オーデュボンの祈り



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

6.05pt (10max) / 20件

6.34pt (10max) / 151件

Amazon平均点

4.01pt ( 5max) / 342件

楽天平均点

4.03pt ( 5max) / 2614件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
67pt
サイト内ランク []C総合:1641位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

27.43pt

35.57pt

2.86pt

49.14pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2000年12月
分類

長編小説

閲覧回数17,094回
お気に入りにされた回数19
読書済みに登録された回数301

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

2003年11月28日 オーデュボンの祈り (新潮文庫)

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.05pt

オーデュボンの祈りの総合評価:7.91/10点レビュー 362件。Cランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全20件 1~20 1/1ページ
No.20:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

奇想天外でポップな、斬新過ぎるミステリー

第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した、伊坂幸太郎のデビュー作。シュールな設定のファンタジーであり、殺人事件の謎を解くサスペンスであり、軽快でスピーディーな会話が楽しい、完成度の高いエンターテイメント作品である。
衝動的にコンビニ強盗を働いて逮捕されたのだが、連行するパトカーが事故を起こしたために逃走した伊藤は、気が付くと全く知らない部屋にいた。訪ねてきた男・日比野が言うには、ここは仙台の沖にあるのだが、江戸時代から外界から遮断されている島だという。島の住人は奇妙な人物ばかりで、さらに、人語を解し未来が見えるというカカシは優午という名前を持ち、島の人々から信頼と尊敬を得ていた。伊藤が島に来た翌日、カカシの優午がバラバラにされているのが発見される。誰が、何のために優午を殺害したのか? 伊藤と日比野たちは事件の謎を解くために、島の人々に話を聞き回るのが、人に会えば会うほど謎は深まるばかりだった・・・。
舞台の設定、登場人物の設定がとにかく型破り。現実離れしたお話が展開されるのだが、ストーリー展開には妙なリアリティがあり、読者は現実世界のことを想起しながらストーリーを追うことになる。しかも、犯人探しミステリーとしても破綻しておらず、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞したのも納得できる。
その後の伊坂幸太郎ワールドの原点として、伊坂ファンには絶対のオススメだ。

iisan
927253Y1
No.19:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

心くすぐられ、そして満たされ

2000年代のミステリシーンを代表する作家となった伊坂幸太郎の、奇想天外なデビュー作。
しかし奇想天外でありながらこの上なく爽やかで、そしてヤバい。

数あるミステリを読んできたが、人語を話し、未来を予測する能力を持つ案山子が殺される事件を扱ったミステリはまさに前代未聞だ。

それを筆頭に嘘しか云わない画家、園山や島の秩序を守るために殺人が許されている桜と云う男。天気を当てる猫に、300キロを超える大女など不思議の国に迷い込んだかの如き世界が繰り広げられる。

こういう風に書くとディキンソンのような過剰に異様な世界ではなく、牧歌的で寓話的なところが特徴的だ。案山子が優午と名付けられ、少し先の未来を予見できることが普通の日常として受け入れられるような普通に満ちた世界が荻島にはある。

この荻島と云う不思議の国の成立ちまでも伊坂氏は細やかに設定している。
150年もの間鎖国状態であり、独自の秩序で生活されている荻島という孤島。しかし鎖国状態でありながら、腕時計や洋服、車も走っており、どこか胡散臭さを感じる、テレビのセットのような作り物めいた世界を感じさせるこの島はその由来を伊達正宗の時代にヨーロッパへ渡った支倉常長によって隠密裏にヨーロッパと交易を成すために開かれたとされている。

さらに言葉をしゃべる優午の成立ちさえも時代小説の体裁で語られるのだ。それはお伽噺のようなエピソードであるが、その物語の強さを感じるお話には妙な求心力がある。

そんなゆっくりとした時間が流れる荻島でも犯罪はある。婦女強姦から弟殺しと云った残酷なエピソードも挿入される。
それはどこか「桜の木の下には死体が眠っている」という言葉のような、至極平和な生活に潜む闇のように。それら犯罪者に引導を渡すのは警察ではなく、桜と云う名の殺し屋だ。人を殺すことを認められたその男は寧ろ日常は異常な世界と共存して成り立っているのだと我々に知らしめているようにも取れる。日常生活を営む中で、我々が食む牛肉や豚肉を生産するために、知らない所で屠殺が行われているという惨たらしい事実のように思える。

対象的に極悪非道的な恐ろしさを見せるのは伊藤が逃げた仙台で元同級生で警官の城山のパートだ。
警官でありながらも人間の偽善性を試すように一般人の日常を暇つぶしに蹂躙する非情さを持っている。しかも感情で心を乱すことはなく、冷静かつ冷徹。城山によって囚われの身となった伊藤の元彼女静香の言葉を借りれば、まさに無敵の存在だ。

そして物語の終盤、それまで伊藤の目を通して我々読者に島民たちの奇妙な振る舞いや行為がパズルのパーツが収まるかのようにカチカチとある一点に収束していく様はまさに壮観。

しかしなんという世界観なのだろう、この作品は。
こののどかな営みの中で起こる人の死は決して少なくないのにも関わらず、それをあるがままに受け入れ、日常が続いていく。それは一種、天藤真氏の作風にも似ている。
そしてただ単純に穏やかで平和な世界ばかりが描かれるわけではなく、きちんと傷ましい事件や残酷な所業も挿まれる。それはこの世は決して綺麗事だけでは成り立っていないのだと我々に諭すかのように。

とにもかくにも島の住民日比野によって紹介される一種変わった島民たちのエピソードや過去、そして時折挟まれる伊藤の祖母の語りなどは実に示唆に富んでおり、日常生活で出来た心のささくれのどこかに引っかかってなかなか離れない。
それは教訓と呼ぶほどには説教じみてはないのだが、普通に過ごしていて忘れがちな約束事を思い出させてくれるかのような但し書きのように気付かせてくれるのだ。

名セリフに溢れた本書の中で私が最も印象に残ったのは優午が島唯一の郵便局員、草薙を評した言葉だ。
「彼は花と同じで、悪気がありません」
こんな文章に出逢うだけで私は何だか幸せな気持ちになってしまう。

物語の中で唯一暗い光を放つ存在、城山も静香を人質にして荻島に渡る。この物語の中で最もスリリングなのがこの城山のパートなのだが、実に爽快な始末の付け方を伊坂氏はしてくれる。

そして物語は唯一残った謎、「この島に足りない物」の謎を解いて実に気持ち良く終えるのだ。

ああ、まだ私の胸に留まる伊坂氏が残した歓喜を挙げたくなる嬉しさにも似た何かが心くすぐって堪らない。
なんと優しさに満ちた物語か。
なんと喜びに満ちた物語か。
こんな物語を紡ぐ作家が現れたことを素直に寿ぎたい。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
No.18:
(4pt)

シュールすぎる世界になんと反応すればいいのかわからない

てっきり外界から隔絶された孤島を舞台にした殺人事件を取り扱うコテコテのミステリかと期待していたので
(実際それで間違ってないといえば間違ってないのですが)シュールな設定や登場人物に面食らってしまいました。
本当に正真正銘外と「鎖国」状態の島の上、そこにいる人物たちが個性的ってレベルじゃない
不思議の国のアリスやムーミン谷レベルの奇妙なキャラクター達で
この作品を「推理小説」として読もうとしていた自分が間違っていたのかもしれませんが、世界観に追いつけませんでした。

正直面白いとも出来がいいとも思わなかったですが、作者が稀有な才能の持ち主というのは伝わって来ました。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

マリオネットK
UIU36MHZ
No.17:
(4pt)

オーデュボンの祈りの感想

やはり処女作だからか、まだ洗練されてない感じ
最後の伏線回収も物足りなかった

mick
M6JVTZ3L
No.16:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

オーデュボンの祈りの感想

!

hiloaki
QC6TR8ZY
No.15:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

オーデュボンの祈りの感想

よくこんな設定を考えますよねえ。
でも面白かった。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

レッダーン
JX3FQ5JY
No.14:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

オーデュボンの祈りの感想

未来が見える案山子がしゃべる・・
独特のルールを持つ島の住人・・など、奇抜な設定ですが、すんなり入れました。
謎解きのように回想がはいり、納得しながら話を読み進めることが出来ます。
物事は複雑に見えて、原理は単純なもの。
人の未来も、単純な願いから始まるってことでしょう。

Hidezo
GX0TU62Y
No.13:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

オーデュボンの祈りの感想

かかしが喋るなんて、最初は入り込めないと思ってたけど…最後には伊坂さんにはまりました。伏線回収とか結構好みでした。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

harumikko
88D0NATP
No.12:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オーデュボンの祈りの感想

伊坂幸太郎のデビュー作ですが、作者の才能を感じる作品です。
ファンタジーな世界につかりながらも独特のテンポの良い台詞回しで、読んでいて飽きさせませんでした。かかしがしゃべったりと独特の雰囲気のため、入っていけない人はダメかもしれませんが、悪役のどぎつさも全開しており、最後にスカっとすよう話をまとめてる手腕はさすが!!

フレディ
3M4Y9ZHL
No.11:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(1pt)

オーデュボンの祈りの感想

これはひどい。読みにくいし意味もわかりませんでした。

歌舞伎蝶
LMC3R9P9
No.10:
(5pt)

オーデュボンの祈りの感想

デビュー作にも関わらず癖のない文章は読みやすく、後のベストセラー作家の片鱗は窺えます。
しかし、爽やかな筆致に油断しているとエグイ設定をスッと入れてくる人ですね……。

ちんちろりん
NLFRSLFL
No.9:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(1pt)

オーデュボンの祈りの感想

はじめて途中で読むのやめました。自分には理解できなかったです。

はやと
LP6O9U8L
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

オーデュボンの祈りの感想

なんとも不思議な世界観で洒落た会話も著者らしい。
嫌な現実世界と逃避先の空想世界を行き来する不思議な浮遊感を味わいました。

ミステリにおける全てを理解し読者へ説明するモノ(探偵の立場)をカカシとし、
またそのカカシが殺されてしまう事によって起きる
人々の困惑と謎の提示が面白かったです。

世界観や終盤の物語が収束していく展開は見事なのですが、
悪意の表現がいつも通り好みに合わず、(それが著者らしくていいのですが)
この点数で。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

egut
T4OQ1KM0
No.7:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オーデュボンの祈りの感想

シュールです。
案山子が何故喋るんだと怒る人には向かないです。

舞台は外界と隔絶された孤島。
現実世界とそれ程乖離している訳ではないが、そこには不思議な人々、不思議な習慣がある。
そこに連れてこられた主人公と島で出逢った友人が、兎に角ひたすら島の中を歩き、数多くの不思議な島民と出会うお話です。



▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

梁山泊
MTNH2G0O
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

伊坂幸太郎の原点

伊坂幸太郎のデビュー作。なるほど、伊坂幸太郎はデビュー当時からあまりブレていないのだな、と実感。淡々とした、しかし情景が浮かぶような筆致。この辺の技量はさすが。ただ、ミステリーとしての評価となると「普通」でしょうか。伊坂ワールドをどう評価するかで、好みが大きく分かれる作品だと思います。

たろじゅん
545PYLEP
No.5:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(1pt)

オーデュボンの祈りの感想

コンビニ強盗に失敗し捕まった後ひょんなきっかけで逃走し、見知らぬ島へと逃げた主人公。その島は百年以上鎖国を続けており、喋るカカシが存在すると言う不思議な所でした。シュールな設定で、SFではありませんがファンタジーですね。
作者のデビュー作ですが、この頃からすでに後につながる本質は同じです。いつも通りにレイプ、身体障碍者、病人、社会生活不適合者等々、底知れぬ悪意と狂気に満ちていて救いが無い。読んでいて本当に気分が悪くなる。もちろん現実には信じられない様な事件が毎日起きていて、許せない悪人はいっぱいいる。けれどそう言う話はもっとリアルな世界観とハードな文体が似合う。こんな軽い文章でこんな若い人に書いて欲しくない。ただ、ストーリーの続きがとても気になる。この才能をもう少し違う方向に向けて欲しい、本当に勿体ない。さらりと読み易いだけに、内容とのギャップが最低でした。

なおひろ
R1UV05YV
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

オーデュボンの祈りの感想

面白かった。独創的で不思議な話を体験できます。
人気作家はデビュー作から凄いのを書いているのだと思いました。

aspol
NY52ZXBG
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

オーデュボンの祈りの感想

これが伊坂さんのデビュー作だとっ!?いきなりこんなすごいのだしたのかっ!
最後に全てがつながる爽快感はさすがは伊坂幸太郎です。
案山子が喋る(←裏表紙にも書いてあります)など、展開は斬新です。
実に面白かったです。

アンコウ
BKBVHN0W
No.2:
(4pt)

オーデュボンの祈りの感想

しゃべるかかしとかアイディアには斬新さを感じますが、登場人物が多すぎ。
登場人物の個性を出すためのエピソードの連続で途中で疲れました。

もう少し人物を絞ってスピード感があれば良かった。設定が斬新なだけにちょっと残念。

のきま
PLEETMYE
No.1:
(5pt)

オーデュボンの祈りの感想

井坂幸太郎さんは、音楽とか絵とか、好きですなぁ。

悪役の書き方が下手なんですね。
こいつに狙われたなら、死んでも仕方ないなぁって思えない。(どの作品も)

まぁ、その軽さがいいのか・・・?

しょうちゃん
FA0NGXYL
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!



その他、Amazon書評・レビューが 342件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク