陶芸家・長倉英臣の父の一周忌で、石黒義彦は英臣の娘・智子と再会する。

女生徒との恋愛がスキャンダルとなり、都内の名門校を追放された元教師。

ある女のひとを守ってほしい―沢崎の事務所を訪れた十才の少年は、依頼の言葉と一万円札五枚を残して、雨の街に消えた。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

400日ぶりに東京に帰ってきた私立探偵沢崎を待っていたのは、浮浪者の男だった。

定年を迎えたり、親しい友人が亡くなったり、親やきょうだいの法事に集まったりするとき、ふと胸をよぎるのは、幼かった頃のことや、最も輝いていた時期のことだ。

本書は沢崎シリーズの、第二期のスタートを告げる作品。

ただひとりの肉親だった祖父を目の前で殺害された渋木祐介少年の生活は、その日を境に一変した。

きみが先祖から受け継いできたものの正体が知りたい―都内の小さなPR会社を経営する俵谷慎介のもとに、郷土史家を名乗る老人がふいに現れた。

これが最後の仕事と思い決めて、危険な犯罪に走った初老の男が辿ってきた人生(「トマト」)など、七本の短篇を収録。

第六協洋丸、仮想敵国の領海に接近するためのスパイ船。柏木はその仕事を好まず、親友・成瀬に船長の座を譲った。

海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。

スーパーの親爺。ヤクザからは足を洗った。

民族の悲願、独立国家の樹立を求めて暗躍する中東の少数民族クルド。

建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。

飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。

若い女性と燃えあがるような情交を愉しむ。妻の体の奥底まで追求する。

生き急ぎ、駆け抜けてきた。

雪の札幌。

新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。

神奈川県警の刑事・二村永爾は、殺人事件の重要参考人ビリー・ルウの失踪と関わった嫌疑で捜査一課から外されてしまう。

アメリカはニューイングランド地方の田舎町、トゥームズヴィル。

刑務所帰りの旧友と再会し、執拗につきまとわれる滋郎。愛する家族を守るため、言うなりに金を払うのだが―(「再会」)。

渋谷を根城にファイトパーティーを主宰し、トップにのし上がったストリートギャング雅。

悔いてはいないが、そろそろ残された旅を急がなければならない。

弟は三年前、本牧埠頭に沈んだ愛車の中で発見された。腹をえぐられて死んでいた。

躰の中で、なにかが止まった…。四年前のある日、平凡な会社員・立原に生じたある感覚。

アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。

「極道は身代金とるには最高の獲物やで」。大胆不敵な発想でヤクザの幹部を誘拐した三人組。

弁護士・谷の同僚、戸部が失踪、つづいて彼と関わりのあった小山民子が殺された。

見上げた空は果てしなく高かった。都会での華やかな暮らし、想い続けている人の横顔が、ふわり浮かんだ。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

自殺した妻は妊娠を隠していた。何年か経ち彼女にそっくりな女と出会った秋山だが、突然まわりが騒々しくなる。

黒川博行氏絶賛! 人生の切なさと輝きを描き上げた短編集。

大阪府警捜査一課”黒マメ”コンビvs稀代の知能犯。圧巻の警察ミステリ! 三協銀行新大阪支店で強盗事件が発生。

新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。

凄絶な幼少期を過ごしながらも、コロンビア・マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。

本書と続刊『ハードボイルド』は著者初のエッセイ集『ミステリオーソ』(95年)に、その後著された新たなエッセイ・対談・短篇を加えて再編集した“原〓@4AD4@(りょう)エッセイ集”増補版。

冷たい雨の夜だった、池内峻介は傷ついた女を拾った。彼女は江田美也子。

世界的な評価を受ける若き画家・宇佐美の個展で、義父を描いた作品が無残に破壊されるという事件が発生。

かつてなくリアルに描かれる捜査の実態と癒着、横領、隠蔽、暴力、…日本警察の真実のなかにあぶりだされる男たちの強烈な光と闇。

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。

故郷とは、人に何をもたらす場所なのか?「読む者をリングに立たせる」と言われた迫力満点のボクシング小説でありながら、人と風土との関わりを深く見つめた傑作―故・江藤淳氏が選後評で「いつの間にか引き込まれていた」と語った、第25回文芸賞受賞作『汝ふたたび故郷へ帰

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

かつて能登の断崖に消えた“百舌"が工作員として再び日本に潜入した──。

故郷を捨て、過去を消し、ひたすら悪事を働いてきた日系ブラジル人の高木耕一は、コロンビア人の出稼ぎ売春婦DDと出逢う。

大阪府警薬物対策課の桐尾と上坂は覚醒剤密売捜査の最中、容疑者宅で想定外のブツを発見した。

無茶苦茶な誘拐事件だった。身代金が金塊二トン(時価32億)。

愛する女・牧子のために殺人を犯して、暴力団と警察に追われる幸二。

ボクサー崩れの酒井は、恩人・津村のパチンコ店で働く釘師。

初老の介護士・三谷孝は、対人関係能力、調整力、空間認識力、記憶力に極めて秀でており、誰もが匙を投げた認知症患者の心を次々と開いてきた。

警察官が関与する事件が続発した。警察庁特別監察官・倉木は、警察内部で巨大な陰謀が進んでいると踏み、捜査を開始する。

ともに大阪府警を追われた、かつてのマル暴担コンビ、堀内と伊達。