アメリカ先住民に伝わるお守り“ドリームキャッチャー”。人類を襲った侵略の悪夢は、その魔よけさえもすり抜けてしまったのか。

疫病解明のため、当該国の政治家や科学者からなる危機管理グループが結成された。

南極のアメリカ観測基地からの連絡が途絶えた。現地に急行した救助隊は、無残に老衰死した4人を発見する。

新世代携帯電話と高速ネットから妄想が続々と吐き出され、“リアリティ”がヤバいほど希薄になった現代ニッポン。

“異端の民俗学者”蓮丈那智。彼女の研究室に一通の調査依頼が届いた。

新庄行き山形新幹線のグリーン車に幾度も乗車する美女。かげり宿す美貌は、車掌の関心の的だった。

「親の敵……」夜の闇につつまれた猿子橋のたもとで、秋山大治郎は凄まじい一刀をあびせられた。

「名は秋山大治郎」とわざわざ名乗って辻斬りを繰り返す頭巾の侍。

その試合「負けてやれ」。

「まだ…まだ死ねぬぞ、まだ十人あまりもいる…」死病に冒されながら、世話になった村に巣くう無頼浪人どもの一掃を最後の仕事と心に決め、ひとり剣をにぎる中年の剣客・村松太九蔵。

「密室」とは、不可能犯罪を可能にするための、想像力の冒険である―。

藍子叔母は、いつも物憂げで無関心で孤独だった。まるで、心の内部に暗くて深い裂け目が横たわっているかのように。

恋するアイコがガーリッシュに悩んでる間も世界は大混乱!殺人鬼はグルグルだし子供は街で大爆発!魔界天界巻き込んで、怒涛の傑作、今ここに降臨。

お家乗っ取りを策謀する黒幕のもとから五人の刺客が江戸へ放たれた。藩政の非違を正す陰の組織を抹殺するためだ。

救急病院の患者を人質に立てこもる三人組。対する警視庁は500人体制で周囲を固めた。

弟は三年前、本牧埠頭に沈んだ愛車の中で発見された。腹をえぐられて死んでいた。

新幹線に乗り遅れたと、東京駅から新潟までタクシーを飛ばした女は、好物のはずの夕食の蕎麦をなぜ残したのか?―「乗り遅れた女」。

“クソは変わらず日付が変わる”をモットーに、メイン州の町デリーで育った、ジョーンジー、ヘンリー、ビーヴァー、ピートの4人組。

無数の不思議な光。一斉に森から逃げ出す動物たち。

ひと筋縄では行かない狷介な老大富豪、トロイ・フェランが高層ビルから飛び降りた。

ひと筋縄では行かない狷介な老大富豪、トロイ・フェランが高層ビルから飛び降りた。

「ごめん。もう、会えない」。

川崎、熱海、焼津、田川…わずかな手がかりをもとに、萄子は必死に婚約者の跡を追った。

謎の男娼、その名は「ギニョル」。純白の肌に口を開けた真紅の傷跡が、平凡な中年男だったはずの「私」の中の何かを壊した。

盲目の武士をやさしくいたわる托鉢僧――旅の途中で出会った、年老いた二人連れが何故か秋山大治郎の心に残った。

足軽という身分に比して強すぎる腕前を持ったがために、うとまれ、踏みにじられ、孤独においこまれた男。

著名なコラムニストのネルは、両親が事故で亡くなった時、両親がそばに立つのを感じた。

お家転覆の証拠書類を握って恐るべき剣鬼が国許から姿を消した。藩取り潰しを目論み、公儀隠密も暗躍する。

1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。

全長4000メートルの海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊。

どこの家庭でもありそうな、でも他人には言えない妻の悩み―夫との冷え切った関係、姑との対立、病死した一人息子への想い、受験生を抱えるつらさ、あるいは生活費の工面や、男友達との密会だったり…。

一人の男が道端で爆死した。製作中の爆弾が暴発し、死体は15mの範囲に散らばっていた。

あの人にも黄泉がえってほしい―。熊本で起きた不思議な現象。

秋山小兵衛の若き日の愛弟子が斬り殺された事件と、江戸市中の三か所で女が殺され、陰所と左の乳房が抉られていた事件。

二人そろって朴念仁(ぼくねんじん)ゆえ、らちがあかぬ……。

汗、恋、喧嘩、ツユだく大盛り! 工事現場で働きながら、もがき苦しみ笑い転げる青春真っ只中男たち。

江戸は元禄、用心棒青江又八郎は知らずしらず浅野・吉良の争いの渦中に…。凄まじい殺陣の迫力、沁みわたる市井の哀歓。

革命的な新型エンジンを搭載して処女航海に出た豪華客船が原因不明の火災に見舞われた。

有力石油会社の首脳を糾合したうえ与野党の議員ら要人を抱きこんで野望を果たさんとする巨魁ザーレ。

少年は、ひとりぼっちだった。思ったことをなんでも話せる友だちが欲しかった。

ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。

若衆髷をときほぐし、裸身を湯槽に沈めた佐々木三冬に、突然襲いかかる無頼の浪人たち。

音もなく小兵衛の前に現れ、「秋山先生に勝つために」、八年ぶりに帰ってきたとうそぶく役者のような若侍の正体は? 次々と道場を襲い相手を一撃のもとに殺していく魔性の天才剣士と秋山父子との死闘を描く表題作。

精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者/サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。

中学最後の春、東京からの転校生で、クラスの人気者だった桑島佳史が無惨な姿で発見された。

そしてまた今日もブレイクビーツ、見えない牢獄をたたき壊す渋谷ストリート、そこら中が国境線、二〇〇二年アメポンが生んだロストジェネレーションの咆哮。

あらゆる楽器に通じ異国の血を引く少年楽士・秦真比呂が、若き日の藤原道長と、平安京を騒がせる物の怪たちに挑む。

妹の死。頭を打ち、失った私の記憶。

サイパンの心地よい生活、そして霊的な体験。親しんだバイトとの別れ。

複雑な家庭環境の中、これまで会わずに育った「兄妹」が出会った瞬間から恋を育む──。

小兵衛と大治郎の親子が、ばっさばっさと悪を斬る。女武芸者・三冬も登場――。

四谷伝馬町の御用聞き・弥七、下っ引きの「傘徳」こと傘屋の徳次郎、 亀沢町の町医者・小川宗哲、そして居酒屋「鬼熊」の亭主・熊五郎……。

何不自由ない生活を送るモリーは、ある日突然夫殺しの罪で起訴された。誰が見ても犯人は彼女しかあり得ない状況。

ニューハンプシャーの夏のある月夜、22歳のブレットは恋人と出かけた湖畔でマリファナとワインに悪酔いし、気がつくと恋人の刺殺体を目の前にしていた。

「ここは平壌の郊外にある、秘密の地下基地だ」朦朧とした意識の中、麻矢の耳に響いた起伏のない声。

「医療ミス?まさか…」製薬会社の秘書・寺町麻矢が預かった写真に写っていたのは、白濁した内臓だった。

異端にして孤高の民俗学者・蓮丈那智の元に「『特殊な形状の神』を調査して欲しい」との手紙が届いた。

朝野さつきは高校1年生。中学時代、目の前で親友を亡くして以来、記憶を失っている。

怖い大人がいねかえら、脳ミソのぱさついた阿呆がのさばるんだ。生まれて来て、すみません、って思いを味わわせてやる―。

NYに住む早乙女隼と緒方真紀の元に届いた不気味な封書には、和歌の血書されたタロットカードが入っていた。

解体された神様、鉢合わせの泥棒、歩き出した轢死体、拳銃を拾った失業者、拝金主義の富豪―。

過激派による民族間の衝突が激化するスペイン。これを受けてオプ・センターは、マーサ・マッコールを現地へ派遣する。

「君を置いて行きたくないよ」。青年は背後から娘を抱きしめ、甘く囁いた。

さあさ、寄席「泡亭」の、お披露目でございます―。

9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。

日曜日、お父さんがいてお母さんがいて「僕」がいて、お兄ちゃんとお姉ちゃんは恋人がいて―。

昭和五十年、洋上にいる息子へ宛てられた母・晴子の長大な手紙。そこにはみずみずしい十五歳の少女がおり、未来の母がいた。

戦前から戦後へと続く母・晴子の回顧と独白は、彰之自身の記憶の呼び声となって波のごとく重なり、うねり合う。

はじまりはN国・T地方・Y県の通学列車。

はじめてのキスは乾いていて、なめらかで、日ざしの温もりをたたえていた―1960年の夏、ボビー、キャロル、サリー・ジョンの仲良し3人組は11歳だった。

1966年、ギャンブルが熱病のように流行し、学生運動の嵐が吹き荒れる大学時代が幕を明け、新入生ビートはひとりの少女に出会う。

時は1875(明治8)年。

心理学者でラジオのパーソナリティでもあるスーザンは、傍目には言うことなしの人生だが、両親は離婚、姉に恋人を奪われた苦い過去もある。

初めて彼女にキスした少年のあの夏、それ以上のキスが二度と訪れはしないことを、ぼくは知らなかった…。

1966年、ギャンブルと学生運動が吹き荒れる狂騒の大学時代が幕を開け、ピートはキャロルに出会う。

香港国際空港を離陸したジャンボ旅客機を突然強力な閃光が包む。光で網膜を焼かれた機長は死亡。

謎の閃光を調査するキャットは、ジャンボ機を追うように飛行していた小型ジェット機の存在を突き止める。

大阪から、加賀温泉郷や和倉温泉に向かう温泉客を乗せて北陸本線をはしる特急サンダーバード。

充分に準備したはずだった。バレるはずのない計画だった。

中国の大軍は北進を続け、ついにアムール川を越えた。阻止すべきロシア国境警備隊の守りはあまりにも薄い。

CIAが北京に確保した情報源〈ゾルゲ〉は、順調に中国中枢部の極秘事項を送ってくる。

「理解はできないが受け容れる」著者が学生時代を過ごした英国の下宿の女主人ウェスト夫人と住人たちとの騒動だらけで素敵な日々。

ある地方に伝わる奇妙なゲーム。秘密裏にゲームを引き継ぐ“サヨコ”のほかに、鍵を渡すだけのサヨコがいた―。

妹の死んだその日から、壊れてしまった父と母。彼女の「死後」を「再生」しようとする兄。

不動産会社で働くレイシーは、ある日死んだ娘の部屋を売りたいという依頼を受ける。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

前代未聞の怪異が村に跋扈する中、閑散とした病院の奥で、連夜密かに地獄絵巻が繰り広げられていた。

逃げ場のない恐怖の底に堕ちた村で、深夜、何者かの影が蠢き始めていた。

国家財政破綻の危機に瀕した中国は、シベリアで発見された大規模な油田と金鉱を手に入れようと画策を始めた。

モスクワで、高級売春組織の元締めの車が爆破された。実行犯らしき男たちの溺死体はすぐに発見されたが、犯人も動機も不明。

現代が喪失した「聖性」に文学はどこまで肉薄できるのか。舞台は異端信仰の嵐が吹き荒れる十五世紀末フランス。

185センチ・柔道部出身の「ウラ」、小柄ながら空手有段者の「イケ」。凸凹刑事コンビの共通点はキレやすく凶暴なこと。

人口わずか千三百、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。猛暑に襲われた夏、悲劇は唐突に幕を開けた。

「尋常でない何かが起こっている」。死者の数は留まるところを知らず、村は恐怖の連鎖に陥っていた。

人生に満ち満ちる、面妖な、ユーモラスな、不可解な、謎、謎、謎。

合同捜査という名目とは裏腹に各国の思惑が交錯し、虚々実々の駆け引きが展開される。

異常気象で溶けたシベリアのツンドラ。その下から、後頭部を撃ち抜かれた男女三名の死体が発見された。

仕事にでかける千吉は、髭剃りあとに化粧水のオイデルミンをつける。きつく褌を巻くと、最後の仕上げに、女の腰巻をつける。