「山の民」に置き去られた赤ん坊。

優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。

保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。

帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。

連続爆弾犯のアジトで見つかった、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。

娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心動かされる「傍聞き」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。

盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。

秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。飼い犬に引きずられての事故。

幼なじみ・サヨの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった。

「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。

轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。

結城中佐率いる異能のスパイ組織“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの諜報組織“風機関”が設立された。

わたし、まだオッケーかな。ガールでいることを、そろそろやめたほうがいいのかな。

合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。

シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

「人は誰でも、死にたがっている」「世界は絶望と悲惨に塗れている」でも僕は戦おうと思うんだ。

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。

恐妻家のＳＥ渡辺拓海はあるサイトの仕様変更を引き継ぐ。プログラムの一部は暗号化されていて、前任者は失踪中。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。

大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」を探して欲しい、という依頼を受ける。

オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。

両親を亡くし仕事も失った矢先に祖母がガンで入院した梨花。職場結婚したが子供ができず悩む美雪。

望むことは、罪ですか？　誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったＤＶ男との逃避行──。

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。

高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。

ささやかでありふれた日々の中で、たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか…。

傷ついた少年少女たちは、戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守ることにした…。

聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。

広大な干拓地と水平線が広がる町に暮す中学生のシュウジは、寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の四人家族だった。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。

みんな、しあわせなのだろうか。「考えるだけ無駄か。

伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。

13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。

再会は地獄への扉だった。十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、今鮮やかに蘇る―。

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。

両親の仇を、俺たちは流星に誓い合った--「兄貴、妹（あいつ）は本気だよ。

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。

ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。

「女だけの帝国」が誇る最強のハンター。その名はマリア。

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。

弟・襾鈴の失踪と死の謎を追って地図にない異郷の村に潜入した兄・珂允。襲いかかる鴉の大群。