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私の男



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【この小説が収録されている参考書籍】
私の男
私の男 (文春文庫)

私の男の評価: 3.33/5点 レビュー 303件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全303件 1~20 1/16ページ
No.303:
(5pt)

おっかない話

おっかない話です。救いが無い。でも一気読み。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.302:
(5pt)

映画より、よっぽど面白かった。

各章の時間が逆の配置になっている。
物語には、秘密が大切だという立場でいつも色々読んでいる。この時間軸が逆に設定されているところは、よい。
私のような何の変哲も無い人間からすると、全く別の人間の感性を疑似体験できて興味深かった。
改めて、小説って面白いと思った。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.301:
(3pt)

日本語がうつくしいです

文章力についてはさすが直木賞と思いましたが、内容はファザコン女の妄想話みたいです。不誠実なタイプだったはずの男性たちがなぜか主人公にはぞっこんになるという少女漫画チックな設定に加え、恋敵は無駄に醜い姿に成長し、唐突に凶暴性を現した主人公にボコボコにされます。母親にいたっては存在すら示唆されません。また、警察が見落とすわけないだろうという証拠を初動捜査で見落としており、ミステリーとしても成立していません。
余談ですが、映画はさらに低俗で、男性監督の視点を通してただのピンク映画になっていたのには脱力しました。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.300:
(4pt)

事前知識なしがオススメ

直木賞らしいがセンセーショナルな設定と、グロテスクで生々しい表現は読むのを何度も躊躇わせた。最初は、時系列を遡るなんてずるいやり口だな、そんなの絶対に面白いじゃないか、と捻くれながら読み始めたが、自分の想像しない方向に物語が何度も展開し、驚愕とした。中盤、花とあたらしいカメラの章は、息を飲む展開。終盤(序盤)は悲劇的な描写もありつつ、始まりを丁寧に丁寧に描いて終わった。逆行して謎解き、答え合わせがしたくなる2巡目がしたくなる。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.299:
(4pt)

読み応えのある作品だが、人に奨めるのは躊躇するか

この作家の作品を読むのは3冊目ですが、ライトノベルを書いていたという知識があるせいか、文芸作品的な本を読んでもどこまで作者は真剣に文学的な表現しようとしているのかを、つい疑いながら読んでしまうのが良くない点です。この作品も実際のところ、そういう疑いを抱きつつ読みましたが、読後に読んだ解説によれば、解説者の北上次郎氏が「まったく素晴らしい」と絶賛しているし、直木賞の選考委員の浅田次郎氏にも「文句なしに推挽させていただいた」と言わしめたそうなので、文芸作品としての価値はおそらく高い作品なのだと思います。

実際私も作品に感動したというほどではなかったですが、ストーリーとしては面白い作品だと思いましたし、読み応えのある作品でした。
ただ父と娘の禁忌を非常に生々しく描いているという作品の性格上、中途半端にこの作品のことを知っている人に対して、この本を読んだことを気軽に話すこともはばかられるし、身近にいる人に対して(特に女性に)奨める気にはならないですね。

ところでこの本の解説の冒頭で、「何の予備知識もなく、先入観もなく、ただ読み始めるのがよい。」と書いてありますが、私も解説者と同じ意味でではないかもしれないですが、この作品は、予備知識も先入観もなしに読むのが良いと思いました。
その理由は、この作品を読む前提として、遠縁の若い男に養女にされた少女の話だと思って読む方が多いと思いますが、読み進めると義父淳悟と娘花の正確な関係や、紋別出身の小町と淳悟の関係、また花の元の両親と淳悟との関係など、小出しにされる形で徐々にわかってくるので、自分がレビューを書いておいてなんですが、あまり前もって書評などで予備知識を仕入れてしまうと、この作品はつまらなくなってしまうと思います。

作品はamazonの商品紹介にも書いてある通り。現在から過去に逆に遡って描かれますが、章のタイトルに20××年×月と書いてあるので、話の順序とその時点での登場人物の年齢がわかりやすいですね。桜木紫乃の「ホテルローヤル」を読んだときに、同じように時間軸を逆に遡る話でしたが、はっきり年代が書いてなくて、よく読まないと話の順序がわからなかったのに比べると、時間軸はわかりやすいと思います。
また、全6章はそれぞれ花、花の婚約者の美郎、淳悟、小町の各人物の視点で描かれるのですが、たとえば「第一章 2,008年6月 花とふるいカメラ」というタイトルの「花と」の人物の視点で描かれていることに気づきました。

なお、作品の裏表紙にあるように、この作品は「内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌」を描いているのだとは思いますが、私は内容的にリアリティは感じませんでした。文芸作品に必ずしもリアリティが求められるわけではないのかもしれませんが、現実社会で養父や実父に性的な関係を迫られている少女・女性が、この作品を読んだことで、その行為が養父(実父)の愛情なのではないかなどと、無用な幻想を抱かないでほしいです。現実世界での娘に対するそういった行為は、まず例外なく父親の肉欲に基づく卑しい行為です。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.298:
(2pt)

自己愛的な物語

近親相姦という極めて重いテーマを扱っているにもかかわらず、描写が浅いと感じた。他のレビューでも散々言われているけど、上澄だけ掬っていいものではないでしょう。
主人公たちの特別さというか、ある種の退廃さ?美しさ?みたいなのを強調することがメインになっていて、殺人とかそういったものが全部単なる舞台装置にしか思えなかった。
そして結局、このまま二人してとことん堕ちていきます、とはならずに、花が普通に豪華な結婚式して、殺人の証拠と一緒に父親消えます、って…。いくらなんでも都合が良過ぎる。インモラルだからとかではなく共感もできない。
多分普通の善良な人と結婚してやり直したい、って感じなんだと思うけど、大塩のおじさんとか散々他人を蔑ろにして、殺人まで犯して今更それかよと。
結婚相手も、ステータス的には一般の人から羨ましがられるお金持ちで、都合良く花の陰の雰囲気に惹かれて、そして都合良く本当にヤバいことには気づかない…という嫌らしさ。
主人公たちに都合の良い自己愛的な話だと思った。
時系列が逆なのと、情景描写は良かったと思うので、惜しいような作品。背徳的な物語は結構好きな方なのに、合わなかった。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.297:
(4pt)

タブーを扱っているものの、それほど嫌な感じはしない

父娘のタブーを扱った作品。

衝撃的なテーマだが、それほど嫌な感じがしないのは、主役の二人(特に父親)に湿度が希薄だからだろうか。

物語は、現在から、過去に遡って親娘それぞれの罪が明らかになるという趣向である。花嫁となる娘の今、父親による殺人、彼女による殺人、そして極寒のオホーツクでの二人の暮らし…。まるでアルバムを捲るように、出来事がよみがえる。

語り手が変わるので、映画では分からない登場人物たちの心模様が明らかになる。徐々に真相が紐解かれていく楽しみは、時系列を遡る小説版の方が大きいだろう。名作である。

【直木賞】
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.296:
(5pt)

内容に反して読みやすい

分かりやすい内容だけど、非常にセンシティブ。
時系列が逆なので、この何とも言えない終わりを知りつつ、2人のそれまでの人生を見て行く流れがとても重い…。
でも二度読みしたくなる感じ。

浅野忠信と二階堂ふみで映画化されていて、2人とも気合いで演じている。
原作を読んだ人にだけ伝わるシーンがたくさんあるので、観ると面白いかも。
ちなみに映画は、花の子供の頃からスタート。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.295:
(5pt)

全編通して雨と灰色

読書好きには共感する人もいると思うんですが、私は本を読むと情景が映像で浮かぶ性質です。
で、タイトルにも書いている通りこの作品読んでる間の映像、常に雨と灰色なんですよ。
何度場面が変わっても同じ背景。作者のとんでもない情念を感じました。
内容が内容なので人を選びますが、一度は読んで損しない作品です。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
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No.294:
(2pt)

結局なんだったのか

現在から過去に向かっていくと言う話の作りは物珍しかったけど、結局何も解決しない。書かれている以外の過去と未来は読者のご想像にお任せします的な話なのかもしれないけど、それにしたって想像の余地が全くない。情景描写だけは詳細で美しくはあったけど、映像化を見越して書いてるのでは?と、思ってしまう。実際映画化もされているし。
腐野が母親に執着する理由も、花の出生も全くわからず終わる。ラストが気になって一気に読んだけど、自分には合わない話だった。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.293:
(3pt)

ほどほど感・基本気持ち悪いと思います

…恋愛期間中に「お前は俺のものだ」とか言われると舞い上がる時期ってあるよな…
知恵がついてくると気付いてしまうものだけど
異質な存在が家族からはじき出されて生き残るのがいかにもありそうな状況で
みなしご争奪戦をされるほど欲しがられてた子がなぜ弾き出される家庭内で育てられてんだろう
土地の実力者に一度は孫の嫁にと思われた子なのに、突出した「良い子」の描写もないからピンとくる部分がなくてその辺のニュアンスが分からなかった。「不憫」寄りで「嫁は下からとれ」みたいな感じなのかな?「天使」程にかわいいならラスト3Pのトコじゃなくてもっと前に出しといてくれれば分かり易いのに
これ程外で大っぴらにいちゃついてたら、ピンポイントに小町と大塩だけが気付くというのもヘン。あっという間に「公共の秘密」にならないか?
ミステリじゃないから整合性にうんぬん言うのもなんだけど、辻褄合わない部分がちょろちょろ気になって気持ち悪さから気が逸れがちだった
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.292:
(3pt)

極寒の地の描写が美しい。

オホーツク海に面した流氷の到来する町の描写が美しくてつい繰り返し読んでいます。ただ物語自体はずっと暗いし、嫌いな人も少なくないと思います。
以下ネタバレ含みます。

恋愛と言って良いのか?な男女の愛のお話ですが、この2人の関係上、どう頑張ってももう明るい世界で一緒に生きることは無理でしょう。真面目に考えてしまうと、性的虐待とそれに洗脳された娘だよな、と思いました。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.291:
(1pt)

肩透かしを食らった

GOSICKが面白かったので読んでみましたが、正直後悔しています。
他の方々が散々指摘している不快な描写もさることながら、辻褄の合わない部分が多く見受けられたり、ヒロインの『父親』の元カノの行動や玩具会社の御曹司がなぜヒロインを結婚相手に選んだのかとか色々と説明不足な点もあったり、挙げ句の果てにはヒロインが自分の結婚を機に他人の命を犠牲にしてまで執着していた『父親』をあっさり捨ててしまう結末にモヤモヤした読了感しか残りませんでした。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.290:
(5pt)

救えない

私は好き
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.289:
(5pt)

傑作

ずっと北海道の凍てつく冬をさ迷っていたせいで、腐野花という少女の心情に打ちのめされていたせいで、読後から自分を包みこむような現実の空気感と作中のそれとのあまりの落差に混乱しながら、今レビューを書いています。

レビュー欄には「気持ち悪い」から低評価をしている方が少なくありませんでしたが、私はこの作品の「気持ち悪さ」こそに魅了されたと言っても過言ではありません。

そもそもこの作品は、性描写に限らず、終始ほとんどの場面が「気持ち悪い」と言っても良いかと思われます。人間の本当の欲望なんてみっともなくて目も当てられない。近親相姦というショッキングなテーマが非現実的で信じられないようですが、みんな自分が幸せであれば他はどうだって良いと思ったことはないのでしょうか。

弱冠9歳にして家族の中でも自分は除け者だと本当のところは寂しく思っていた花ちゃんに、普段は冷たいような印象のあった父から貰った「生きろ」の深遠な意味が分かるわけがないじゃないですか。彼女はそれを「憎い」と思ったのは、直後に出会った老婆の思想にも影響されたかと思いますが、やっぱり自分は除け者にされたと思ったからなんだと、私はかなり納得させられました。「生きろ」と叫んだ義理の父には、他人の幸せを願うことは紛うことなき尊い愛だ、ということが人生経験の中でちゃんと理解出来ていたんだと思いますが、果たしてその深遠な愛がその当時の花ちゃんに分かるでしょうか。分かるわけがないだろうと、私は作者にそう強く思わされた気がしてならないのです。

血の繋がりというのは分かりやすくていいですね。面倒くさい人間の感情なんていちいち考えなくてもいいんです。ただ血が繋がっている事実だけが、淳吾の空洞のように満たされないさみしい心を埋めてくれるような気がしたんだと思います。最初は花のことを血の人形のように思っていたようだけれど、その血に実母の影を感じて自分勝手に縋ってしまったみたいだけれど、津波から月日を重ねるにつれ、また新しい殺人を犯してしまったり、悪い夢からどんどん冷めていっているような、気がしました。結婚の日の淳吾と花の心情はどちらも現実が信じられないという心持ちみたいですが、あの日の義理の父が言った「生きろ」に込められた健全な愛の意味を、少しでも理解してきてるんじゃないかなと、というか理解して欲しいと願ってやみません。

勿論その行為は「気持ち悪い」に決まってますけど、それを言うなら殺された2人のおじさんも気持ち悪くてたまらなかったですし、だから終始この作品はそういうものだと思っていました。

本当に不器用すぎる愛だと思います。本当のお母さんとお父さんにやさしく愛されていたならば、2人もお互いをやさしく愛してやれたと思うのに、それが欠損してしまっていたんだと考えて、最終的にひどく切ないような美しいようなで、私の心を締め付けてやまないこの作品はどう考えても傑作と言う他ありません。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.288:
(3pt)

構成はよいが、後頭部が熱くなる

現在から過去にかけて、主人公二人の過程を逆に描写していく構成。現在の状態に及ぶ流れと共に、その中にある伏線が解消されつつ、あいまいだったものが徐々に明らかになっていく部分でどんどん引き込まれた。が、描かれている関係性や気持ちが、自分の中で理解に苦しむ部分が大きく、頭がショートして熱くなるような感覚を覚えた
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.287:
(4pt)

実際にはあり得ないけど…。

あまり深く考えずに映画から見て、興味が湧き原作を読みました。原作は私自身と父親からしたら絶対にあり得ないです(笑)。ですが、この二人はたった二人の家族。家族に恵まれず、一人ぼっちで生きてきた二人。淳悟は花の事をずっと気にかけていた。花は自分の両親や兄妹に違和感を感じていた。淳悟は震災の最中ようやく花を抱きしめ、二人で暮らせるようになる…。原作の結果から言うと、淳悟がどこに行ってしまったのか気になります。非常に。二人は一つになりたくて、二人だけの世界に溺れます。ですが、花の成長や、起こしてしまった殺人によってそれぞれの考え方が変わり、心は少しずつ離れて行きます。花は淳悟と一緒に落ちていくのが怖かったのでしょうか?逃れたかったんでしょうか?でも私は二人の濃い血は決して離れないと思います。映画の血が降るシーンは、2時間前後の映像の中で、二人の関係を表すには良かったのかと思います。
性描写は、思ったより軽かったのか、私には嫌悪感はありませんでした。かつて山田詠美が、どの作品だったか忘れましたが、「ピアスの穴にも汗が通るのがわかる」と書いていて、ピアスを開けた後の私は「そんなのわかるかい!」と思ったので、桜庭さんの方がリアルに感じました。淳悟は浅野忠信の雰囲気がぴったりだと思うし、花はもうちょっと二階堂ふみより、色気がない子の方が良かったのかなと思いました。
あと、映画の中で、淳悟がもっと花の名前を呼べばよかったと思います。原作には花と呼んでいるシーンがたくさん登場し、愛しているのがよく伝わりました。
とにかく、よくも悪くも心に残る作品です。こんな面白かったともつまらなかったとも言えない不思議な小説は初めてでした。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.286:
(4pt)

堕ちた父娘の過去に遡る

amazon内容(「BOOK」データベースより)以下、

優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。
家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?
この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。
黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。

2008年、第138回直木賞を受賞。

 ※

映画化されてたみたいだが、観たくはないな。
読み物として、楽しもう。
楽しい内容とは真逆だが。

章ごとに年月が遡り、語る視点が変わり、場所が東京から北へ移り、
親子による近親相姦を軸に、殺人や地震による孤児、なんかをちらつかせている。
インパクト、あんどインパクト。引き込まれていけそうだね。
普通、物語って起承転結、事の始まりから進行していくわけだが、
現在(未来)から過去へ、遡っていく。未来へと進むでなくて。
未来へと進む為には過去を振り返らねばならないが、
それを知ってると、過去に何があっても結果オーライ、明るい未来だといいねと話の最後で思えた。
切望だと思うが。

物語を作ると、初めに読者を引き込む為にインパクトのある文章を書きたいものだが、
ちらちら気になりそーな事を述べながら、さて一体どういう事かな~っと読んでいく。
過去への遡り(以前、同じ様な手法を読んだな、どこかで…)で、この進め方が上手いね! と押そう(何を)。過去を語りながら未来へと、だね。

時々、泣けそうな感じは受けた。似た者同士と全く逆の立場。
親子の絆って深い。何故、禁忌なんだっけ。調べてね。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.285:
(4pt)

一読の価値はある

内容が内容ですので、好き嫌いはあると思います。「気持ち悪い」「気分が悪くなる」と受け入れがたい人もいると思います。反対に「至高の愛」と読む人もいるかもしれません。
好き嫌いを別とするなら、構成力も文筆力もたいへん優れており、こういう小説もあるのかと、読み終えてみて一読の価値はあったと思います。個人的には「好きではないけれど、すごい小説に出会った」と受け止めています。
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302
No.284:
(1pt)

読後感のカタルシスのまつたくない作品

文学として倫理観とか現実味がない、という評価は横に置いておいて、やたら文章の運びが巧いので、気持ち悪いなぁ‥と思いつつとりあえず最後まで読んでしまった。
読み進むごとに[私の男]と女主人公から呼ばれる男のタバコのヤニが纏わり付いたようなイヤーな感じが増してゆく。
吸い殻を執拗なまでに踏みにじる、そのヤニが広がる気持ち悪さが口のなかに広がる…
なのに性行為の描写が空想の域を出ない甘ちゃんな稚拙さで笑った。
章の運びを逆さまにしたら、少しはあざとさ消えるかなぁ、とか男が太っててビジュアル悪かったら成立しないな、とか考えていたら作品自体が作者の自慰的行為に見えてきた。
いくらご自身の美意識に叶わないからといってあの二つの殺人は乱暴過ぎるし処理の仕方がホラーチックで一気に覚める。
唯一、拓殖銀行の小町さんの章だけが血の通ったものに感じられた。
こちらも作者の悪意?でビジュアル大幅に変えられてはいたが…笑
私の男Amazon書評・レビュー:私の男より
4163264302

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