静人日記
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以前に読んだ「悼む人」、その関連作。死者たちを悼むために各地を旅する主人公、静人。 「悼む人」ではその静人の奇妙な旅そのものと彼を取り巻く人々を描く小説であったが、 この作品は、作者が静人の心象そのものを自らに投影するために三年間書きためた日記をまとめたものらしい。 それこそ、架空ではあるが200人以上の死者、おもに事件や事故、自殺などの非業の死をとげた人々を各地で悼む旅。 あまりにも淡々とした完全主観の日記風物語は、3分の2を読み終わったところで、かなり気分を滅入らせるものがある。 思えば、本にしおりを挟んでパタンと閉じた瞬間から死について考え始める、という得体のしれない心理状態の積み重ねが、 かなり自分的にこたえたんだと思われる。 まるで自分が追体験しているような気分になるこの文章力はすさまじい。悼む人を読んだ後に読むのをすすめる。 | ||||
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巻末の謝辞で本書の成立過程を読んで、ホッとした。実は本書に商業的なあざとさを感じていたからだ。でもこの作家に限ってはそういうことはないだろう、と言う思いが正しかったことが分かって安心した。 「悼む人」から続いて、この作品を読むと、静人の行動に再び心を打たれる。 同じ時期に読んだ「生き残る判断 生き残れない行動」(アマンダ・リプリー)に英雄的行動について「基本的には人は自分自身のためにそうしているんです。なぜなら、それをしないことで生じる結果に内心向き合いたくないからです〜(中略)〜利他主義者も一皮むけば、快楽主義者なのだ」という分析があった。静人の行動は英雄的というのとは違うが、行動しない自分を許せないと言う衝動はやはり自己を肯定したいための行動なんだろうかと考えてしまった。 彼はいつまで悼む旅を続けるのか分からないが、彼からの便りがあるたびに僕はそれを読んで、その足跡を一緒にたどると思う。 | ||||
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直木賞を受賞した「悼む人」のスピンオフ的な作品です。 主人公・坂築静人が旅をしながら記録した日記形式になってますが、 この日記、実際に毎日、作者が主人公になりきって書き続けてたものらしいんです。 天童さんの死に対する思い・・・ひとつひとつの作品を読むたびに深く感じます。 「悼む人」を読んだ時にも感じたことだけど、やはり私には静人のやっていることは静人自身の自己満足としか思えない。 頭ごなしに静人を「あたま、おかしいんじゃない?」とまでは思わないけど、彼の行いが死者の喜びになっているとなると違う気がします。 でも、私が意識していないだけで毎日毎日、死のない日は1日たりともない。それに気づいちゃうと気が重くなりますね。 新聞で痛ましいニュースを目にしても、一体どんな残忍な犯人がやったんだろって犯人の人物像は気になるものの、 亡くなったのがどんな人だったんだろうってとこまでは、よっぽどの肩書があったり、珍しい経歴がある人でない限り気にはならない。 つまりはその記事を痛ましい命の灯が消えたこととしてではなく、ひとつのニュースとしてしかとらえてないってこと・・・。 そんな自分が悲しい。 命のかけがえのなさ、改めて感じました。 | ||||
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「悼む人」の主人公、坂築静人の、日記という形態の物語です。 悼む人を読み、感動したからこの本を手に取ったわけですが、 最初読み始めたときは、あまりに淡々としているので、最後まで 読めるかとも思いましたが、後半、旅の途中で出会った人たちとの エピソードなど、天童さんらしく、さすがにこれは日記ではなく 小説なのだと思いました。 全く落しどころのない、静人の終わりのない旅ですが、それを ここまで読ませるのはすばらしいの一言です。 | ||||
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本作は、単純に天童さんの新刊と思って手に取ると、 大失敗します。 それでなくても前半3分の2くらいは、 個々に亡くなった人のエピソードが綴られているだけなので、 読み続けるには根気がいると思います。 ただ、特定の人物が何度も現れるあたりから、 先が気になり最後まで読むことができました。 本作は「悼む人」のサイドストーリーと考えても、 つらい内容でした。 帯封に”「悼む人」を超える感動”とありましたが、 残念ながらそれはあおり過ぎだと思います。 | ||||
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