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私の男
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私の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全303件 241~260 13/16ページ
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最初の章を読み始めたときに、足が震え、本を持つ手も震えました。 これは絶対最後まで読まなくては、と強く思いました。 読み進むうち、目を背けたくなるような描写もありましたが、 物語の世界観をとらえるために、1本の映画を見るように、耐えて読み進めました。 物語の終わりに近づくにつれて涙が溢れてきました。 最初の章にもう一度戻って読み返すと、やりきれなさでいっぱいになりました。 この作品が受賞して話題に上っていたとき、タイトルや広告の宣伝からは、 嫌悪感しか持てませんでした。しかし、たまたま「桜庭一樹 読書日記」を知人に薦められ、 作者の読書傾向や創作の様子などを知り、「私の男」も読んでみたいと思いました。 読んで良かったと思います。 桜庭一樹のファンになりそうです。 おそらく過去の作品も遡って読破したら、ファンと名乗っていると思います。 | ||||
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常識的に、モラルを第一に考えて読み進めると、主人公たちの心理状態にシンクロできなくなってしまいます。二人の境遇、それぞれがお互いに何を求め合っているのか、結果としての殺人は何を意味したのかーー。共感はできないけれど、一歩現実の世界から逸脱してこの世界観に入り込んで読むと、得られるものは十分にある。 感情移入の仕方に工夫をしないと嫌悪感を抱くだけかもしれませんが、感じ方は多種多様にできるであろう作品。一読の価値はあると思います。 私はこれから、2度目、3度目を読みたいと思いました。 | ||||
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重い内容ですが、「そうか」という肯定ではないが 納得する部分もありで、愛という概念、カタチというものを 考え、感じるものでもありました。 時が後戻りしていく文章は、背景をひもとくので また、この物語には、興味深さを増していると思いました。 「淳吾。」印象に残る名前となりました。 | ||||
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4部構成になっているこの本は、読み進めるごとに時代をさかのぼり、 視点を変えながら真実へと近づいていく。 数少ない登場人物それぞれの視点から語られる花と淳悟(父)の関係は、 決して美しいものでも切ないものでもなくて、 ただ淡々と互いが互いの存在をどうしようもなく求めている、非常に自己中心的なもの。 私は、その関係が非常におもしろく感じられた。 共感なんかできなくてもいい。二人さえよければいいと言わんばかりの関係が、 この話の「毒」となって読み手をひきつけるのだと思う。 綺麗なだけな恋愛話よりも、そこに人の弱さとかずるさとか、 そういうマイナスの感情が入って初めて話が生きてくる気がします。 人はそんなに綺麗な感情だけでは生きていないし、絶対に許されない関係だからこその盛り上がりが 絶妙な「毒」になるのだと思うから。毒の無い話なんてつまらないし。 意味の無い話といえばものすごく意味の無い話でしたが、私はとっても面白く読みました。 花と淳悟2人の愛情は、お互いの育ちの仲に起因する、親への歪んだ愛情。 渇望していたものを、お互いの存在で埋めていたのだろうと思う。 それを守るためなら、人を殺すこともいとわない。 ラストには「そこまで深い想いがあったのか」と驚かされました。 | ||||
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父と娘の 禁断の愛的な 内容を 知っていたので まったく初めは興味が なく 読む気がしませんでした。 ただ テレビ番組でこの作者桜庭一樹さんが出ていらして、この作品を書くにあたり、「食事も喉を通らなくなりながら、完成させた重い重いテーマ」と おっしゃっていたので、怖い物見たさに読んでしまいました。結論から 言うと、わたしは すばらしい作品だと 思いました。確かに 共感できる内容では ありません。が 人間の きれいさだけではない 生々しい汚れた部分が 匂いだったり、海だったり、寒さ だったり 流氷だったり… いろいろな 視点から 表現されていて、 さらにぐいぐい引き込まれてしまいました。 わたし自身、流氷のそばに住んでいるせいで、手に取るように、景色が目に浮んでしまいます。あんな 愛のカタチ… ありえません。 でも 人は 愛を知らずに 大人になることはできないんだなぁと 読み終えて 強く感じました。 そして、すごい体力消耗…疲れました。ほんとに重かったー…みんなに 簡単に 薦められるような作品ではないということで ☆4つ にします。 | ||||
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直木賞を取ったのは知っていたけど 友人からサプライズで貰ったので 「大賞を取った本」というフィルターなしで 読めたのが良かったと思う。 私(花)と養父(淳悟)の強くゆがんだ関係。 お互いにはお互いだけしかいない。 とても孤独だけどお互いの絆が全て。 書き方なのか分からないけど 思ったほど近親相姦的な印象は少なかった。 2人に罪悪感がなかったからなのかもしれない。 個人的に時間が行ったり来たりしたり、 章によって視点が違う書き方が好き。 でも小中学生時代の花が妙に大人っぽく、 それには違和感を感じた。 好き嫌いがはっきりしそうな話だと思う。 | ||||
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読みやすく、先へ先へと興味を駆り立てる文章は巧み。しかし、それだけに物語としては伏線はなく、登場人物の生い立ちが意外性もなく明かされていくだけの話。尻すぼみの読後感。最後のほうは読み飛ばしたくなった。ある意味、これほど読ませる文章を書きながら、登場人物にまるで魅力がない、興味がわかないというのも狙って書いていたならばすごい(意味はあるのかわからないが)山本文緒「恋愛中毒」と大鋸一正「ヒコ」を足して Aで割って、悪く手をくわえたような印象。 | ||||
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息苦しくなるような、湿度の高い物語。 私の男であり、俺の女である二人。 面白いんだけど、でも、なんだか入り込めない話でした。 淳悟のキャラクター、もっと魅力的になりそうなのにな。 何ゆえだらしない風貌なのに優雅なのか? そもそも作者の考える優雅ってどんなものなのか理解できず、 もしかすると作者すら優雅をわかっていないのかも知れず、 いまひとつ淳悟がつかめない。 おかあさんを貪り食いたいほどの熱を持っているけれど、 その理由も読めない。 その定まらない感じをわざと表現してたのかもしれないけど。 そして、地味で息を潜めて生きてきたのに、今風に着飾っているという花。 よくわかりません。 湿度があるけど、服も地味なんだけど、なんだか色気があるといわれたほうが、 私としてはまだしっくりくるんですが。 結婚相手がなぜ花に惹かれたかもよくわからない。 登場人物の魅力は表現しきれていないと思うけれど、 テレビのワイドショーにあるような、人間ドラマのつもりで読むと、 面白く読めると思います。 | ||||
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度肝を抜く。 読んでもなんだか愛というものをそれほどまでに身近にもとめなくても、 というわたしの心から反論がでる。 平均的家族には起こりえないフィクションならではの世界観なのか?? まずは読む事はたのしい。しかし、悲しい。 装丁表紙イラスト、目立ちたいへんに良い。 まー読んでみて彼女の作品はこれなのかな、ここがポイントなのかなと思う。 それを探すのも一つの読み方だろう。 推薦いたします。ぜひお買い求めください。 | ||||
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花と淳悟、二人のやりとりが恐ろしくもあり、美しくもある。 家族の愛とは何かとか近親相姦とか、そういう言葉じゃなくて 花と淳悟はただ愛し合っている。 それだけがストレートに伝わってきた。 読んでいて嫌な気分にはならず、むしろ変にすっきりした 気分になった。 こういうのも、ありなんだろうなと、ただ思った。 | ||||
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何処の本屋でも目立つ場所に置かれ、直木賞で、「一樹と言う名前だが女性」ということなので面白そうで買いました。 約380ページを6章に区切ってあり、また各章で視点が変わるのでちょっとした時間を使って読める作品だと思う。 また登場人物やストーリーも複雑ではないし、表現もわかりやすい方だと思う。 「ねちっこくて、暗くて、生温かくて、ジメジメしている」作品だと思うが、家族と恋人の「絆」の根本にある「依存」をテーマにしていると思う。 また「”それ”は、隠れて暮らしている」という表現と「チェインギャング」という絵がこの作品を象徴している。 全体的に尻つぼみというかボリュームにかける感があるし、複雑ではないので「禁断の愛」系の作品の中では軽い方に入ると思う。なので普段本を読まない人にお勧めだと思う。 | ||||
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「血の絆」への信仰にも似た憧れと執着の物語。 父と娘がどうしてそこに至ったのかを探る過去への旅を、読み手は体験することになる。 花が育ての父親から「生きろ」と捨てられる場面が、この物語の全てであるようにも思える。 | ||||
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たぶん、過去に遡ったり、登場人物ごとに章でくくる 小説は枚挙にいとわないが、桜庭一樹は、ワザとなのか 判らないが、下手な文が、とてもこの手法で生きている。 まるで手動のカメラのようにピンぼけになったり、ぐっ と近くに迫ったりする。 父と娘の関係は、単純化すれば男女になるのだろう。 男はマザコンであり、女はファザコンということが、 この本のテーマであった。 父と娘と言えば、遠藤周作の作品を思い浮かべる人 が多いだろうが、養子にした娘との親子の話しをここ まで深めるところはすごいな。 ほとんどの登場人物の容姿や服装の表現がでて来な い、シルエットのようだ。でもこのことが、かえって、 自分なりのイメージを作れた。 桜庭とは、あるいは類い希な才能があるのかもしれな い。もう少し推敲をすればと誰もが思うことだろうが、 この粗さも良さではないだろうか。 次作に期待し、星一つ落とした。 | ||||
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ねちっこい性描写には辟易したけど、それは読者の好みと体力の問題。この小説自体には必要なものだったと思う。印象の強い、面白い作品だった。でも、読点が多すぎるし、ライトノベルっぽい小さい字での表記や、あまり効果的でない「お」とか「えっ」の多様で一気に文章が軽くなる。ひらがなを使うには、もっと日本語らしい典雅さがほしいな。とはいえ、内容は濃い。読んで良かったと思えたのは事実。直木賞より、何かの大型新人賞の作品って感じかな。昔読んだ、佐々木丸美の「雪の断章」インモラル版にも思えた。 | ||||
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このくらいの愛情は、ありそうであるし、実の父ではなく、何となく遠い親戚のおじさんと両親を失った女の子との恋愛小説で、お互いが必要としているのであれば、こんな恋愛はありではないのかと思いますが、どうなのでしょうか?読んでいて、人をあやめるのはいけないと思いますが、それほどの問題作でもないような気がしました。 | ||||
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現実にはない話だが、感情移入して読むことができたし、内容が過去に向かっている形が個人的に新鮮で飽きなくてよかった。作者の他の作品も読んでみたいと思う。 | ||||
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登場人物の中で一番怖いと思ったのは、実はなにもかも知っていそうな美朗だった。 彼らの結婚に至るまでの3年間になにがあったのか、それが気になる。 | ||||
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直木賞作品は文学なのか? これはかねてから提されている問題である。そして、この作品を読む限り、直木賞はライトノベルの頂点と見るべきで、純文学ではないと断言できる。138回の直木賞と芥川賞は対照的だった。文学である川上未映子の「乳と卵」は、あまりにも表現が稚拙。そして、この「私の男」は、文章力だけが鬼気迫るほどに素晴らしい。だが、無論文学は「乳と卵」であることに、誰も異存はないだろう。話を「私の男」に絞るが、その作品としての最大の欠点は、リアリティの欠如にある。それは、物語のリアリティではなく、個人の体験としてのリアリティである。全てが頭の中で創られた物語であることは、殆ど心理的葛藤がない文体から、そして、非常に巧みなサスペンス仕立ての章立てから、明らかだ。しかし、そうなると、中途半端に文学のテイストを取り入れたのは、寧ろマイナスでしかない。純粋に筆力と筋立てを楽しむ娯楽小説ならば、「近親相姦」という難しい文学的テーマには手を出すべきではなかった。それに対する認識の甘さが、随所に出てしまうのだ。とりわけ、常識的な登場人物の口を借り、「人間は獣ではない、超えてはいけない一線がある」という社会モラルを何の衒いも無く、繰り返し訴えるのは、甘過ぎる。何故ならば、「近親相姦」は、獣は絶対にしないのである。野生の「インセスト・アヴォイダンス」は、競馬の種牡馬にすら働く。種馬すらが、自分の娘に種付けをすることを必死に拒む。人は、人間であるからこそ、禁忌を犯すのである。それが分からないというのは、作家としては致命的だ。浅い知識と浅い思考に、過剰な文学的装飾を施せば、分からない人間を騙すことはできる。しかし、技巧に走りすぎれば、その落とし穴に容易く陥る。桜庭一樹に文学者への野望がないのならば、今のままでいいだろう。単なるライトノベル作家で一生を終える気ならば、言うことなど何も無い。しかし、辻仁成のように、直木賞作家から真の文学者を目指すならば、今一度自分の内なる心の声と向き合う必要があるのではないだろうか。圧倒的に文章は上手く、それは句読点の位置からしておかしい川上未映子など、到底比較にならない。しかし、文学として足りない致命的な理由を桜庭には真摯に見詰めて貰いたい。 | ||||
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とてもおもしろい小説だと聞いていたので、ちょっとがっかりするところも多かった。特に過去に遡って行く形式は、おもしろいんだけど、過去に行けばいくほど作者のキャラへの入り込みが深くなってしまい、結婚式の日の花より九歳の花ちゃんのほうがおとうさんへの思い入れ強くなってる。ま、連載時はいいとして、本にする時は手直ししたほうがいいよね。63ページで「人に暴力を振るったのはこれが初めて」と言ってるけど213ページで8年前暴力振るってるよ、花。ここ、呼応しあう場面になるのだから、直したほうがよかった。 ……とかはもうどうでもいいや。腐野淳悟というキャラが凄いのよ。だらしなくて、時に狂気を孕んだ目つきになる、それでいてどこか高貴な感じを漂わせるモテる男。このキャラと、紋別の流氷と東京拘置所のそばのぼろいアパート、というふたつの舞台を設定した段階で、もう細かいところはどうでもいい。……美郎くんの両親みたいな人は、そんなアパートに住んでる女の子と美郎くんを結婚させてくれないし、興信所とかつけそうだよね……とかはもうどうでもいい。……てゆうか、悔しいなあ。せっかくこんなにいいキャラなんだから、もっとじっくり練ればよかったのに! | ||||
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タイトル・絵から、やらしいものを連想していましたが、意外に読み応えがあった。 花の性根の悪さと腐りきった性格に、最後まで何一つ共感できなかったのが、 逆に新鮮でした。 この作品は、彼女の行動の全てに、大きくWHY???がつきます(笑) 近親相姦がモチーフになっていますが、それにしても、あまりにもムリな描写連発で、 これが直木賞なのかっ!?ってカンジ。 桜庭に直球のエロさはいらないんだよな・・・とか思いながらも、 血縁の因縁という視点で見ると、これもまた、作者の 永遠のテーマに順じた作品なのでしょうか。 | ||||
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