(短編集)

峠 慶次郎縁側日記



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『峠』慶次郎縁側日記 (朝日文庫)

2023年06月07日 『峠』慶次郎縁側日記 (朝日文庫)

富山から江戸へ向かう道中、山深い碓氷峠であやまって人を殺した薬売りの若者。江戸で別人として生きようとするが、過去を知る者たちに狙われる。善良な人間が一瞬の過ちで人生を踏み外してしまう、人生の悲哀を描いた「峠」ほか、短編7編を収録。(「BOOK」データベースより)




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No.3:
(4pt)

三分の一

久しぶりに読み返してみた。

小説と言うものは、読み手のその時の心情に敏感に反応し、様々に顔を変えるものだと改めて思わされたのは「三分の一」を読み終えた時だった。

こちらの善意や思いやりが通らず、逆に嘘八百を並べ立てて名誉を汚そうとする事に躍起になる隣国の事を思い出したのだ。

我が国と隣国との間に、晃之助のような仲介者が現れる事はあるのだろうか。
峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)より
4101414173
No.2:
(4pt)

口説きと語りに身をゆだねる愉

「慶次郎縁側日記」シリーズの第四弾。NHKあたりの連続時代劇でドラマ化されたら、きっと地味ながら見応えのある大江戸人間模様が深く心に残る映像になるだろう(と思っていたら、これはすでに放映済みだった)。シリーズの最初からじっくりと読み進めていたならば、たぶん先を読むのが惜しいほどのコクのある物語体験を味わえたのではないかとも。残念ながら本連作の登場人物たち、とりわけ元定町廻りの同心にして今は隠居の身で酒問屋の居候・森口慶次郎の魅力がまだ腑に落ちない。私の中で、北原亞以子の人情譚に耳を傾けるフォーマットが出来上がっていない。口説きと語りに身をゆだねる愉悦。もう少し読み込んでいけば、そういった極上の時間を堪能させてくれる器になりそうな予感がする。
峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)より
4101414173
No.1:
(3pt)

派手さはないけれど

捕り物の派手さはないけれど、人の感情の機微の表現には毎回うなってしまう、このシリーズ。
慶次郎、晃之助といった主役格が、登場するのがだいぶ後だったり、まったく脇のような描かれ方なので、毎回違う短編を読んでいるようだ。
共感を抱くようなキャラは少ない。毎回、人をうらやむ負け犬のような、「幸せ」を感じずに生きる人間が出てくる。
また、用意された結末も、「幸せ」を約束したものではない。どこかへつながるような、ここで終わってしまうような。
割り切れない思いを感じながらも読んでしまうのは、自分とシンクロするような話があるから。
「蝶」は、夫婦喧嘩したときの、心理状態ってこんなだったよな、と改めて思った一作。夫に虐げられ続けてきた妻の逆襲が始まるのだが、夫に押さえつけられ、まともに前を見て生きてこられなかった妻の心理、なんだかわかるのです。私の場合、押さえつけてたのは夫じゃなくて、かつての上司なのですが。
峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:峠―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)より
4101414173



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