受け止め方ができる、複雑な作品である。 | ||||
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私が描いた淳悟のイメージは阿部ちゃんです! 皆さんはどうでしょう… | ||||
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最初は嫌やったんよ。話題にしようと思って奇抜な設定で作りやがって。みたいなね。でもこりゃ違う。 なんつーか。今までに読んだことのないようなお話だった。病的だな、とは思いながらもこんなに激しく愛されたいし、愛してもらいたいって思った。実際そのような環境にいたら、花(娘)のように、平凡な人生を歩まなきゃって飛び出したくなっちゃうのかもしれないし、実生活にも害及びっぱなしで無理なんだけどさ。 この世であなたしか必要ない、なんて一瞬思うならともかく、普通日常では味わえないこと。でもって、そこまできた心中カップルとか、周りから見れば不憫だし、滑稽にさえみえることもある。誰か責任ある大人が無理やりにでも引き離し、目を覚まさせなければ。って思うのも普通だと思う。いつもはそんな外側から見てるんだけど、この本を読んでるってことで、思いっきり中側から見てしまった。 本人が幸せならいいじゃん。それで済む場面と済まない場面がある。淳悟(父)は、お母さんに求めていた愛情を娘に求めた。そして癒された時期は確かにあった。もちろんその代償は社会的にも人間としても、大きなものを失ったけれど。では花は。花は前の家族でも浮いていた。別れは感動だった。そこから本当の心の通じ合う家族となれない可能性もないけれど、花の唯一の理解者は淳悟だけでしょ。その二人が暮らしていく上で、あの過程は仕方なかったのかな。と。まぁあくまでもフィクションとしてですけどね。モラルとか倫理観とか、この本に関していえば、もうどうでもいい。人間として越えてはいけない線がある、うんそれが通用する世界はものすごく広いだろうけどね。 「父と娘、してはいけないことは何もない。」「本当の親子ならそんなことしなくていい。」どっちもきた。 理解が消化不良。きっとここ一週間くらい様々な場面、会話、背景を考え続けるに違いない。 最終章とその前の章の、花と淳悟のやりとりは可愛かった。 | ||||
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読んでいて、気持ち悪くなった。 そんなにひつこく書かなくても、ちらっと読んだあたりで筋が見えてしまう浅さとか、つまらない。 で、最後はこれかよ?と尻すぼみ。え〜〜〜これが直木賞ですか? すぐに本を売りたくなりました。 | ||||
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読んで驚きました。嫌いな人もいるかもしれないですが、私は共感しました。これほど深い愛憎を生きる人間がこの世にどれだけいるか。どんなに苦しくても悲しくても浮かばれなくても、それだけで生まれてきた価値があると思いました。私としてはむせるほどの血の匂いを感じる小説でありながら、これは父と娘の物語ではないと思いました。 | ||||
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みなさん近親相姦などと書いてるが、この本も近親姦、つまりいたいけな9歳の子供に対する父親の一方的で非道な行為に始まっているわけである。相の字は使ってはいけない。 繰り返される性的虐待(これをそう呼ばずしてなんと呼ぶのか?)で一種のストックホルム症候群になってしまい父親と性的関係を持ち続け殺人まで犯す主人公。 確かに現実にある、そういうことは。悲惨なものだ。 しかし、文学という名の下での表現ならこういうことも許されるのか? 同じ内容なのに仮に作者の出身であるラノベや、エロゲーの世界でやったら、罵られ規制や処罰の対象になりうるというのに、 こういう直木賞受賞作品はR指定もなく作者のラノベから入った子供たちの手にも取ることができて、そういう影響を考えたりしないのか? このあたりの無神経さが、文学をダメにしていったのではないのか? あ、こういう内容で、出版社は本離れの若い人たちにでも売れればそれでいいという考えなのでしょうかね。 しかし、 文学と名がつくなら何をやってもいいのか? 確かにインセストものを扱った小説は古今東西多いかもしれないが、 今更この内容で、なにがしたかったというのだ? 表現の自由というならば自律性も働くべきだろう。選者の北方氏が あえて世に問うてみたというならば 私的には答えは「ノー」だ。 | ||||
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比較的読みやすい文章で思わず引き込まれてしまいます。 でも物語的には謎が多いと思いました。 ただ花と淳悟以外の人物描写が大雑把なのではないかと思います。 尾崎も花と淳悟の奇妙な関係はうすうす感じていたはずなのに、 そんな花の何がよくて結婚したのかがよくわかりませんし、 結末がわからないというか、結婚した花のその後が不明です。 どうなって終わったのか、はっきり結末が書かれていないのは 各読者が想像するものなのかもしれませんが、フラストレーションが 残ります。 現在から過去に話が遡っていく展開は、この話において ちょっとわかりにくい部分もありました。直木賞受賞作という ことで読みましたが、個人的には期待はずれでしたね。 | ||||
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この小説はミステリでもなく、恋愛小説でもない。親と子の絆にまつわる家族小説だと思う。近親相姦というものに対し嫌悪感を感じる前に、登場人物の身勝手さに嫌悪感を感じる前に、安っぽい共感なぞ求めずにこの小説を冷静な目で読んでみてほしい。彼等がなぜあの様な生き方しかできなかったのかを。確かに拙い文章かもしれない。暗く重くねっとりとして受け付けない人はいるだろう。しかし作者の桜庭一樹氏は年間400冊以上は読むかなりの読書遍歴を持つ人で、ガルシア・マルケスの血族の物語に深く影響を受けている。安易に禁断だとか倒錯だとかのテーマを用いたかったのではなく、家族の『血』に纏わる因縁めいたものを書こうとしたのだろうと思うこれは親に対して愛憎入り交じるアンビバレンツな感情を持った事がある人ならわかると思うが、血の繋がりというものはとても不思議なものだ。幼少期にどのような環境で育ったかによって人は大きく変わるが、その前に親とどのような関わりを持つかによって少なからずその後の人生を決定づけられることもある。親に対してコンプレックスの様なトラウマを持ち続けている人は少なくない。その様な抗いきれない鎖に囚われているのがこの小説の花と惇悟であり、二人は血の結びつきで他者では決して埋められない孤独感を埋めあっている。時に父と娘であり時に母と息子であり、恋人同士にもなれる、まさに完璧な関係。幼少の頃から花を縛り続けてきた惇悟と、そんな惇悟に答えながら、彼の人生から結局は抜け出していきたいと願う花。お互いが傷つけあって癒しあって、それでも互いに血に結ばれているという強烈な意識。二人の関係を通じて、こんなにも家族としての血の有り様を見せつけられるとは思わなかった。彼等が正しいとか正しくないかを考える前に、それ程の結び付きを羨ましく感じてしまう自分がいて、そら恐ろしい気分になる。安易なカタルシスや共感なんて求めてはいけない。読後考えこんでしまう小説を読みたい方は、是非読んでみてください。 | ||||
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複雑な生い立ちと人間関係に近親相姦、殺人、出自が絡む… そんなあらすじを並べれば、ドロドロの昼メロ劇になりそう。 それでも小説として読ませる作家の力量を感じました。 根底に流れている、一見ありふれた人生に誰もが抱える闇が わかりやすく描かれています。 個人的にシンパシーを感じる小説であり、とても気に入っています。 山田詠美の「風葬の教室」以来です。 目立たないように、世の中に紛れるように生きたい。 人生に意味など求めない。 ただひっそりと生きたい。 自分だけが知る甘美なものに浸る喜びを抱いて…。 ここのレビューでそうでない人の方が多いことが意外でした。 直木賞を受賞して多くの人に読まれることは良いことなのでしょうが…。 | ||||
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お互いを貪り合う父と娘。 読むごとに不快感が増してくる。それは「物語がつまらない」とかそういう不快感ではなく、もっとねっとりしたもの。ああ、それが「タブーを描く」ということなんだな、と合点する。 「家族なら、そんなことをしなくてもつながってられるのに」とかいう親父さんの言葉が全てを表しているような気がする。家族のようでいて、家族でないような、「普通」や「常識」の範疇にはない結びつき。「欠損家族」でお育ちになった方(たくさんいるし、もちろんまっとうに育ってる人もいっぱい知っているが)が読んだらどんな感想を持つのだろうか、ということが気になった。 | ||||
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「近親相姦」をバイアスとして描く父娘の人間関係。心理描写がもっと緻密かと期待したけれど、表面的な描写に留まっていて残念。 直木賞に値する書籍かと言われると疑問。 | ||||
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