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私の男
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私の男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全303件 21~40 2/16ページ
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年の差十六歳という、端から見ても奇妙な義理の父子関係が、どのように形成されたのか、過去に遡る技法で読者に明かされていく。二人とも重い罪を背負っており、いつしか濃密な情愛関係を築くことになるが、それは、決して、いやらしさもなく自然な形で描写されているのは、作者の筆力所以だろう。 | ||||
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腐野花(くさりの・はな)の結婚式の日だ。養父である淳悟が、盗んだ女物の傘を手に祝いに駆け付ける。 淳悟は花が十歳の頃からの父であり、男であり、唯一の家族だった。 因縁と愛欲の物語が時間を逆行しながら語られる。周辺人物が交代で語る趣向がストーリーに厚みをもたらす。 花の婚約者・美郎が語るバブル恋愛の薄っぺらさは、陰鬱な花ファミリーの半生と好対照だ。 スペックは高いのに幸福をつかみ損ねた小町は、女の業を感じさせる。 冒頭で提示されたカメラの秘密は、終盤で明かされる。 体液と汗が匂い立つような官能描写が続く。嫌悪を感じる人もいるだろうが、私は惹きつけられた。 完成度の高い官能的犯罪小説といったところか。 面白いけど、単なる家族の遍歴と言えなくもない。 フィクションを通して社会のリアルが浮かび上がるような力は、本作にはない。 桜庭さんなら「砂糖菓子」か「赤朽葉家」のほうが受賞にふさわしいと思う。 | ||||
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実体験の少ない女性(性愛)作家の描くセックスシーンは、 ほとんど妄想で描くので、筆がすべり、 イヤな感じに露骨で汚らしく、 その割にリアリティーが全くない。 オッサンからみると、逆に生理的に気持ち悪いんだよな。 窪美澄とかにも同じようなものを感じたな。 逆に男性経験豊富な女性作家、 たとえば、瀬戸内寂聴とか、山田詠美とか、 森瑤子とか、内田春菊とかあたりの セックス描写って、 絶妙な抑制が効いていて上手いんだよな-。 | ||||
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「私の男」と聞くと、寒さの厳しい雪国とあの部屋の情景がぱっと思い出されます。情景を見てもいないのに脳裏に焼き付いてしまいました。凄まじい力を持つ書き手、作品だと思います。 話が現代から過去に遡っていく中で謎がどんどん紐解かれていく構成も面白かったです。 ただどうしても、作品の核である淳悟の思考が理解できませんでした。 また、自分の中にふわっとあった文学さを含んだイメージが、実写映画のビジュアルを見たことをきっかけにすっかり身近なイメージへと差し替えられてしまい、淳悟と花の情事や関係への気持ち悪さが強まりました。 そのため、桜庭一樹さんのファンではありますが本作は何度も読みたいとは思えません。 | ||||
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北海道紋別が舞台の養父との禁断の愛。おたがいひみつはけっしてくちにしない。読んでいて私も淳悟に愛されたいっておもいました。 | ||||
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北海道の冬の暗い海とさびれた街が背景になっている。要は近親相姦の物語。自分の娘が9歳のときに引き取り、自らの心の闇(何故そのような闇を持ったのか読み取れない)を埋め尽くそうと異常な愛欲で「オレの女」にしてしまう。娘はその男を父親とも知らず「私の男」と慕い、二人だけの生活世界から抜け出せない物語。希望も何もない。愛欲シーンはへどが出るように醜い。やたらにタバコを吸うので読んでいても本の中からたばこの匂いが染み出てくるようだ。時間をさかのぼって物語は進むが、別にそうする理由はない。後ろの章から前へ向かって読んでいってもいいと思う。 | ||||
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ゴシックからファンではあったが未読のまま何年か過ぎた。ふと思い出して読んでみたがあっという間に読み切った。読書自体久しぶりだったが、桜庭先生の織り成す文書には退屈さや滞りがない。 なんだか心に残る、そんな話だった。 | ||||
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2人殺せば死刑というのが判決の相場である。孤独な2人が近親相姦としても魅かれあったという設定はいいとして、結婚式の場に警察が逮捕状を持って乗り込み、公判そして獄中日記さらに死刑執行の場まで書いて欲しかった。 | ||||
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作者が強い影響を受けたという倉橋由美子の「聖少女」は私も自身が少女だった頃に読んでその不思議な雰囲気に惹かれたものですが、こちらはその足元にも及ばない。とにかく人物描写が類型的で、頭の中のイメージだけで作り上げた人物像といった感じで全く感情移入できないし、心の闇を深く探ることもせず、上っ面だけの登場人物しか出てこないため物語の世界に入り込めない。全体的に漂う陰鬱な情景描写も尺稼ぎのように冗長なだけだし、一見文学的な文章だけど中身は空っぽ。長身イケメンで痩せたどこか影のある若い男が養父という人物造形がまず少女漫画チックで、そうすることで近親姦を美しく描こうとしたのかもしれないが、美化されすぎていて鼻に付く。AIが文学的表現を学習したらこんな感じのいかにも文学的な上滑りした描写をするようになるのかも。とにかくこの作品は一言で言えば文章を飾りつけてるだけで、訴えたい中身が何もない。中学生くらいの頭でっかちな文学少女が書いたみたいな話。 | ||||
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禁断の愛をミステリー・テイストを交えて描いた大傑作です。一組の”あり得ない”男女の愛を、”匂い”や”口腔感覚”といったフェロモン的な化学感覚の記述でリアルに描きます。時系列を逆転させた記述や仕掛けも素晴らしいです。 桜庭氏特有の「荒唐無稽」なファンタジー的記述もあるのですが、とても上手にリアルなラブ・ストーリー・犯罪小説の中に埋め込まれています。読者を瞬時に揺さぶる、メロドラマ的シーンも満載です。とても上質な非道徳的エンターテイメントだと思います。 | ||||
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最初の1文で、この本に引き込まれました。映画のように、リアルな情景が頭の中に浮かび上がってきて、とても不思議な感覚に陥り、そこから夢中で読み進めました。 正直に言うと、この作品は最初から最後まで歪んでいて、また世間のモラルに反したものと断言出来る作品です。耽美で退廃的な内容が好きな方にはいいかもしれません。けれども、矛盾してしまいますが、単純に耽美で退廃的な作品、とも言いきれないものがこの作品にはあります。 淳吾の歪んだ花に対する感情、認識。 花の暗く、排他的な思想。 これらはすべて、2人の境遇から生まれたものだというのはすぐにわかります。淳吾の父親は海で死に、そのあと母親が父親代わりに厳しく育てたために、淳吾は一番多感な時期に母親からの愛情を感じられなかった。そのために、自分と同じ血が流れている花に、母親の面影や愛情を求めてしまう。なぜなら淳吾の血が花に流れているということは、淳吾の母の血も流れているわけで。 なによりも血の繋がりを大切に思っている淳吾にとっては、花という女の子は自分が失ったもの全てを持ち合わせた運命共同体だと感じたとしても無理はないでしょう。 淳吾が言った、血の人形というのは、花は娘にもなれて母親にもなれる、いわば着せ替え人形のようなものであり、またそのままの意味で血が流れた単なる人形、つまり淳吾の所有物でもあるのかもしれません。 淳吾にとっては9歳の女の子の体をまさぐることも、それを確認するための行為なのかな、と思いました。けれどもいつしかそこには肉体的欲求も加わるようになり、満たされない寂しさや飢えを埋めるための手段に変わっていったのかも。 花も淳吾に似たような境遇で、家族の一切を亡くしたこと、また淳吾しか頼る相手がいないということから淳吾と闇に堕ちていく姿は必然的にも感じます。淳吾の原始的とも言える愛情、憎悪、寂寥を一心に受け止め、それを理解し解こうとする花の方が、もしかしたら淳吾より一層狂気じみているようにも思えます。淳吾の方が本能で行っているのであれば、花はもっと理性的にそれを行っているように感じました。けれども花も根本的には本能で淳吾という男を理解しており、淳吾とすべてを分かち合うためにどうしたら良いかわからず、ずぶずぶな関係を選択してしまうところは花はやはり淳吾の娘なんだと思ってしまう点でした。 親子だから何をしたっていい、花のこの発言には淳吾と本当にひとつになるためなら手段を問わない、そんな思いが滲み出ていて痛々しくも感じます。 2人はお互い同じ渇望や愛情の飢えを抱えて、持ち寄れば持ち寄るほど飢えに飢えて、満たす手段がわからず、ただ身体を重ねることで紛らわし、擬似的にひとつになることしかできなかった。 淳吾は父親を海で亡くし、また自身も海で死ぬことを悟っており、花は震災の津波で家族を失い、海というものは2人にとってかかせないものです。海は常にそこにあり、引いてはまた返ってくる。二人の関係も、寄せては返す波のように、ずっと変わらずそこにある。恐らく東京に行かず、ずっと北の大地で海を見ながら生活を送っていたなら、2人は分かれることにならなかったのでは、と思います。 淳吾と花には最後まで共感なんて絶対にできませんでしたが、随所にはっとさせられるところもあり、単純にいい内容、悪い内容、と言いきれない作品です。 けれども筆者が何を伝えたかったのかがわからず、ただどうしようもなくなった親子を描きたかっただけなのかな、と感じました。 また文章力はとても高く、むしろそっちで楽しませてもらったためこの評価にしました。 | ||||
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親しい友人に薦められて読みました。教えて貰わなければ、出会えない素敵な小説でした。 私は三周読みましたが、一番最初に読んだときは現在から過去へ逆行していく構成に、暗いトンネルを明るく照らしながら進むようなわくわくした気持ちと、怖いもの見たさのような好奇心があり最後まで読み進みました。もう僅かなページしかなくなり、「え?これで終わる?そんなバカな!」と驚き、そしてまた最初から読み返したという具合にグルグルと三周しました。 とにかくただ切ないです。 それぞれに犯した過ちはどれも、縋るような愛への渇望。よく似た父と娘のどこにもない特殊な愛情劇。胸に刺さります。 上手く生きることがどうしてもできない人はいます。世間の常識から零れ落ちた人間特有のサバサバした感覚、背負った罪の重さに枯れていく生命力をなんとかつなぎ止める男女。それでも、じゅんごは父として引き際を間違えなかったところに、最上級の愛情を感じました。私はじゅんごが、この作品が、大好きです。 | ||||
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田舎やそこに住む人たちの描写が随分具体的でそこにある固定概念みたいなものが文章からありありと伝わってきた。どこの田舎だったかまではよく覚えていないが雪が人の背丈まで積もる地域とあったので東北か北海道そこら辺だと考えるがいつの時代になっても雪が多く降る地域はこう物理的だけでなく心理的にも閉塞的になってしまうのだろうか。近親相姦を愛と謳うのもそうだがそれ以前に登場人物が恐ろしく感じた。子供を盗撮したり震災で親を失った子供の親権で争ったり子供を舐め回すように眺めるおぞましい大人等がそこにはいた。純粋にこの小説に賞を与えた直木賞に不信感をもった。 | ||||
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6章からなり、章ごとに時間軸をさかのぼっていくミステリー仕立て。 第1章で、どうやら共依存な親子であるらしいことが明かされる。 少女が「おとうさん」と甘え、養父と絡むので、 ふだん自分の親を「おとうさん」と呼んでいる人は、 うっかり一瞬でも自分の親の顔が頭に浮かんでしまうと吐き気がして、上手に本に没入できないと思う(笑 腐女子な設定は嫌いだが、読みすすむにつれて鼻につかなくなり案外ひきこまれていった。 北海道の端っこの小さな町の濃密なコミュニティや、暗い海の描写はいいと思った。 | ||||
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小説の章立てが年代を遡る形式で書かれていて、 第1章の結末を読んだ段階では、もう読み進め なくてもよいかなと思ったのですが、まあ読んで みようと読み進めたら、存外に良かった。 正直言うと、この作品のごときインモラルな世界 は好まないのですが、そこをねじ伏せられたような 感じでした。とくに流氷と老人の情景が秀逸でした。 愛しあっている人と無理矢理にでも離れなければ ならなかった経験があると、より感じるものがある と思います。 | ||||
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内容はセンセーショナルですし、読了感も善くないのですが、最後までするすると読ませて頂きました。 | ||||
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書評をみても分かるように、評価は2分されると思う。 倫理的な部分で受け付けない人には× 不条理、退廃、不倫理、非常識などを描くのが芸術と考えている人には〇 娘に対する強い愛情は多くの父親が持っており、その核の部分は描けているとは思う。しかし、ここまで非現実的な状況設定にする必要性があったのだろうか?娘を持つ多くの父親が、途中で読むことを放棄する程の嫌悪感を抱くに違いない。 善人である人達(文面からは全く悪人の要素がない)が、殺人の対象となり、それが何の落としもなく被害者のままで投げやられて終わりで良いのか 過去に遡っていくという手法は、翌年の直木賞受賞の「利休にたずねよ」と同じもので、新手法として評価ができる。しかし、その意義は最後で明らかになる驚愕の事実、が明らかにされる点だと思うが、想定内のことでしかない。 ここまで奇を衒う設定にしなくてはならないのか、そしてそうだとするとそのコンセプトは何か、などやはり凡庸な読者としては消化不良となります。 むしろ、殺された人達を悪人として、性的な絡みは消去またはベールで包み、かわいそうな親子の逃避行にはできなかったでしょうか? これだと平凡か? | ||||
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腐女子向けの本です。 作者の脳内AVの垂れ流しにしか読めない。 なんでもかんでもモラルを超えれば作品であるという風潮なのか。 じゃあ次は獣相姦でもテーマにしてろや、と思いました。 | ||||
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闇を抱えている登場人物たちの繊細な心の動きが、ドロドロしている状況の中に切なさを生んでいました。 主人公の花が、すごく特徴的な子だな、という印象でした。すごくクセの強い主人公と言いますか、読み進めるごとにくっきりイメージが浮かび上がってきて、読んでから結構な月日が経っても頭にイメージが残ってる感じです。今も何だか思い出せます。それぐらい強い印象を残す主人公ということで、やはり話の内容も、すごく濃いです。 淳悟の愛情も、儚くて、どうしようもなくて、やりきれない感じでした。どこかに救いがあってほしいなと思いながら読み進めていたんですが、救いはあるんでしょうかねえ。本音を言えば、もっと続きを読みたいです。この主人公たちの人生は、かなり興味深いものがありました。すてきな作品をありがとうございます。 | ||||
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読むのが苦痛というか嫌悪感すら抱いて気分が悪くなりました。 結局何がしたかったのかもよくわかりません。 本当に嫌悪感だけです。 | ||||
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